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2016年10月に、久し振りに相浦木工所を訪問し、取材をお願いしました。
今回製作されている別注家具は、お客様用の下足箱です。
全回の施工例でレジスターの製作をアップしていますが、その同じ会社が経営する、居酒屋さんが、大阪の天下茶屋にも同じ店舗を開店される事になりました。
お客様用の別注下足箱を相浦木工所で、5台を受け持つ事となりました。 |
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相浦さんには、丁度木製の板の側面に木製用ボンドを塗っているところにお邪魔しました。
写真に写っている下足箱が全体の外観ですが、大変大きく、重いものです。
縦に4列、上下に6段と、この下足箱だけで、24名のお客様の下足を収納します。
この24名分×3基、3列18名分×2基の合計5基を製作していきます。
問題は、オープンの下足箱ではなくて、1小間毎に鍵付き扉を付けていくのです。
これは大変な作業で根気が必要だと、すぐに感じました。 |
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相浦さんは、木製ボンドを側面に塗った板を少し乾燥させてから、ボンドを塗った面を上にして、茶色のテープを取り出し、ボンドを塗った面に当てました。
そのテープを右の方へ引っ張っていきます。テープの下に貼ってある紙を上手に剥がしながら貼っていきます。
大変器用に作業を進めていきます。この板は、下足箱の扉に使用する板です。 |
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相浦さんが板のボンドを塗った側面に特殊な茶色のテープを貼っているところを、もう少し詳しく見ていただきます。
テープを貼るスタートでは、しっかり角度を合わせて、右の方へ引っ張って貼っていきますが、テープの下には、テープを保護するためのテープが貼ってあり、それを上手く剥がしながら、貼っていきます。
途中で角度が違ってはみ出さないように、上手く貼っていきます。
相浦さんの真剣な表情を見ても、大事な作業だと判っていただけると思います。
この板は、お客様用下足箱の扉になる部分ですので、大変大事な部分です。 |
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相浦さんは、テープを貼っていって最後の部分は、手で、テープをきつく下へ引っ張って、カットします。
その表情で、少し力がいる作業だと判っていただけます。
別注家具は、一品一様で、同じものはありません。
実際、お客様の現場へ行き、採寸して、色などを決めて製作にかかりますが、完成して、現場にスッポリはまる家具は大変お客様に喜ばれます。
お客様にとっても、スペースをより有効に使っていただけると思います。 |
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相浦さんは、テープを貼り終えると、ペーパーヤスリを使ってテープと木とボンドの面取り作業を進めていきます。
この作業は、将来テープが剥がれないように、する大事な作業です。
ペーパーヤスリで擦ってバリを落とし、テープと木を馴染ませれ、その後、布きんで、木の粉塵などを綺麗に、拭き取ります。 |
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相浦さんは、テープを貼り終えた板を今度は、切断する作業に入っていきますが、その寸法を再確認しています。
この切断する板は、お客様用下足箱の1小間の扉になります。
その状況を相浦さんは、身ぶり手ぶりで私に説明してくれました。
それによると、一列の扉は、上から下まで、同じ木目の模様を使わなければいけないとの事です。 |
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相浦さんは、扉には、夫々チョウ盤を取り付け、鍵を取り付けなければなりません。
また扉の戸当たりも取り付けます。扉の上から下まで、同じ続き柄でいかなければならない事が少し大変です。
少し休憩しようと休んだ時に、相浦さんのすぐ左側の茶色の板が扉になる板です。
これから扉用の板の裁断の工程に入っていきます。 |
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その前に、相浦さんは、下足箱に付ける扉の戸当たりは、この辺りに付ける予定だと、教えてくれました。
この戸当たりを下足箱の各小間に、全て付けます。これだけでも、大変な作業だと感じますが、相浦さんは、根気よく作業を進めていくのです。
相浦さんは、テープを貼り終えて、立ててある板の所へ行って、柄の選定をしました。
下足箱の縦一列の扉は、同じ柄の流れでいきます。
そのため適当な板の柄を選定し、裁断する前に運び出しました。
木目の柄を合わせますが、扉の縦の長さを合計して、テープを貼った板との長さは、あまり余裕がありませんので慎重に作業を進めます。 |
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相浦さんは、昇降丸鋸盤を操作しますが、完成している木目模様の木の縦部分をまず裁断します。
と言うのは、下足箱の扉の部分がしっかり小間部分に入るようにしなければなりません。
先に採寸しておいた、図面を基に、昇降丸鋸盤の目盛を合わせて縦に裁断しました。
昇降丸鋸盤は、スペースがあまりなくても、大きい長い木を裁断する時に大いに威力を発揮してくれます。 |
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相浦さんは、縦に裁断した木を下足箱の所へ、持って行き、カットした板を小間に入れて、扉の閉まる感覚が良いかどうか、色々板を当てたりして、測っています。
小間の扉を閉める時、あまりきちきちではお客さんから、クレームが出るだろうし、あまりゆるゆるでも具合がよくないです。
一番大事な所なので、何回も合わせ直しています。
段を変えて、同じ操作を繰り返していました。
相浦さんの真剣な表情に、事の重要度が判っていただけると思います。 |
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この日は、取材はここまでとしました。後は、納品が決まっている日まで、一週間しかありませんが、悠々完成するとの事です。
相浦さんには、居酒屋さんで使われる、お客様用の下足箱の外側のフレームの前で写真に納まってもらいました。
これから細かい部分の製作ばかりですが、きっと素晴らしい下足箱が出来上がるでしょう。
完成した写真は後日送ってもらう約束をさせていただきました。
完成写真もアップする予定です。お楽しみにして下さい。
別注家具の匠として、根気よく製作に励んでおられます。
別注家具のことなら、相浦木工所の相浦さんに御相談下さい。
皆様のご下命をお待ちいたしております。 |
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今回の大阪・天下茶屋の居酒屋さんへ納入する下足箱が完成し、相浦さんが、完成写真を送って下さったのでご紹介いたします。
取材にお邪魔してから、約1週間、相浦さんは、この下足箱にかかりきりだったようです。
今回もレジスター台の注文があり、最後に完成させました。
下足箱の製作中にも、ご紹介しました通り、扉の表側は、木目の模様を上下に合わせていくという製作課題がありましたが、各扉とも上下に模様がしっかりつながっています。
来店されたお客様が、この下足箱をご覧になって、きっと綺麗にそろっていると思われます。 |
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下足箱の中味をご覧いただきます。
扉には、鍵がかかるようになっており、アルミ製の横からプッシュして、上に上がった鍵をお客様が持って、店内へ行かれます。
このアルミ製の鍵は、丁度公衆浴場(銭湯)の脱衣所でご覧になっていると思います。
扉の中は、左上手前に扉止めが施工されており、仕切り板が1枚入るようになっています。
各下足箱の一番下の段は、扉が少し長めになっており、女性が履かれるブーツなどがはいるように、工夫されていました。
相浦社長は、数が多く、大変細かい作業をされました。根気が大変必要とされる作業でした。
相浦社長、大変お疲れ様でした。 |
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最後に前回の施行例でも掲載させていただきました、沼津市の居酒屋さんへ製作・納入したレジスター台の注文もあり、急ぎ間に合わせるため、超特急で製作されました。
全く同じチェーン店なので、規格があるようです。
24日の完成にやっと間に合いました。相浦社長は、今回の納品には、同行しませんが、下足箱の扉の1枚、1枚は、外して納品されるとのこと、輸送中のゆがみや、傷防止のためらしいです。
色々な苦労がありましたが、無事納期を守れて、ホットした声で、話されておられました。
相浦社長、大変ご苦労さまでございました。大拍手です。 |
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