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京都上京区の町屋店改装に伴なう、壁張り替えに引き続き天井張り替えも御紹介します。 壁の張り替えと同じように予め施工された間柱・桟木に天井用パネル張り施工していきます。
以前の天井は「紫野の大工さん」長尾さんの手により解体されて、現在は太い梁等が見える町屋らしい雰囲気もありますが、新規に天井下地枠を設置施工された後、新しい天井が張られます。
結果、京町屋の面影は薄れてしまいますが、厨房兼売り場となる店舗スペースなので、保健所・消防署の許可審査に合わせた仕様の天井にしなければなりません。 |
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天井張りに用いる材料はアイカ製のケイカル板パネルです。 この建材は消防署の審査も確実にクリアできる日本製の信用ある建築材で、もちろん不燃性素材ですからパン屋さんの厨房にも安心して使えます。
先ずは天井張りする場所にケイカル材をあてがって、壁面の形に合うように採寸します。 この採寸は長さや幅を計ると言うよりは、コンクリートで造られた既存の壁のうねりに合わせて形を整えていく作業。
ご覧のように脚立を用いての作業になり、大きく重いケイカル板を元のサイズでは大変なので、先ずは半分の大きさに切ってから。
オレンジ色の枠で囲った写真はケイカル板にケガキがされた物。 長尾さんがあてがっている定規が、僅かに斜めになっているのがお分かりだと思います。 |
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壁の面に当たる部分だけしっかり形を整えれば、あとは天井パネル板を殆ど加工せずに天井張りできますが、この最初の段階で角度を間違えると大変。
間違った角度で天井張りを続けると、向かいの壁面に到達する頃には大きく角度がずれた状態になってしまいます。 当然、部屋の奥行方向に天井張りをしていくときも、ズレた角度のままになりますから、天井パネル一枚毎の切り出し加工をしなければならなくなってしまうのです。
最初の微調整をしっかりしておけば、他のケイカル天井板は成り行きで天井張り作業できるのです。 壁面にあてがって形を確認、再び作業台に下して微調整!の繰り返しをされているのも納得ですが、大変な作業ですね。
その微調整は大胆に削ってしまうと失敗に繋がるので、鉋を用いて一か所だけをひと撫で、ふた撫でする程度の慎重な削り加工でした。 |
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微調整を繰り返して最初の一枚が天井張りされました。 此処から暫らくは作業が一気に進みます。
このケイカル天井ボード!軽量とは云っても、それは他の建築材料との比較しての話。 そこそこの重量があるので天井下地(桟木)に張られたパネルの継ぎ手(パネル同士が隣り合う部分)に、更に角材を付けたして、たわみが発生しないように補強もされていました。 その考え方は壁張り替えの時と変わらず、ブレることはありません。 |
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此処はほぼ加工無しで大きな一枚のアイカ製ケイカル板を天井張りするようです。
他の職人さんも現場におられますが、自分一人で出来る事は自分で! 長い角材を組み合わせて即席のつっかえ棒をこしらえ、天井張替えのサポートに。 15歳から鍛えられたベテラン大工職人だけあって、こうした工夫はお手の物。 それぞれの職人さんが自分の役割を忙しく務める現場なので、なるべく手を煩わせないように仕事をされるのも流石!
製造元から出荷されたままの一枚の天井板をそのまま使うので、重量もありますから、張つける為の釘も多めに打っているようです。
天井下地は長い桟木が数本(この箇所では4本)が等間隔で部屋の左右に走っており、その桟木の幅の中心に墨打ちされたケガキ線をなぞって釘打ちをしていけば、天井パネル板は正確に強固に固定されます。 |
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いよいよ天井張替えの終盤。 パン製造の機械を置く場所の天井には、それに必要な水道配管と電気線がそれぞれ新設工事され伸びてぶら下がっています。 因みにパン製造のオーブン等、業務用の機械電源は一般家庭用100ボルトではなく、200ボルトなので業務用電源も増設工事がなされたとの事。
長尾さんは大工職人ですが、工務店代表ですので、大工工事以外の建築リフォームに関わる仕事を全て一括で引き受けられます。 その再には、長い職人歴を通じてお互いに信頼できる職人さんに声を掛けられ、その仕事に携わるのでまとまった良い仕事が出来上がるのです。
話を元に戻しましょう。 天井から延びる配管・配線に合わせて、ケイカル天井ボードに下処理の加工が施されます。 ホルソーを用いて円形の穴を空け、配管・配線を穴に通してから天井板が張られました。 パイプ頭の直径より大きめに穴を空けているのは、パイプが通しやすいから!ではなく、機械設置時の作業の自由度を確保する為です。 |
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京都市上京区で新にオープンする京町屋店舗のパン屋さん天井張替えが終了しました。
この後も京町屋改装の竣工まではまだまだ日にちが掛かるようですが、途中経過もお伝えできるように致しますのでご期待ください。
京都市北区を拠点に上京区・左京区・中京区・下京区で町屋店舗改装、町屋リフォームを数々手掛けている「紫野の大工さん 長尾工務店」の長尾唯一郎さんは、自ら木材を買い付けに出掛ける程、木を愛する生粋の大工職人さんです。 木の温もりある佇まいをイメージにリフォームをお考えであれば是非とも紫野の大工さんへ御連絡を。 |
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