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滋賀県近江八幡市船木町にある、株式会社 浅尾建具店にお邪魔して、社長の息子さんで、甥っ子の浅尾定利さんが、フラッシュドアを製作されるとの事で、取材させていただきました。
フラッシュドアの木枠に、合板を貼ってそれをプレス機でプレスし、合板が剥がれないように、接着させます。そのためのプレス機です。
プレス機から、十分に接着されたフラッシュドアを取り出し、作業台の所へ、移動してきました。 |
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浅尾定利さんは、次に、今回のフラッシュドアに入れられるガラス部分の周囲の加工を行っていきます。
外板の大きさは、元の枠板よりも、大きく施工されているので、それを均一(面一)にする必要があります。
そこで、浅尾定利さんは、電動のルーターを使ってその段差をカットしていきます。
ガラスが入れられる部分を上から丁寧にルーターを使って、削っていきます。削り漏れがないように、丁寧に加工を進めていきました。 |
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ルーターを使っての作業を終え、浅尾定利さんは、小さなカンナを持って、ガラスの入る部分の角を削っていきました。
そして、次にペーパーヤスリを巻いた、レンガの大きさのヤスリを持って、今削った角の部分を丁寧に滑らかにしていきました。
その辺りの完成度を間違いないものにするために、浅尾定利さんは、懸命に滑らかさを出すために、念には念を入れます。 |
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浅尾定利さんは、ガラスを入れる部分の加工を終えたフラッシュドアを完成したスペースへ置いていきました。
綺麗に出来上がっています。出来上がったフラッシュドアの厚みの細いサイドに番号を振っていきました。
右側の写真は、今回のガラスの入る部分を均一に削っていく、電動のルーターです。大変なすぐれものの機械です。 |
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次のフラッシュドアをプレス機から作業台の上に持って来て、ガラスが入る部分からルーターを持って、その側面を削って行きました。
その次に、小さなカンナを持って、ガラスの入る部分の角の部分を綺麗に削るために慎重に削っていきました。
5枚程ある、フラッシュドア全てに、この作業を進めていきました。大変早い速度で次々作業を遂行して行きます。感心する事頻りです。 |
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浅尾定利さんは、この作業を続けていきますが、その手元などを拡大した施工の様子を見てもらいます。
この小さなカンナは、優れもので、以前は大変苦労していたらしいです。フラッシュドアの木組と合板との大きさの違いを均一にするための作業などですが、建具職人の真骨頂が自然と出ます。
またその作業の速度が速いのにも、驚かされています。 |
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最近の扉の注文は、どこの建具屋さんにおいても、約7割がフラッシュドアです。框(かまち)枠を利用する、ガッチリした扉は、約3割といった状況です。
建築様式の変化に伴って、フラッシュドアの需要がもっと増えてきそうです。
その対応策として、浅尾建具店は、第一工場をフラッシュドアの専用工場として、稼働させています。
そのために、「ダブルサイダー」という機械を設置しています。他の建具屋さんには置いていない設備機械を設置しています。
フラッシュドア専用の上下・左右の面を綺麗に削る機械であり、一度に上下を同時に削っていきます。
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今回のフラッシュドアの取材では、5枚のガラスが入ったフラッシュドアと、1枚だけ平坦な表面の合板のフラッシュドアがあります。
そのドアを表面の合板の縦の寸法が大きすぎて、「ダブルサイダー」には、入らないので、裁断する必要が出てきました。
浅尾定利さんは、他の木を定規にして、表面の合板に筋を入れて、カッターでカットしていきます。
2〜3回ほど、カッターできつくカットしていき、表面の合板を完全に切り離しました。 |
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その表面の合板を切り離したフラッシュドアを「ダブルサイダー」に注意深く、セットしていきます。
浅尾定利さんの真剣そのものの表情を、とくとご覧下さい。
これを失敗すると全く一から作り直しになるため、必死の形相で間違いのないように、慎重であり、真剣にもなるのです。
その扉を「ダブルサイダー」に通し終えて、今度は、ガラスを入れるフラッシュドアをダブルサイダーにセットしていきました。
浅尾定利さんは、怖い位の表情で、ダブルサイダーのセットをし、フラッシュドアを機械の奥に押し込みました。大きな音を発しながら、フラッシュドアは奥へ進んでいきました。 |
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浅尾定利さんは、「ダブルサイダー」へ押し込んだフラッシュドアを取り込むために反対側へ移動しました。
ゆっくりとした速度で、両面が削られてフラッシュドアが出てきました。
浅尾定利さんは、そのドアを慎重に両手で持ち上げて、所定の場所に立てかけました。
同時に、今、削られた箇所の具合をしっかりチェックしました。 |
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浅尾定利さんは、ガラスが入るフラッシュドアの最後の1枚を「ダブルサイダー」へ慎重に押し込みました。
そして反対側へ行って、出てきたフラッシュドアを取り上げ、所定の位置へ置きました。
縦方向の両サイドは、綺麗に削れましたが、横方向の短い方の両面はまだ削れていませんので、これからその削り作業を行います。
「ダブルサイダー」の設定をやり直し、横方向の上下の寸法にしっかり合わせました。そしてフラッシュドアを機械に慎重に、押し込んでいきました。 |
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フラッシュドアの縦方向の両サイドが綺麗に削れている所をご覧いただきます。
これまで、建具屋さんを色々訪問いたしましたが、浅尾建具店さんが、設置している「ダブルサイダー」を所有している建具屋さんは、皆無でした。
それだけ、浅尾建具店さんは、先を進んでいると考えられます。
一面だけの削り機はあっても、両面を同時に削る機械「ダブルサイダー」はありませんでした。 |
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こうして、午前中の作業は、終了しました。午後からは、「ダブルサイダー」で削った上下・左右の面に化粧テープを貼る作業に入ります。
浅尾建具店の浅尾定利さんは、ガラスを入れるフラッシュドアの製作に没頭してきましたが、後は、化粧テープを貼る作業です。
取材はここまでで、後日、ガラスをはめて、完成したフラッシュドアの写真を送ってもらうことにしました。
最後に、すでに出来上がっている、襖の前で、写真に納まっていただきました。スッキリした笑顔でした。
皆様からの、ご質問やお問い合わせ、またご下命を心より、お待ちいたしております。宜しくお願い申し上げます。 |
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3月11日浅尾建具店の浅尾定利さんから、フラッシュドアの完成写真がLINEで送られて来ましたので、ご覧いただきます。
デザインスリガラスを入れると、大変スッキリとした容姿に見えます。
全体のバランスや色彩のあり方など、大変スッキリとしたスマートな感じを抱きます。
フラッシュドアとは思えない重厚な印象を見る者に与えます。
浅尾定利さん、大変お疲れ様でした。工場内では、一番若いですが、がんばって叔父さん達を引っ張って行って下さい。
皆様からの、お問い合わせやご質問を受け付けております。ご遠慮なく連絡をお願いいたします。 |
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