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京都市北区を拠点に大工を営む「紫野の大工さん 長尾工務店」長尾唯一郎さんが手掛けている京町屋改修(京町屋を店舗用に改修)の現場。 以前に別スタッフが解体工事中にも取材をしましたので、先ずはその様子から。
一流ホテルでパン職人を務め修行された施主様が、独立され新たにご自身のお店を持つことになりました。 そのパン屋さんの設えに合うように京町家を改装工事をする事になったとの事。(元々も店舗用テナントとして貸し出されていた物件です)
写真はパン屋さんの厨房設備用に新たな水道設備の配管等を通すので、コンクリート土間を大型チッパーで粉砕してコンクリートの層を取り除いてる様子です。 この時は猛烈な振動と騒音、埃との戦いだったことでしょう。
一コマだけ昔ながらの風情が漂う写真が! ここは店舗スペースを隔てた京町屋の佇まいが残る空間。 建具や奥に見える階段がこの建物の歴史を感じさせてくれますね。
この部屋はなるべく既存の状態を残しつつ、パン屋さんとして営業する際の使い勝手も考慮された改修工事が施されるようです。
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そして上の取材から数日、店舗用の京町屋改修工事が進んだ状態に私がお邪魔しました。 この日は幾つかの改修工事が同時並行で進められていて、長尾さんの他に三人の職人さんが忙しく工事を進められています。
紹介するのは京町屋の階段架け替え工事の終盤、踏板・けこみ板の取り付け施工の様子。
長尾さんが各地の木材生産地に自ら赴いて買い付けた極上の木材を切り出し、刻み加工した逸品で、手にしているのが踏板用の北山杉。 杉は柔らかい木材らしいですが、それこそが階段踏板に選ばれた理由の一つ。 その柔らかさが階段を上がり降りする時に優しい感触になるのだそうです。
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分厚い杉材を精密に刻まれたホゾにスライドさせて一段一段を作っていきます。
厚みに対してほんの少しだけ(数値で表せばミクロン単位)きつめに彫られたホゾなので、はめ込みの最後はハンマーで叩いて押し込まれます。 もちろんその際は美しい踏板を変形させてしまわないように、当て木の上からです。
先程も書いたように、長尾さんは木材をご自身で買い付けますが、それは京都府のみならず、和歌山や岐阜県等の銘木産地へも頻繁に行かれる程。 「木を触っってるだけで幸せです」とおっしゃる程に木を愛して止まず、自ら選んだ良質の木材を、ここぞと云う場で建材に使える事に喜びと幸せを感じている紫野の大工さんなのです。 |
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大工の仕事をされてる時はご覧のような凛々しい、まさに職人の面持ちですね。
木材の刻み加工と階段設置工事を手伝ってくれた大工職人さんは、以前に私が取材させていただいた杉原さんでした! 成る程、階段掛け替え施工の全てが精密な仕上がりなのも頷ける連携作業です。
住まわれる施主様の御要望に合わせて、階段角度調節や蹴上の高さ(一段の高さ)、踏み板の幅と奥行き等を考えて創られた、町家階段リフォームが完成しました。
と言っても、これは最終仕上げの段階ではありません。
この後、保健所の指導に基づいた施工が付け加えられるようです。 あくまでも店舗の売り場&パン製造厨房へのアクセスも兼ねての町家階段付け替えですから、様々な制約をクリアした状態で最終仕上げがなされます。
京都市北区・上京区・左京区で京町家階段リフォーム、町家階段修理でお悩みなら、京町家リフォーム、店舗改築工事の経験が豊富な「紫野の大工さん 長尾工務店」長尾さんに御連絡ください。
腕利きの各種職人さんと力を合わせて、施主様の御要望を形に致します。 木材同士の相性等「木を愛する大工さん」の視点ならではのアドバイスもして下さいますよ。
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