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2016年11月4日、奈良市阿字万字町にある、「なら工芸館」にて、木工教室がありました。
杉森建具店の山中社長が講師という事で、取材にお邪魔しました。
午前10時から午後2時までとのことです。今回は、何を製作されるのかは、前回の施工例で紹介しておりました通り、「行燈」の製作です。
山中社長から、開会の挨拶の後、私も挨拶させていただき、本日の取材を皆さんにお伝えし、了解していただきました。
山中社長は、早速最初の手順を説明していきます。まず木工では、大切な「枘(ほぞ)」の製作です。 |
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「枘(ほぞ)」は、木工では、一番大切な事です。木と木をくっ付ける際に、大工さんであれ、建具屋さんであれ、一番重要な技法です。
木と木を付ける所に凸凹を作って、はめ込むのです。
そのことから、木はお互いにガッチリとはめ込まれて頑丈になるのです。
これから使用する道具は、鋸(のこぎり)、ノミ、千枚通し、鉋(カンナ)、金槌(かなづち)、木製用ボンド、ペーパやすり、以上です。 |
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山中社長は、あらかじめ枘(ほぞ)を簡単に作れるように、切り込みが入れてあり、それを鋸で切り込みを入れて、ノミで綺麗に、バリを取っていきます。
皆さん、一斉に鋸を持って、作業を開始しました。
皆様とは、初対面でしたので、名前などは、全然判りませんので、少し苦労です。
今回の参加者は、男性7名、女性4名の計11名です。
鋸を持つ手もおぼつかないようですが、恐る恐る鋸で切り出し、ノミでバリを取って、綺麗にしていきます。
凸部の枘(ほぞ)は出来上がっていきます。
山中社長は、一人、一人を順番に見回っていきます。気になる人には、手本を示しながら、教えて行き、常に注意を払っていきます。 |
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今回の木工教室には、作業台が3台設置されています。その作業台に11名の生徒さんが、座っています。
女性の方々は、日頃使ったことのない道具を使用するので、おっかなびっくりの感じで、始めましたが、少しずつ慣れてこられたようです。
女性4人の方々は、日頃、鋸やノミ、鉋、金槌などは、ほとんど無縁の道具ですので、手に馴染むまでに、時間がかかりそうです。
作業台の上に置いてあった、行燈を作るための、木の部品が数多く置いてありますが、各人比較的綺麗に、分けて置かれています。
適当に置いていると、判らなくなる程、木の部品が多いです。
山中社長は、次に、ある木の部品を示し、枘(ほぞ)の凹部をノミを使って、作ってもらうと伝え、皆さんに説明しました。 |
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木の部品を2本ずつ取り出して、印が付いている所へ、ノミを当てて、金槌で打ち込んでいきます。
木の途中までノミで四角い穴を開けるのですが、その力加減が良く判らない人が殆どであり、山中社長は、作業台を走り回って、指導していきます。
女性の方々4名も、必死にノミを木に当て、金槌でノミを打ち付けますが、11名全員が金槌を打つので、その音は大変な音量でした。 |
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今回の木工教室で使用される道具は、山中社長の話によると、奈良県建具協同組合から、借りてきているとの事。
鋸(のこぎり)などは、「組子用」と明記されています。
組合では、講習会などを開く場合は、それらの道具を貸すとの事で運営されており、大変便利で、助かる制度だと思いました。
山中社長は、皆さんが、ノミで打ち込む加減が良く判らないとの事情を察して、集まってもらい、再度その要領を丁寧に説明をしていきます。
それから皆さんは、ノミを木の部品に当て、金槌でどんどん叩いていきます。
叩き終わってからは、千枚通しを使って木屑などを取り出して完成です。 |
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今回の木工教室に参加された皆さんは、山中社長の説明を理解して、金槌を持って、ノミを木に当て、叩いていきます。
その音たるや、大変な大きさで、なら工芸館に来館されている人達も部屋に入って来られ、見て行かれました。
山中社長は、全部の作業台を回って、1人、1人の作業の状況を詳しく見て行きます。
上手く出来ずらい方には、丁寧に教えて行き、マスターされると嬉しそうに頷いていました。 |
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次に、山中社長は、全員に集まってもらい、次の作業の説明を始めました。
その作業は、今回の行燈を作る木の部品の全部に鉋(かんな)をかけて、木の部品の表面を綺麗にツルツルに仕上げるのです。
大変な数の部品ですので、少し大変な作業になります。
鉋をかける際の姿勢をしっかりしないと、綺麗に鉋かけは出来ません。
皆さんは、全員立って、鉋を持って作業を始めました。 |
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皆さんなかなか上手く鉋を使えてないようです。普段、生活の中で鉋を使う事はまずありません。
そのため綺麗に鉋屑が出ません。山中社長は、鉋をかける際の姿勢も大事だと、見本を示して、受講者さんを鼓舞します。
女性の方は、力が比較的弱いために、少し大変です。
今回の鉋かけが一番大変な作業のように思われてなりません。しかし頑張って鉋かけに挑戦しています。
鉋で削って、表面を手でツルツルかどうか確認していました。 |
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