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前ページに引き続き、 開冠瓦を積む作業が進められています。
棟瓦の時と同じように南蛮漆喰が盛られていきます。 ここでは冠瓦の形状に合わせて南蛮漆喰の高さと幅が整えられていきます。
そして冠瓦に開けられた小さな穴へ、先に施工された銅線を通した形で冠瓦が葺かれていきました。
瓦を最後に固定する場合、葺かれる場所や造りによって銅線や釘を使ったりしますが、耐震対策の規定にあわせた施工をしなければならないとの事でした。
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この施工作業、こんなふうに足場を組んで行われていきます。
端から端まで10メートルには足りないくらいでしょうか?もちろん山門の左右に壁が在ります。
前ページでも書きましたが、棟瓦を積む時はこのような状況の足場を壁の前後、そして山門の左右に、加えて棟瓦は三段でしたからその足場組み作業も三回繰り返すのです・・・(汗)
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朝の作業開始からお昼を挟んで、ようやく全ての冠瓦を積み終えて山門の部分の全ての瓦葺き替え作業が完了しました。
作業中に何度も確認されていた直線の通り(瓦と瓦の繋ぎ目が歪にならないように)を再確認してから、丁寧にゴミ等を拭き取られていきます。
作業の途中、カメラを向けてシャターを切ると、西堀さんは何度も「こんなん誰でも出来るし、撮らんでエエねんで〜」と笑っておられましたが、それには瓦職人としてプロ中のプロを自負されているからこその言葉だと感じました。
上下二枚のアップ気味の写真を御覧になって戴ければ、西堀さんの瓦葺きの施工作業がいかに「丁寧で正確か!」がお判りかと思います。
和瓦の持つ魅力が西堀さんの手で、更に高められていると思いました。
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最後に今回、西堀さんが屋根瓦を葺いた、西雲寺さんの山門と壁の全景です。
何枚もの瓦が上下左右、そして前後に正確に組み合わされて日本の伝統的な建築美を備えたお寺の山門になりました。
作業の途中にお聞きしたのですが「瓦葺き」には設計図が無いのだそうです!!
いったいどれ位の昔になるのか検討も付きませんが、先人の瓦職人さんが手掛けた瓦屋根を設計図もなしに、西堀さんの頭の中で、西堀さんの形に再構築された美しい瓦屋根に創り変えられたのです。
私「こちらの瓦は30年後位にまた西堀さんが葺き替えされる事になるのかも知れませんね?」
西堀さん「100年は保たすつもりで葺いてんのやけどな(笑)」
私「絶句!!」
皆様も瓦に関する事なら、社寺・一般住宅、新築・葺き替え・修繕のいずれに関わらず、実績と信頼のおける「西堀瓦店」の西堀さんに御相談されてみては如何でしょうか。
取材撮影;末光誠
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