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西雲寺さんの山門屋根瓦葺き替えに引き続き、参道の両脇を固める壁瓦の施工工事を取材させて戴きました。
この日は他の業者・職人さん達によって参道の整備も平行して行われていましたので、重機が乗り入れられていたり、地面が掘り起こして在ったりと些か混雑していました。
それでも西堀さんを始めそれぞれの職人さん達が、お互いに気を使い配慮しながら各工事が進められていきます。
真新しく組まれた木製の塀に、先ずは一枚ずつ瓦が積まれていきますが、水平や垂直、そして参道の入口から山門まで積まれた瓦が一直線に通るようにする仮組み作業です。 |
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こちらの塀の外側両脇には建物が隣接していますので、その建物と塀とは非常に接近しており隙間は極僅かな幅しかありません。
なので仮組みと謂えども、実際に壁に積まれるまでには瓦の幅を整える加工作業が欠かせません。
先ずは隣接する建物と新たに建てられた西雲寺さんの壁との隙間を計り、余分な部分を瓦にケガキます。
次にケガキされた線に沿ってディスクカッターで数ミリの切れ目を入れていきます。
最後に瓦槌で叩いて余分な部分を割って落としていきます。 西堀さんは当たり前の小気味良い音を鳴らしながら、まるで最初からその形であったかのように、美しく割っておられました。 西堀さんに言わせれば、これも「誰でも出来る作業」の一つになってしまうのでしょうが、決してそんな事は無い筈です。
はたから見て簡単に見えてしまうのは、熟練の職人さんが作業されている事の証拠なのだと思いました。
この作業は全ての瓦に対して行われますが、場所によって隙間の間隔が異なる為に、数枚ずつ、ときには一枚ずつ微調整を繰り返されていました。
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ある程度の枚数の瓦が積まれてから、再び水平と直線の通り(瓦と瓦の繋ぎ目がズレたり歪んだりしないように)を出していきますが、ここでは木製の角材を用いてソレが出されていきます。
場所によって若干の微調整をされていましたが、正直なところ素人の僕には見分けが付かない程の物です。
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瓦がステンレス製のスクリュー釘で固定されていきます。
この場面でも西堀さんはしつこいくらいに瓦の位置の確認をされていきます。
この段階に来るまでに念入りに確認作業されていたのにも関わらずです・・・!
西堀さん「普通の人に見てもろて綺麗なんはもちろんやけど、他の瓦職人さんが見ても良い仕事してると思って貰わなあかんやろ?カッコ悪いことでけへん!」
西堀さんの職人魂と正直で誠実な人柄が伺えます。
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