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今年初めての取材に、奈良市池之町にある杉森建具店の山中社長をお尋ねしました。
丁度、本日は、木材屋さんからの注文で、個人宅の大変大きな扉を製作し始めていました。
山中社長の話ですと、材料は注文主の木材屋さん支給との事です。
どれくらいの大きさの扉なのかを、身ぶり手ぶりで教えていただきました。 |
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通常の建具を製作するのとは違って、木と木を組み合わせるのに、一番大切な「枘(ほぞ)」を作る作業に入っていきます。
先ず大きな扉の縦柱に凹の枘を作るために印を付けていきます。
縦柱をあっちこっちとひっくり返して印を付けていきます。
いつも感心しますが、山中社長は、身体が自然と反応して、次々とひっくり返して迅速に印を付けていくのです。 |
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大きな扉と言っても、どれ位の大きさなのかを聞きますと、山中社長は、高さ2mの扉を1枚。
高さ2・5mの扉を2枚を作るのです。
写真は2・5mの扉の材料の前で、写真の納まっていただきました。
個人宅で、小さい扉は部屋から洗面所に入る扉で、大きい扉は、廊下の両端に取り付けるとの事。
完成写真を是非撮ってもらうようにお願いしておきました。 |
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奈良市池之町にある杉森建具店の山中社長の息子の悠紀さんは、昨年3月に杉森建具店に建具職人として入社し、やは1年近く経ちます。
お父さんの山中社長は、この1年、一から色々指導してきました。
まだまだとの山中社長の話ですが、悠紀さんは、テキパキと仕事をこなしています。
今回の作業は、大きな扉の柱に凹の枘(ほぞ)を作ります。電動角穴機の前で、作業しますが、山中社長がまず見本を示し、悠紀さんがその後、角穴を開けていきます。 |
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山中悠紀さんは、電動角穴機のハンドルを回したりして、穴を開ける位置をしっかり決めて穴を開けていきます。
すっかり一人前の建具職人さんです。親方から言われた通りに作業を進めます。
山中社長は、新たな柱に凹の枘を作るべく、柱に印をしっかり、付けていきました。 |
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山中社長は、扉に付ける太い横木を取り出し、凸の枘を作っていきます。
まず、建具用の鋸で、印まで裁断します。
その後、ノミで切り口を綺麗に削っていきます。
その作業を繰り返し継続させて、凸の枘を完成させました。
最後に、はめ込む凸の枘を鉋で削り、凹の枘にすんなり入るように、綺麗に鉋で削って完成です。
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ここで、扉の横柱の先の、凸の枘の製作をクローズアップしてみました。
まず2本の凸の枘の真ん中を落とすのですが、あらかじめ鋸で縦に切ってある根元にノミを当て、金槌で叩いて注意深く削っていきます。
ノミの角度を変えて、金槌で叩き、真ん中の部分を落としました。
ノミで凹の部分を綺麗に削っていき完成です。
最後に凹の枘にすんなり入るように、鉋(カンナ)で、角を削って完成しました。
この作業を何回も繰り返して枘を完成させていきます。 |
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山中社長は、枘を黙々と製作していきます。
大きな扉の横柱を縦柱に差し込んでいき、次の工程に入っていきます。
大変大きな横柱なので、どんな扉になるのか、完成品を早く見たいです。 |
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本日の取材は、時間の関係で最後までは、無理なので、山中社長にお願いして、息子の悠紀さんと二人で、写真に納まっていただきました。
悠紀さんも、少しずつ一人前になるために、日々努力をしています。
山中社長も息子の成長を見つめつつ、建具の製作に励んでいるのです。
今年もより一層の発展を期待しております。 皆様のお問い合わせや、ご相談、ご下命をお待ちしております。 |
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