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京都市上京区での町屋店舗改装工事の続編。 この日はコンクリート土間へ新規床張り施工されるそうで、その様子をご覧いただきます。
私が上京区の店舗改装現場へお邪魔した時は、前日午後からの続き施工のようで割付の真最中!既に数枚のフローリング割付が進んでいました。
コンクリートに真っすぐケガキされた墨打ち線がお分かりになりますでしょうか? この店舗はパン屋さんとなるので、パン焼きオーブンをこのスペースに併設する為、そこはコンクリート床にしておく必要がるのだそうです。 なので床全面にフローリング床張りをするのではなく、約半分だけに床貼りが施されます。
材料は水目桜無垢フローリング床材(1820長×90幅×15厚)を、コンクリート直付けする工法で施工いたします。
割付を進めながら施工される箇所にあわせて正確にフローリング加工が進められていました。 |
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応援のフロア職人さんと長尾さんが割付されたフローリング床材を外し始めました。
※割付はフローリング床材を接着剤で固定してしまう前に、必ずおこなう仮置きの事です。 この割付の段階でフローリング床材が床面に合うように精密に刻み加工しなくてはなりませんから、フローリング床貼では一番の要とも言える重要な作業です。
割付完了後の床材を剥がし終えたら、いよいよ接着剤の塗布。
町家改装工事で新規施工設置された敷居とコンクリート床に、木材床張り専用ウレタン樹脂系接着剤が塗られていきます。 この接着剤は乾燥の過程で僅かに発泡するので、クッションの役割も期待できる優れものなのだそうです。 |
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床貼り割付が済んでいる箇所の全体に接着剤が均一に塗られた様子。 専用のカートリッジガンに接着剤を装填して塗布しているので、多すぎず、少なすぎずの適切な量が塗られており、接着剤の性能をちゃんと発揮させる事ができます。
接着剤の塗布が終わると、すぐさまフローリング床板が床に敷かれていきます。 隣り合う床板には凸凹状に溝が刻まれており、溝にはめ込みつつ敷いていくので、接着剤が塗布される前の割付(仮組み)とは違い、若干ですがコツがいるようです。
接着剤はすぐには乾燥しませんが、二人がかりで素早く床貼り作業が進められます。 |
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割付どおりに床張りが完了したら、フローリング床板が完全に接着するまで固定する為に当て木で押さえが作られました。
接着剤が完全乾燥するまでは、フローリング床板の縁の方向に圧力をかけ続ける事で歪みや床張りズレを防ぎます。 この押さえが中途半端だとフローリングの継ぎ目が浮いてしまったりする原因にもあるようです。
当て木をしながらフローリング板の縁をたたいて、凸凹溝に完全に噛み合わせてはめ込み、キチキチの状態にしてから、そこに当て木を置いて固定します。
固定にはビスが用いられるので、当て木とコンクリート土間にドリルで穴を開けます。 最後に眺めのビスをねじ込んで床板の固定作業が終了しました。 |
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ここの町屋店舗は築80年程にもなり、その間に繰り返された増改築によってコンクリート塗り壁の剥がれや歪み、、あた土間がデコボコしていたりして、現場合わせでその都度に刻み加工を施しながらの町家改築工事が進められています。
新規で造られた扉枠と面する部分は流石に殆ど無加工で済むようですが、壁面側は写真で御覧のように壁に沿って床貼りされるフローリング板には、かなりの刻み加工が施されているのがわかりますね。
なるべく不自然な隙間が出来ないように、床板を充てがっては少しづつ削っていく方法で加工されたそうで、手間の掛かる作業だった事が想像できます。
このような仕上げは職人の腕の差が如実に現れると思われますが、綺麗な仕上げとなっておりました。
コンクリート土間床貼張替えやフローリング床張等、特に木の床に拘って床張替えをお考えであれば、木材に精通した「紫野の大工さん 長尾工務店」に御相談を。 |
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前回の取材時から内装工事が随分と進んでいたので、ここで中間報告を。
こちらは前回は壁下地の間柱や桟木がむき出しの状態でしたが、柱・壁・天井も完成に近づいていました。
水道等の配管と電源コンセントも新たに設置施工され、厨房水回りの壁はメラミン不燃化粧板(AICA セラール)が壁張替え施工されていました。
オレンジ色で囲んだ写真にご注目ください。 水回りの壁を張替え施工するにあたり、長尾工務店では木枠下地・合板下地板・メラミン不燃化粧板の三層で壁板を作りました! 真ん中の合板下地板は床から1センチ浮かして施工されています。
水廻りへの施工に木材を使用しているので、水濡れで腐るなどしないように工夫された処理です。※ただし此れは「十数年以上も先を見据えた処理」で、一番表面のメラミン化粧板は耐水性でもあり、床との接地部にはコーキング処理の対策がしっかりとされている事を付け加させていただきます。。
グリーンで囲んだ写真は、厨房の柱への処理。 食料品製造店舗の保健所審査に適合させるため、床からの高さ1メートルまでを、耐水性能があるメラミン化粧板が貼られて万全です。 |
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ケイカルボードの天井張替えも終え、ペンキ塗装をもって最終仕上げとするそうです。
水色で囲んだ写真はパン焼きオーブン用の換気ダクト部分。 それを囲む大きなフードは一般的なステンレス製にせず、メラミン不燃化粧板で造った特製品です。 外側はケイカルボードとしてペンキで仕上げる柔軟性をもたせました!
ピンクの囲み写真は壁張りされた部分のアップ。 石面板で隙間が塞がれています! パテで埋めるには隙間が広いようですが、既存のコンクリート壁のデコボコに合わせて細く切った石面板をさらに削って加工してあります! こういう目立たない部分にもしっかりと職人の仕事がなされていました。
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先日に新規掛け替えされた階段の裏側の様子。 すでに石面板でそっくり覆われており、あとは目地をパテ埋め処理後にペンキ塗装仕上げを残すのみとなっていました。
一部を残して取り壊されたパーテーション壁には、木材で造られた窓枠が出来上がり、窓ガラスのはめ込みを待つ状態。 以前はサッシ窓がはめられていましたが、どんな仕上がりになるのか楽しみです。
階段の表側にも石面板で壁貼りがなされ、最後のペンキ塗りを待つ状態。 丁寧に造られた壁下地の桟木に釘打ち機で頑丈に止められています・・・が、部分的に浮き等が発生しそうな気配を感じる場所には、最後にビスを打って完璧な状態に! 北区紫野の大工職人・長尾さんの丁寧な仕事は、最後の最後まで気配りがされた後に、その結果が当然の如く現れているのですね!?
京都の町家店舗改装、町家改修リフォーム等、京町家のリフォームでお悩みでしたら「紫野の大工さん 長尾工務店」長尾唯一郎さんに御相談を。
次回はいよいよ町家店舗改装の完成レポートです!ご期待ください。
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