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奈良県奈良市池之町にある杉森建具店の山中社長は、組子建具の名人です。
杉森建具店は、奈良市の県庁前から南へ行き、猿沢池の南200mの所にあります。
古都奈良を象徴するような場所に工場も自宅もあります。
大正13年からの創業であり、大変な伝統を持った建具屋さんです。
山中社長は、特技が「幼い頃から木工が得意でした。」と言うように、木の加工に関しては、大変な誇りを持っておられます。
本日は、山中社長にお願いして、組子建具の実際の製造過程や、組子の型の種類などを教えてもらおうと取材訪問しました。
右の写真は、組子建具の組子の細かい木のパーツを切断している所です。真剣な表情がこちらにも、ヒシヒシと伝わってきます。
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杉森建具店の山中社長に、組子の色々な型の種類を教えてもらうようにお願いしたところ、快く笑顔で、教えていただきました。
すぐに、工場内にある組子の3種類の型を目の前に置いて、説明し始めました。
大変な技術の持ち主ですが、そのようなそぶりも見せずに熱心に説明をしていただきます。
工場内に3種類、自宅に3種類の基本の型があります。合計10種類の型があって、それらの説明を受けました。 |
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まず、工場内にある基本型からの説明を受けました。
右の上の写真は、組子の基本型の「松川菱」という型です。
菱形に組まれていることから付いた名称だと思われます。
幅約1p、厚み約5mm位の木を削ってはめ込んでいきます。
大変な細かい作業で時間もかかります。一旦組み上げると結構丈夫に出来上がります。
右の下の写真は「二重松川菱」という型です。
松川菱を二重にした型です。組み上がれば、より一層ガッチリした組子となります。 |
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左の写真の型は、「本捻篭目」(ほんねじかごめ)と言います。
松川菱の型に縦に木を組み込んでいくのですが、山中社長は、この型は、大変難しい組み方で、特殊な組み方だと、教えてくれました。
写真でもお判りいただけますが、木どうしが重なる部分には、必ず切れ目が入っており、その切れ目を間違いなく、入れていく事は、至難の技だと感じました。
山中社長は、組子を製作している事を夢にまでも見るとの事です。それだけ集中して、頭が組子のことで、一杯になるのでしょう。 |
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山中社長は、工場内にある、組子の型のサンプルで説明を終え、今度は、自宅にある他の型を使った完成例を紹介してくれました。
自宅の前右側に、郵便受けが立っています。
木工を扱っている会社らしく、杉森建具店と明記され、亡くなられた先代と一緒に暮らしている先代の奥様の名前が、明記されています。
素朴な感じの郵便受けですが、どこか趣のある感じがしましたので、写真に収めさせてもらいました。 |
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杉森建具店の自宅の全景です。
施工例の三番目に述べています、飾り建具と組子細工の家具の数々の中に述べられている通り、この自宅は、飾り建具と組子細工の家具の宝庫です。
飾り建具と組子細工の家具の「ショールーム」といったところです。
全ての部屋を拝見しても、置いてある家具や、天井、壁、窓といった全てが、組子細工が施されており、飾り建具の「宝の山」です。 |
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その自宅の玄関入口の上にある欄間に施されているのは、「花組子」と言われる型です。
丁度、花びらが規則正しく並んでいるような感じを与えます。
組子は、一旦組み上げると大変丈夫になり、びくともしません。
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次に玄関を入ってすぐの天井部分には、「氷組」という型が施されていました。
照明によって照らし出された感じは、氷が色々な方向に向いてはいますが、それでいてバランスが保たれている不思議な型です。 |
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次に応接間の窓に施されている「香図(このず)」と言う型です。
外からの明るさを妨げることなく、趣のある窓にしてあります。
全部直線の木で組まれていますが、どこか曲がり角のような印象があると感じられるのは、不思議です。
主に、組子の基本の型は、10種類ほどありますが、これらの基本の型をベースにして、色々な独創的な組み方ができます。
しかし組子建具を組み立てるには、手間が大変かかります。
山中社長は、その手間を惜しまずに根気よく、組子に挑んでいきます。 |
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左の写真は、日本の伝統工芸の組子技法で、一品ずつ手作りされた本格的な組子商品です。
中でも、高級欄間に用いられることが多い、伝統的な菱型模様を基本形に「三組手亀甲」が作られ、更に三角形の格子組子には、「かさね竜胆(りんどう)」模様が細かく施されています。
三本の木片を組み合わせて作る「雑木林ポット敷き」です。このシンプルなデザインも組子細工の伝統技法、三組手で作られており、勿論本物の木製です。 同じ手法での「雑木林コースター」もあります。
組子コースター ・・・ 3,000(税別) 雑木林ポット敷 ・・・ 1,800(税別) 雑木林コースター ・・・ 1,300(税別) です。 |
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奈良市の中心部にある猿沢池の南200mの所にある、杉森建具店の山中社長は、幼い頃から、木工が大好きでした。
そのことが、現在の山中社長の組子建具の熟達に大きな影響を与えています。
建具店としては、普通の建具(扉・障子・木製窓など)の製造にも力を注いでいます。まして息子の悠紀さんの参加を得て、一層将来を見据えたビジョンを持って建具の製作に邁進しています。
人懐っこい笑顔でいつも接していただいていますが、いざ製作の段階では、表情が一変し、真剣そのもので製作に励みます。
今回の欄間の組子製作については、図面の製作段階から、熱を込めて取りかかり、約二週間をかけて完成させました。その製作過程において、熱のこもった製作に出会えて、大変感動しました。 |
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左の写真は、完成した伝統工芸の組子の欄間です。
お客様から、組子技法を使った欄間を作って欲しいとの要望から、製作に着手しました。
この組子の欄間には、ガラスがはめ込まれる予定です。
見ていただいてお判り頂けると思いますが、大変綺麗に出来上がっており、図面に基づいて色々試行錯誤を繰り返しながら、製作しておられます。
それを2台製作しました。二週間の間、組子の欄間の製作に没頭された事がよく判ります。
杉森建具店の山中社長は、組子建具は材料よりも、手間が圧倒的にかかると言っています。 |
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杉森建具店の山中社長が完成した組子の欄間を持っている写真です。
この組子の欄間には、ガラスがはめ込まれます。この組子の欄間をご覧いただいて、判っていただけると思いますが、全部直線の木をはめ込んでいますが、円形が見えたりします。不思議な感じを覚えます。
後は、ガラスをはめ込んで、2〜3日後にお客様へ納入する予定です。
杉森建具店の山中社長は、完成した組子の欄間を持って、会心の笑顔を見せてくれました。
組子建具のご相談、お見積り、ご下命は是非、杉森建具店の山中社長へ宜しくお願い申し上げます。
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