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三重県鈴鹿市加佐登3丁目にある、市野建具店の市野社長は、同じ三重県の同業者の建具屋さんから、茶室の雨戸の製作依頼を受けました。
市野社長は、KADにて、茶室の雨戸の平面図をプリントアウトしました。
その図面をプレス機の場所に、吊り下げて、しっかり見てみます。それをしっかり見てから、段取りにかかります。
その図面を基にして、材料の手配や、製作手順を決めて行き、製作にかかりました。 |
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市野社長は、その図面をしっかり詳細に見て、今回の茶室の雨戸の特徴をしっかりつかんでいます。
サイズや長さが、KADによって、打ち出されていますが、肝心の雨戸の表面の板が大変薄いことが、判ってきました。
普通の雨戸の表面板とは違って、茶室の雨戸は、茶室の窓に懸けておくという、簡素なものであります・
従って、今回の雨戸の表面板は、大変薄い材料を使って仕上げていくのです。 |
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プレス機の上には、茶室の雨戸の製作途中の雨戸の表面板や製作に関する用具類が置いてあります。
その表面板の厚みは、1ミリ強で、2ミリあるかなしかといったところでしょうか、大変薄いです。
そして雨戸の表面板を留めるのに、薄い竹を利用しています。
茶室の雨戸という事で、大変センスある、趣ある竹をここで、使用しています。 |
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左側の写真が、完成した茶室の雨戸です。茶室の窓やくぐり戸は、全部で、5か所ほどありますが、全部同じ材料で、同じ厚みで製作されて、統一されています。
大変趣のある、雨戸であり、茶室に架かる雨戸故にセンスある雨戸でなければいけないのです。
表面板を留める止め木に竹を使用していますが、それも、竹の節を揃えて、綺麗にまとめられています。
茶室の雨戸故に、センスある、趣ある雨戸でなければならないために、板を留める木に竹を使用したのです。
その結果、見事にその目的は達せられていました。大変見事な成果でした。 |
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右の写真も、茶室の雨戸が完成した写真です。
大変綺麗に仕上がっています。趣を持たす意味で、表面板を留めるのに、竹を使用していますが、もう一つ、表面板を重ね張りにしている事です。
普通の雨戸であれば、表面板は、一枚の板で、良いのですが、茶室の雨戸なので、変化を持たせる意味で、表面板を重ね張りに仕上げました。
表面板を順番に重ねて張っていくのです。そういった変化を持たせることで、趣も一層増していくのです。 |
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そこで重ね張りとは、どのような状態を言っているのか、写真にてご説明いたします。
左側の2枚の写真の一番上の部分で、少し見にくいですが、薄い板があり、次の板が反った状態で、前の板に重ねられていく状態を言っています。
その連続が、重ね張りと言っています。反った板は、表面から、出っ張りますので、変化ある表面板の形成となります。 |
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プレス機の上に、ほぼ出来上がっている、茶室の雨戸がありましたので、最終の説明をしておきます。
KADにて出力した図面に基づいて、材料を加工して、組み立てていきますが、今回の茶室の雨戸の大きな特徴は、薄い表面板を重ね張りにして、竹を止め木にして、仕上げています。
従って、大変センスある、茶室の雨戸の完成になったと思われます。
このように、市野建具店は、豊富な経験を生かして、同業者さんからの信頼も厚く、顧客さんや、工務店さんからも問い合わせが色々まいります。
今回の茶室の雨戸の実際にはめ込んで完成した、茶室の写真を是非お願いしたいと、市野社長に依頼しておきました。 |
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三重県鈴鹿市加佐登3丁目にある、市野建具店の市野社長さんは、現在は、弟子入り修業中のSさんがいますが、これまで、奥さんと二人で切り回してきました。
特に、組子を使った建具は、大変得意で、同業者からも、一目置かれています。従って、同業者からの製作依頼は、複雑な建具が殆どです。
しかし、KADを駆使し、コンピューター内蔵の設備機械を使用することによって、素早く対応しておられます。
奥様も内助の功を発揮して、表具職人としても活動されており、大変はつらつとしておられます。
規模は小さく見られがちですが、仕事の大きさは、大変なもので、三重県下では、ピカッと光る存在の建具職人さんであり、建具屋さんです。
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