|
|
京都市西京区下津林芝ノ宮町にある、株式会社 竹中建具店にお邪魔して、久し振りに取材をいたしました。
竹中社長のお父さんの親方は、高齢のため、工場には出てられませんが、竹中社長、大西さん、前田さんは元気に作業をされておりました。
工場の中に入って、大西さんに色々聞くと、現在、大変大きな扉を製作中との事。
竹中社長さんとは、建具業界の色々な問題点や、多忙な故の問題点などを話し合いました。
竹中社長は、建具協同組合の役員をされている関係上、色々な問題点に対して、答えを出していただけます。
竹中社長は、常に冷静であり、建具に対する情熱の塊は、大変大きなものを持っておられます。 |
|
|
竹中建具店の工場の中に入って、早速、建具職人の責任者である、大西さんに、現在の工程について色々聞きました。
大西さんによると、大変大きな扉の作製中だとの事でした。
大西さんは、1枚の大きな木板を作業台の上に、置きました。
木板の表面は、すでに綺麗にカンナ掛けされており、仕上がっている扉の表面だと、すぐに判りました。
建具職人の大西さんは、番頭格であり、竹中社長の信頼も厚く、建具の知識も大変深く、何を質問しても、的確に答えが帰ってきます。 |
|
|
建具職人の大西さんは、今、作業台の上に運び入れた木板の所に向かって、金槌を持って、木板の端の方を叩いて行きました。
なぜそんなに叩くのかと、質問すると、敷居のサンプルを見せて、敷居の溝を指さして、「この溝にしっかり入るようにするのです」と答えてくれました。
溝にキチキチでは、スライドする動きが悪くなるし、溝に対して小さすぎると扉がガタガタするので、その調整は難しいのです。との事でした。
大西さんは、カンナを持って、金槌で叩いた箇所を補修のために注意深く、削っていきました。 |
|
|
もう一人の建具職人の前田さんは、電動回転裁断機の所で、回転する丸鋸の刃を交換して、その刃をしっかり締め付けました。
前田さんは、大きい扉の部品となる枘(ほぞ)の補助を作っています。
手を添えて、裁断するのは危険なので、木で作った補助木を添えて裁断していきました。 |
|
|
建具職人の大西さんは、今、金槌で叩き、カンナで削って完成させた、木板を別の場所に立てかけました。
また違う木板を持って来て、その木板の端を金槌で叩いて、その後カンナで削っていきました。
この作業を、繰り返し行い、何枚も完成させていきました。
建具職人の大西さんの手際の良さは、際立っています。特にそのスピードは、早く、かと言って丁寧さを伴って、綺麗に仕上げていきます。
作業の工程を良く、理解して、竹中社長が、信頼している事もよく理解できます。
建具職人としても、一級品です。持っている建具に関する知識も豊富であり、色々説明して、納得させてくれます。 |
|
|
昇降丸鋸盤の前には、凸の枘(ほぞ)が出ている、大きな木枠が何本も置いてあります。
建具は原則として、釘は一本も使わないのです。従って凸と凹の枘(ほぞ)を作って、お互いを組み合わせて、固定をする。即ちジョイントするのです。
しっかり木と木を固定するには、しっかりした枘(ほぞ)を作る必要があります。
出来上がっている枘(ほぞ)を見てみますと、綺麗に製作されており、文句の付けようがありません。 |
|
|
建具の組み立てには、釘は一本も使われません。その代わり、枘(ほぞ)という技術を利用します。
木工製品を作っている、大工さんや建具屋さんなどは、枘(ほぞ)を作って、木と木をジョイントさせています。
昇降丸鋸盤の前に置いてある、柱には、枘(ほぞ)がしっかり製作されており、柱の溝にも、枘が作られています。
どの枘(ほぞ)も綺麗に製作されています。この大きな扉は、しっかりした完成を迎える事、間違いないでしょう。 |
|
|
建具職人の前田さんが、作業している作業台の上には、今回の大きな扉の柱が並べられて置かれています。
勿論、すでに沢山の枘(ほぞ)が製作されています。
大西さんに聞くと、一辺の高さが、2700mmとの事なので、相当大きな扉になります。
大西さんにも、竹中社長にも、納入後の完成写真を必ず撮ってもらうように、お願いしておきました。
大きな柱が置いてある、左側に小さな枘(ほぞ)がおいてあります。
木と木のジョイントをするのですが、どの箇所かを聞きましたが、明日納品との事で、質問をスルーしました。
とにかく、明日の納品後、完成写真を撮ってもらうように、念押ししておきました。
|
|
|
株式会社 竹中建具店の竹中社長は、昨年の大阪北部地震や、台風の襲来で、お客様からの沢山の修理や、注文でいまだに、仕事が溜まっています。
従って、その溜まった仕事を消化しつつ、新しい注文を取っていきます。
竹中社長は、営業も兼ねて活動しているので、大変ですが、採寸〜打ち合わせ〜受注〜工場にて製作〜現場へのはめ込み〜施工と一連の動きの中で、リーズナブルにお客様に建具を提供できるのです。
皆様からのお問い合わせやご質問を受け付けています。お客様からのご下命を心からお待ちいたしております。
宜しくお願い申し上げます。
|
|
|
後日、竹中建具店の竹中社長より、LINEにて、大きな扉の取り付け先の写真が送られてきたので、その完成度と、取り付け工事の内容を知って頂きたいと思います。
納入先は、京都市左京区の個人宅で、大きな庭がある、お家です。
正門と勝手口と二つに分かれており、大変大きなお家の門と扉に変身しました。
この写真は、勝手口に取り付けられた大きな扉です。引き戸になっており、鍵も取り付けられています。
大きな石ブロックに囲まれた勝手口は、これ位の大きな扉でないと、バランスが、取れないのでしょう。 |
|
|
この写真は、京都市左京区の個人宅で、大きな庭のある個人宅の正門に取り付けられた、両開き戸です。
大変綺麗に、美しく出来上がっております。大変重量があり、その重量に耐えうるように、取り付け方法に、工夫がされておりました。
二つの門の中央で車輪を受けて、重量を分散させています。また、門の両端に蝶番の役目をする金具を付けて、両開き戸にして、前から奥へ押せば、軽く、スライドして、開いていきます。
以上のように、大変重量のある正門の扉を色々工夫をして、スムーズに動作するように、考えて取り付け工事を完了しました。
大変、綺麗に、美しく仕上がっており、お客様も大変喜ばれておられました。作り手の方も、安堵の気持ちになりました。 |
|