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紫野の大工さん・長尾工務店の長尾さんから、パン屋さん店舗改築工事竣工の知らせを受け、京都市上京区の現場へうかがいました。 ※オーナー店主の清水さん御夫妻で営む、店名「京ぱん家 まるいち(5/27・朝8時オープン)」さんです。
元々が京町屋なので二階部分にはその面影が残されていますが、一階部分だけを見てみるとそれを感じさせません。 パン屋さんになる前には別オーナーさんが鮮魚店を営んでいたとの事なので、改装工事もやりやすかったと思いきや、仕様が全く異なるので、大幅な店舗リフォームとなり約一ヶ月半の時間を要しました。
写真は前回取材時に搬入された中島建具店さんへ別注した扉建具。 先代は指物師として御活躍された老舗建具店の店主職人、中島さんの手により伝統技法で作られた建具だけあって、その美しさに見とれてしまいました。 まだガラスがはめられる前なので精密な木組み様子がご覧いただけます。
最終的には木部分は塗装を施し、全体の色調を統一したので、パン屋さんらしい可愛い外見の店構えになりましたね。 |
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看板サイズと取り付け位置を決める為に採寸作業中の長尾さん。 予め無垢板材を設置するのが前提でしたので、壁の内側にも桟木で補強されていて、その無垢板の一枚板看板を取り付ける為だけに拘りの外壁張りが施されています!
この看板、縦400ミリ×横790ミリ×40ミリ厚の重厚感ある無垢板材で、長尾さんが買い付けされた桜の木から木材カットの後、店主の御友人デザイナーさんがデザイン、看板職人さんが手書きで描き上げた本格的なものです!
扉建具が設置され壁のガラスもはめ込みされた様子も、施工中と比べてください。
外から見た時の印象はオーナーさんの店舗イメージが一番強く反映されている部分であり、多くのお客様へのメッセージにもなるので、様々なアイデアが浮かぶ中、それを形にするのは御苦労あったと思います。
店舗改装を数多く手掛けて来た長尾さんのアドバイスも取り入れつつ完成に漕ぎ着けました。 |
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お店の中にお邪魔すると御覧の雰囲気。 木をふんだんに使い温もりと明るさが感じられる可愛い佇まいですね。
床板に張られた桜フローリングとレジカウンターの天板・お客様の荷物起きの棚も桜無垢材を使用して店内の統一感を高めています。
実は上京区の「京パン屋・まるいち」さんは、この日めでたくプレオープンを迎えられ関係者の方々が詰め掛けるなかでの取材でした! ※写真は丁度、中島建具店の奥様が来店された時のショットです。
店主の清水さん御夫妻は、パン焼きをしながら、お世話になった関係者の方々への挨拶対応までとお忙しくされるなか、撮影取材にも対応してくださり本当に感謝です。
工務店としての役割を果たしながら自らも店舗改築工事に奮闘した長尾さんも嬉しそうですね。
壁は既存のモルタル壁にペンキ塗装を施した仕上げです。 施工取材時は色気のないコンクリート壁のグレーがむき出しでしたが、クリーム色になってイメージが一変しています。
壁に直接取り付けされた木棚もポイントですね。 この棚の取り付けも金具が目立たないように一工夫されています。
ダウンライトを利用する為の電気配線も今回の工事で新設して対応しています。 |
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次に店舗奥側からの店内の様子。
レジカウンターの桜無垢材にはドイツ・リボス社の自然塗料で仕上げされました。 この塗料、誤って飲み込んでしまっても健康への害が無い安全な塗料で、日本国内の建築基準法に適合(F☆☆☆☆認定)してるのは勿論、製造元のドイツ本国のエコテスト機関からも高い評価を得ているのだそうです!
日本で古来から使われる「柿しぶ塗料」にも通じる安全・安心な木材塗料ですが、色染めが無い事で木材そのものの色合いが楽しめるのと、無臭なのでパン屋さんのような食品を扱う店舗などにはお勧めなのだそうです。
パン造りには欠かせない業務用のパン焼きオーブンとパン発酵器を、来店されたお客様に見せる配置になる為、「京ぱん屋・まるいち」さんリフォームにあたっての長尾工務店の拘りが散りばめてあります。
その一つ、ステンレス製の重厚で大きな器械を、可愛い店舗に調和させる事に成功しているのはオーブン換気口の新設ではないでしょうか? もし一般的なステンレス素材で換気ダクトを施工設置していたら、この可愛い佇まいは生まれてないと思います。
この空間造りにも長尾さんの店舗リフォーム経験が多く活かされていると感じました。 |
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食品製造・販売の店舗リフォームをお考えの方には、パン製造に欠かせない機器の設置方法に興味を持たれているのではないでしょうか?
元々が鮮魚店だったので全く異質な空間からの店舗改装工事です。 先ず業務用200ボルトの電源を新設するにあたり、建物全ての電気配線を引き直ししています。
古い京町家に幾度も改装・改築を繰り返されているので「電気配線の信頼性」には一抹の不安があります。 実際に古い配電盤・配線から分岐が繰り返され、その処理も素人仕事並の部分が幾つか存在してたそうですが、今回の町家店舗リフォームで長尾工務店の信頼する電気工事屋さんによって電気工事が施されました。 |
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そしてパン製造を店舗レベルでおこなうのに欠かせない「ぱん作りの為の厨房レイアウト」にはオーナーさんの最大の拘りがあります。
理想は「動線を直線にして流れ作業ができる厨房」にする事だったそうです。 当然それに則した製造機器や作業台の配置を踏まえた町家店舗改装工事が執り行われています。
京町家は間口が狭い代わりに奥行きが長いとされる独特の建築様式ですが、先のオーナーが鮮魚店を営んでいた際、店舗空間と居住空間をコンクリート壁で完全に仕切っていたので、それを一部取り除いて空間確保を行いました。
更に水道・排水口・換気口等、食品製造販売の許可を得る為の新たな設備設置や衛生法に基づいた室内の仕様にも適合させる施工工事がなされてます。
店舗リフォームは使う材料一つ、一般住宅とは基準が異なるので経験豊富であるとオーナーさんへのアドバイスも的確で円滑なのが魅力ですね。 |
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ここで「京パン家・まるいち」さんの御紹介も。
御主人は京都の一流ホテルでパン製造に励まれ腕を磨かれたパン職人のさん清水さん。 まだお若いですが「素材に拘った美味しいパン」をホテルのお客様だけでなく、大勢の方々に召し上がって欲しいとの思いで、独立を決意され初めてのお店を構えられました。
数々の拘りの一つ「レーズン種自家製天然酵母」を使ったパンを商品ラインナップ。
それの一番の特徴は「美味しい」という事。 パン酵母のイーストだけで発酵させたパンと天然酵母パンを比べると、独特の旨味・風味が感じられ、食感も異なります。 ただし製造工程での管理が難しいので、手間やコストを考えると安定して商品を作るにはパン職人の技術が必要とされ、それぞれの「パン屋独自の味」を確立する意味も含めて試行錯誤を要するのだそうです。
「京ぱん屋・まるいち」の天然酵母パンを私も御馳走になりましたが、香りがよくてしっかり歯ごたえがあって、旨味が濃い印象を受けました。
はじまったばかりの「京パン屋・まるいち」さんですが「本物のパンの美味しさ」を追求してパン作りに励んでおられますので、皆さんも是非とも御来店いただき御賞味ください。 |
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最後に「京ぱん家・まるいち」清水御夫妻と「紫野の大工さん・長尾工務店」長尾さんのショットで締めくくりを。
リフォーム工事の御依頼は施主様の不安がつきものだと思います。
壁をめくって・・・ 床を剥いで・・・ 等の見えない部分は仕方ありませんが、見える部分はおおよそのアドバイスを「施工前」に頂きたいですよね?
そういった不安を払拭して安心して工事依頼をしていただく為、そして腕の好い様々な職人さんとの出会いの手助けになるべく私ども「ええ職人ドットコム」はあります。
今回は食品を扱う店舗に求められる基準を満たす為の大掛かりな改造も必要(階段の掛け替え工事等)だったのですが、それが前提でリフォーム工事を依頼するのと、工事が進んで後戻りできなくなってから伝えられるのでは施主様の不安が増してしまうと思います。 長尾工務店は店舗改装や改築の経験が豊富なので安心して店舗改装工事を任せられるのが魅力で、今回の町屋店舗改装工事もそういったトラブルなく順調に施工が進められ竣工となりました。
そして小さな工事、例えば「既存の壁に棚を取り付けたいが、取り付け金具は見せたくない」というようなお悩みも、「TIT・長尾工務店」の長尾唯一郎に御相談ください。 ※「TIT」の意味はその際にお尋ねしてみてください♪ |
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