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建具屋  竹中朗の施工例

施工例写真1
京都市西京区の株式会社竹中建具店のお仕事をご紹介致します。
竹中建具さんは代表:竹中朗さんを筆頭に、先代である親方(朗さんの父)、そして建具職人さん二名の四人で建具製作を主にお仕事をされています。

今回は住宅用の室内ドア建具と採光窓建具の製作と、それらドア取付・窓取付の仕事を取材する機会をいただきましたので、その様子をリポートさせていただきます。

京都市上京区の一般住宅のリフォーム工事に伴い、建具ドアの製作依頼を受けられてからドア建具・採光窓の色や形イメージを確認後、実際にリフォーム現場でドアと窓の取付部分の採寸をおこない、その寸法を元に図面を制作してから建具製作に入ります。
※今回は採寸時と取付時は他のスタッフが撮影に伺っております。
施工例写真2
竹中建具店の建具製作工場は広く・明るく・清潔で整理整頓されています。

工場にはパネルソー、コールドプレス機、手押し鉋盤、角ノミ盤、丸ノコ盤、自動一面鉋盤、軸傾斜横切り盤等、建具製作に必要な全ての大型機械が、常に稼働状態で完全整備されていました。
やはりこれらの機械も常に使わないとダメになるそうですから、竹中建具さんのお仕事が順調であることも物語っていると云えますね。
因みに昭和45年製造の機械もありました!!

大型の機械に眼が行きがちですが、もちろん手業を生かす建具職人の職人技で一つ一つの建具が精密に制作されています。

特筆したいのは竹中建具さんは工場の広さを活かし、仕入れた木材を適切に管理保存しており、良質な木材を使用した建具製作に努めておられるとの事です。
施工例写真3
竹中建具店は昭和39(1964)年創業以来、先代が京都はもちろん関西一円で御活躍され、現在の建具屋さんにまで創りあげました。

先代が建具職人の道に入ったのは昭和26(1951)年の事!
65年間も建具職人を続けておられる、超ベテラン職人であり、まだまだ現役の建具職人ですが、今は親方として若い職人さんの育成もされながら建具製造に携わっております。

この日の親方は角材の直線を出す作業をされていました。
角材は一本一本が歪みを持っているので、その歪みを削って真っ直ぐな角材にする作業です。
角材を工場に運び込み作業台に置き、その中から一本を選び削る箇所を見極め、そして鉋盤で削り修正を加えて、仕上げた材として揃えておく。
この作業を行なう親方のその一連の動きに一切の無駄がない事が素人の私にもわかります。
それはまるで何かの演舞のような動きなのです!
施工例写真4
親方が見せてくださったのは二連のホゾを開ける工具です。
今は機械で瞬時に正確に彫る事が出来る時代ですが、親方が建具職人を始めた頃から数十年間は専用のノミで手刻みで加工がされていたそうです。

それらの道具達は今でも保管されており、流石に現役ではなくなったそうですが、機械化されて便利になった事の有り難みを一番感じておられるのは親方だとおもいました。

一般的に、若い職人さん達は見習いの時から既に機械化された工場でつくるのが殆どでしょうから、それの有り難みにはなかなか気づけないかも知れません。

親方の創業当時、機械を導入されて少しづつ増やし全てを揃えて仕事ができるまでにする道のりは大変な御苦労が合った事と想像します。

お忙しく作業される親方が手を止めてお話をくださった事は、私個人にとっても貴重なお話となりました。
施工例写真5
さて此処でドア建具製作に話を戻します。
竹中建具代表の竹中朗さんがドア建具のラッチケース取付加工の様子です。

朗さんが代を引き継いでまだ数年ですが、御本人の建具職人歴は20年!
既にベテラン建具職人の領域ですが朗さん御自身は「まだまだ知らない事だらけ」とご謙遜されながら、私の質問に全て丁寧に答えてくださりながら手作業でドアノブのラッチケース取付を行っていきます。
もちろんドア建具本体も竹中建具さんで製作された品物で、ラッチ取付はほぼ最終工程となります。

先ずはマスキングテープをドア側面(ラッチフロント側)に貼り付け、製品の取付け説明書とおりに採寸し寸法をマークしていきます。
施工例写真6
次にセンターポンチで記された場所にドリルで穴あけ加工。
これはドアノブを取り付ける部分です。

熟練建具職人の竹中さんですが、とても丁寧に採寸作業をして、ドリルの刃を入れる際も慎重に行っていました。

熟練の職人だからこそ確実な施工の為にするべき事が何か?を心得ているのです。
その為には慎重で丁寧な作業が求められると云うことなのです。
施工例写真7
こちらはドアラッチケースを建具ドアに収める為の加工。

罫引(けひき)と云う専用の道具を用いて正確に罫書き線を入れます。
この罫引きは建具屋さんで筋罫引という種類の道具で、材に平行な線を記すのが目的の道具ですが、ただ真っ直ぐに罫書くだけでなく、「罫書き線の太さ」が求められる建具加工
に用いられます。

ペンや墨では0.1ミリ程が細さの限界となりますが、それが罫書ける滑らかな表面の材はなかなか無いので、実際は0.3ミリ程でしょう。
罫引は道具に仕込まれた刃で材の表面に薄い傷を入れて0.06ミリ以下の極めて細い罫書きが行えるのが特徴です!
まさに「髪の毛一本」の精度が要求される建具屋さんの道具ですね。
施工例写真8
罫引の線を中心に鋭く尖ったキリを用いてドリル穴あけようの位置が記されます。
「ドリルで穴をあける」と云う作業に此処までの精度が要求されるとは驚でした!

何度も何度もドアラッチ本体を充てがって、余分をノミでひと削りし、また充てがって調整しながら収まりの精度を出していきます。

竹中さんはこの工程で精度を出すことで、後の工程が正確に作業でき、それが最終の仕
上がり精度に結び付く事を理解されているので、ドリル穴あけ一つを疎かにする事がありません。

建具職人として当たり前と云われるかもしれませんが、常にその当たり前を心掛けて建具ドアを製作・納品するのは大変な事だと思いました。
施工例写真9
おおよその穴あけが終わると、堀り定規をドア建具に取付けて作業が継続されていきます。

堀り定規はフロントを綺麗に収める溝を作る為の道具で、トリマーを用いてラッチケースのフロント孔を作るさいにトリマーが動く範囲を固定して、材を削りすぎたり等の削り損ないが発生しないように制御できる優れものです。

写真でラッチフロント孔の彫り加工が施される前と、施工後を見比べていただけると、此処での作業が御理解いただけやすいのでは。
施工例写真10
全ての加工作業が終了して建具ドアのラッチ取付が完了しました。

このような作業は建具製作の多くの製作工程のほんの一工程に過ぎませんが、それらの全てを丁寧に作業することで、建具の仕上がりが決まるのだそうです。

何かを疎かにする・・・例えば表面に見えていない部分の加工精度に手を抜くと、目に見えてないにも関わらず「何かがおかしい」仕上がりになってしまうのだそうです。
施工例写真11
さて此処からは京都市上京区で行われたドア建具取り付け施工の様子になります。
ドア取り付け現場の縦枠にラッチ受けの埋め込み取り付けと丁番取り付け工事も竹中建具さんのお仕事となります。

現場にノミやドリル等の道具を持ち込んでのドア枠側への工事は、もちろん建具ドア製作と同じ精度を出して施工工事がおこなわれました。
施工例写真12
竹中建具さんで製作した採光窓建具と欄間建具の取り付けも行っていきます。
採光窓の取り付けは独特の形状なので特に窓枠への加工が難しい様子ですね?

窓枠の場所が天井近くの高い位置にあるので、取り付け作業には脚立を用いながら、二二人掛かりの作業となったようです。

京都市上京区のリフォーム現場で今回のドア建具・採光窓建具・欄間建具の製作、取り付け施工がとどこおりなく終了し、京都の建具屋さん「竹中建具」さんのお仕事は無事に完了となりました。

京都で建具製作を続けて52年!竹中建具は竹中朗社長が代を受け継いで、「質の高い建具」の提供を守りながら、更なる飛躍を目指しております。
竹中建具さんは一般のお客様から建具製作の御相談も多く受けられているので、その対応も十分に御満足いただける筈です。
欄間のリフォームや、ドア建具の製作など、建具に関する事は「竹中建具」さんにお任せください。

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