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建具屋  市野政光の施工例

施工例写真1
三重県鈴鹿市加佐登3丁目にある、市野建具店の市野社長は、つい2、3日前に採寸しに行った、京都のリノベーションの現場のフラッシュドアの製作にかかっていました。

デザイン事務所と工務店の関係から、遠方の京都に足を運んで、注文をうけました。京都の現場までは、正味1時間30分で到着しました。

その後、市野社長と打ち合わせて、フラッシュドアの完成度を色々聞いて、取材にお邪魔しました。

市野建具店の工場の一番奥の作業台の上には、木枠に組み込まれたフラッシュドアの骨組が置いてありました。

フラッシュドアは、表面の木板の中を全部が框(かまち)ではなく、空白の部分を設けて、出来るだけ重さを軽くしてあるドアです。

そのため、価格も安くあげられるのです。現在、扉・ドアの80%ぐらいは、フラッシュドアになっています。
施工例写真2
しかし、市野社長は、フラッシュドアといっても、中味の木枠は、しっかり充実させている事を、写真で良く見ておいて欲しいと、言っておりました。

確かに重さとの兼ね合いになりますが、表面の木板を貼ってしまうと、全然判らなくなります。

手抜きをしないように、木枠を充実させて、フラッシュドアを完成させる事が、大事だと、市野社長は、力説されています。

この写真は、この4月から修業にきている、S青年にフラッシュドアの時の注意点、特に木枠の並べ方などを、丁寧に教えています。

S青年も、3ヶ月が経過しており、色々教えてもらって、実践して身に付いてきている感じが、します。

これからのS青年の成長が、大変、楽しみです。
施工例写真3
S青年は、市野社長に教えてもらった内容を、実践すべく、エアー釘打ち機を持って、木枠に向かっていきます。

市野社長に指導を受けた箇所を、調べて、エアー釘打ち機を狙いを定めた箇所に、発射します。

S青年は、大変温厚な性格ですが、この3ヶ月の間、じっくり観察してきましたが、辛抱強く、なかなかの好青年です。

少しでも早く、一人前になることが、ご両親の夢でもありますし、頑張ってもらいたいものです。
施工例写真4
この日の取材で、もう一人の助太刀さんが、おられました。滋賀県の建具屋さんです。

今回の注文品が、完成した時には、京都の現場のはめ込み作業も手伝ってもらうのだと、市野社長は、言ってられました。

この写真は、フラッシュドアの木枠に、表面の木板を、コニシボンドの「ホルムアルデヒド」を使用していない安全な接着剤を塗ってプレス機に何枚かのフラッシュドアを重ねて入れてプレスします。

半日ほど置いてから、取り出すのですが、そのフラッシュドアの積み込み作業を、市野社長の奥様と、助太刀の滋賀の建具屋さんの二人で、やっていきました。

積み込み作業も二人で行動していきます。二人の息を合わせて、しっかり積み込みをやっていきました。
施工例写真5
ホルムアルデヒドを使用していない安全なコニシボンドをフラッシュドアの表面の木板と木枠を接着させます。

しかし、短時間の接着では十分ではありません。ですので、ボンドを付けたフラッシュドアを何枚も、重ねて、プレス機でプレスして、強制的に接着させるのです。

一度のプレスに7〜8枚ほどのフラッシュドアを重ねていくのですが、丁寧に、慎重に重ねていくのです。

重ねる際に、コツらしき感覚があるみたいです。大きさが多少違ったりしますので、出来るだけ同じ大きさのフラッシュドアを積んで四隅を合わせて、きっちり積み込みます。

そうでない場合は、多少の大きさのずれは、かまわず、出来るだけ木枠が、上下でうまく合うように、積んでいきます。
施工例写真6
滋賀県の建具屋さんであり、助太刀の建具屋さんは、今回プレスするフラッシュドアを市野社長の奥様の協力もあり、全部綺麗に積み上げて、プレス機を作動させます。

スイッチを入れ、プレスを降下させますが、ゆっくりと、降下させていきます。

積み上げた一番上のフラッシュドアに当たる際には、ゆっくりと接着させるため、接着面を覗き込むようにして、操作をしていきました。

これでしばらく動かさずに、強固な接着となるように、しばし時間をおきます。
施工例写真7
後先が逆になりましたが、この写真は、フラッシュドアに接着剤を塗って、プレス機で、半日プレスして、外へ引き出す(取り出す)作業を写しているところです。

助太刀の滋賀県の建具屋さんと市野社長の奥さんが息を合わせて、一枚のフラッシュドアを手前の作業台の上に出しました。

市野社長もそれを見つつ、奥さんの側のフラッシュドアの角を持って、外へ出しました。

奥さんと二人で、角を持って、作業台の上に置きました。
施工例写真8
上の写真は、プレス機で、接着剤を塗って、プレスし、十分にくっついた、フラッシュドアを作業台の上に取り出しています。

市野社長が、一枚のフラッシュドアを持っている間に、市野社長の奥さんと、助太刀の滋賀県の建具屋さんが、協力して、その下のフラッシュドアを持って、作業台の上に置きました。

下の写真は、今度は逆に、ボンドでフラシュドアの表面の木板と木枠をくっつけて、プレス機の台座に綺麗に置いて、プレス機に懸けて、本格的な接着作業に、入っていくのです。

フラッシュドアの利点を出すために、しっかり接着するように、丁寧に注意深く、プレス機の台座の上に、綺麗に並べて、角を合わせて置いていきます。
施工例写真9
こうしてプレス機で、完全な形で接着されたフラッシュドアは、次の工程では、パネルソウと言う、「昇降丸鋸盤」にかけられて正規のサイズにカット(裁断)されるのです。

このパネルソウは、建具屋さんでは、必ず1台は置いてあります。

場所を取らない優れものです。切られる扉をパネルソウに固定して置いて、裁断する刃が動いてカットしていきます。その結果、縦ばかりを裁断していき、扉は手で動かして縦・横を決めるのです.

助太刀の滋賀県の建具屋さんは、作業台の上に木切れを置いて、そこにファラッシュドアの寸法を書いておき、その寸法をパネルソウにセットしていきます。

その手早さは、見事なものであり、名人芸です。市野社長が、完成した建具のはめ込みを依頼する職人さんであり、その技術力は、大したものです。
施工例写真10
市野建具店の市野社長の助太刀さんであり、滋賀県の建具屋さんは、パネルソウの操作方法は、熟知されているようで、まるで自分の工場での操作をしているように、扱っています。

現在は、フラッシュドアの縦方向を、裁断するために、パネルソウに置いて、セットをしてSWを入れました。

助太刀の建具屋さんは、きちっと裁断しているか、横から覗き込んでいます。万が一おかしな動作をする場合は、すぐ機械を止めますが、今回は、問題なく完璧に、前へ進みました。

それが終了したので、今度は、フラッシュドアを横向けに置き直して、寸法の短い部分を裁断していきます。

このように、17か所、30枚ちかくのフラッシュドアの周りの、不要になる部分を裁断していきました。
施工例写真11
私が、市野建具店の市野社長を、いつも取材をして、感心する事は、段取りの良さ、段取りの速さなのです。

数が多い建具、神社の常夜燈の窓枠などは、良い例で、とても間に合わないだろうと、思っていましたが、材料の手配などの段取りの良さで、間に合わせて完成させました。

市野社長は、豊富な経験、豊富な建具の知識を持っておられますが、性格が、優しく温和なので、お問い合わせや、ご質問に対して、丁寧に答えて頂けます。

皆様からのお問い合わせや、ご質問がありましたら、ご遠慮なくお申しつけ下さい。

皆様からのご下命を心からお待ちいたしております。
どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

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