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2016年10月初旬に奈良市池之町にある、杉森建具店の山中社長の工場へ取材にお邪魔しました。
工場では、今年3月に建具職人として、杉森建具店に飛び込んだ山中社長の長男の悠紀さんが、一生懸命に動いていました。
山中社長のお話だと、建具職人さんで30歳以下の人は、殆どいない状況との事だとの事。
18歳などは、とんでもなく、建具組合に皆さんから、大変羨ましく思われているとのことです。
この日の悠紀さんの作業は、木製の扉を製作することです。木製ボンドを内部の梁の部分に塗っています。塗る作業も随分上手になったように、感じました。 |
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ボンドを塗り終えて、山中社長の力も借りて、内部の梁の部分をひっくり返し、正規の表面の裏側に密着させました。
建具扉の表面の裏側としっかり合うように、左右上下をしっかり合わせていきます。
なおかつ悠紀さんは、お父さんの親方から教えられている通り、直角の金尺を持って、内部に組まれている木の部分と表面になる板とがしっかり合っているように調整を行います。
山中社長も、悠紀さんにたいして、3月から徐々に指導してきたので、ある程度信頼して、任せています。
悠紀さんも頑張って早く一人前になるよう、毎日頑張っています。 |
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悠紀さんは、今度は、内部の木の部分に木製ボンドを手早く塗っていきます。
日々努力して、建具職人として技術の向上を目指している悠紀さん。
お父さんの山中社長の領域に達するには、まだまだ年月が必要だろうと思います。
特に組子の建具製作には、大変な努力が必要となります。すぐ近くに、組子建具の名人がいるので、組子にかんする技術の向上も早いと感じます。
片面へのボンドの塗りも、塗り漏れのないように、しっかり塗り終えました。
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悠紀さんは、電動プレス機の場所で、ボンドの塗り作業を進めていました。
他の場所での作業だと、プレス機まで移動させる間にズレルことが考えられるのです。
ボンドを塗った上から、表面に板を置き、直角金尺定規で、しっかり合わせて、プレス機の電源を入れて、プレス機を下降させまいsた。
悠紀さんは、プレス機が均等に降りてくるのかどうか、また表面の木にきちっと降りて、プレスされているか、ジックリ観察しています。 |
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これが完成した木製扉です。
この扉を6枚を製作するとのこと。悠紀さんは、すでに2枚を完成させており、残りは、4枚です。
建具は、工場で完成して、現場へ納入し、はめ込み作業をやっていきますが、この作業が結構時間もかかり、手間もかかります。
完璧な、はめ込み作業をやって、やっと終わるのです。
悠紀さんも、お父さんの親方に付いて、現場に行き、はめ込み作業をするようになっています。
このはめ込み作業を完璧にこなしていく職人さんにも、早く一人前になって欲しいものです。 |
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山中社長は、息子さんの悠紀さんに対して、建具の親方としては、節度をわきまえて、厳しく指導をしていってます。
但し、自分の長男でもあるので、難しいかじ取りをしています。
私が、取材の際、二人の動きを見ていても、山中社長は、丁寧に要領良く、作業を指導しています。
この親子の関係は、同業者の中でも評判となっており、20歳以下の建具職人さんが、全くいない同業界でも、異色の存在となっています。
少しでも早く、山中社長の領域に追いつけるよう、期待しております。
悠紀さん、がんばれ。 |
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