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岐阜県高山市清美町の建築事務所「山音建築工房」にお伺いしました。 高山市街中心から、せせらぎ街道を30分程走り清美町巣野俣に入ると、ほどなくして「山音建築工房」岡上さんの御自宅兼事務所と作業場が見えてまいりました。
広い敷地に、これまた大きな御自宅と作業場!飛騨の大自然に囲まれたロケーションが素晴らしいです!!
山音建築工房は代表の岡上俊也さんと奥様の幸子さんの二人三脚で営まれ、それぞれが建築士の有資格者であります。
お互いが建築設計をされつつ、岡上代表は自らが大工棟梁も務められ、加えて工務店としての業務である各専門工事業者をお二人がマネジメントしながら、工事全体を管理して、総合的に工事を請け負われており、 これまで数々の建築を手掛けられています。
その仕事は岐阜県内はもちろん、遠く宮城県石巻市や愛知県名古屋市などの遠方でも活躍中の大工・建築設計士なのです。 |
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のっけから余談ですが山音建築工房には四匹の猫が一緒に暮らしてます。 御自宅のドアを開けると懐っこい猫ちゃんが出迎えてくれて、猫大好きな私はテンション上げ上げの取材となりました(ΦωΦ)
愛知県の建設会社で設計を手掛けられてきた建築家のお二人。
自然溢れるこの場所に御自身の住まいを建てるにあたり、岡上さん御夫妻は日本の伝統構法で建てる木組みの家に拘って設計・施工をされたそうです。
在来軸組工法や枠組壁工法(2×4工法)、また木質パネル工法、軽量鉄骨構造等、のポピュラーな建築構造・工法である在来工法のメリットを理解し認めつつも、手間が掛かり熟練技術が必要な伝統構法の木組みの家を建てられたのは興味深い事だと思いました。
山音建築工房の「木組みの家」をレポートするにあたり、前置きしておく点は、「伝統構法」や「木組みの家」の言葉から受ける「敷居の高さ」やある種の「古めかしさや暮らしにくさ」と、その日本古来の伝統構法に携わる職人さんは「頑固で怖いかも?」と云うイメージは払拭できたと云う事です。
実直で真摯な大工建築家御夫妻が造る、現代の暮らしに十分に対応した伝統構法の家づくりを、ネガティブイメージで逃してしまわないようにしてください。
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早速玄関から室内へ通されると、現れたLDKは60uを超える広さ! とにかく圧倒されました!
檜(ひのき)柱と松の梁を用いた伝統構法の木組みの家で、もちろん大工である岡上代表自らが施工・管理に携わって建てられました。
家造りに大切な周りの環境とのマッチングも考えられ、エクステリアとインテリアコーディネートも完璧です!
四季の自然豊かなロケーションで暮らすうえで、単なる「快適さ」のさらに上を追求され「暮らしを愉しむ」のを実践されていると感じました。
建築設計士の資格を持ちながらも自らが大工になり、材料調達はもちろん材木刻みから施工までを手掛け、それを伝統構法でやってのけてしまうのですから、その情熱は計り知れません。 |
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冬期の豪雪・寒さは厳しい地域なのでLDKに薪ストーブが設置されており、この薪ストーブ一台で一階フロアだけでなく家全体の暖房をまかなっています!!
薪ストーブ歴31年の岡上代表の薪ストーブノウハウも取材しましたのでレポは後ほど。
この大きなフロアは吹き抜けのLDKで、壁は檜材と漆喰(一部は壁紙)で仕上げられており、窓の配置と大きさ、吹き抜けの天井との組み合わせが巧みでとても明るい室内で、大きな屋根の下がそのまま一つの部屋になっているイメージです。
それは、まるで何処かのペンションのような雰囲気ですが、実際に大勢の御友人が集まり休日を過ごしていかれるそうで、心地よい空間であるのが伺えます。
※今回、窓の外の風景をお見せしたかったので、少し暗めに撮っていますが、眼で見る雰囲気はかなり明るい室内です。 |
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ほぼ毎日使われるキッチンは第二の仕事場かも知れません!なので使い勝手に拘ったデザインがされています。
システムキッチンは、洗い場・流し台とガスコンロとを分けて岡上さん自ら製作、流し台は高く、コンロは低くする事で使いやすさを追求されています。
収納棚も自ら製作されました。 岡上さんは「簡単な工作の大工家具」と評されていましたが、家を丸ごとトータルでデザインされているので調和のとれた佇まいです。
そしてお二人に共通した拘りの一つに「自然な風合い」と云うキーワードがありそうです。 使っていくうちに傷がついたり、汚れはもちろん、経年劣化が現れてくる事を楽しんでおられます。
山音建築工房では「大工家具」の製作も御相談OKとの事で、オンリーワンのオリジナル家具は無垢材を使ったものも製作可能です! 例えばハウスリフォームの際などに部屋の間取りや使い勝手を考えたオリジナル家具が欲しいとお考えであれば、是非ご相談ください。
奥様はインテリアコーディネーター及び高齢者向け住宅改修相談士の資格も持っておられるので、山音建築工房なら、それぞれのライフスタイルに合わせたきめ細かい対応をして下さいます。
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最後に二階の山音建築工房事務所スペースを。 一階からの吹き抜け横に設けられ十分な広さと明るい採光が事務所スペースとして贅沢な空間でした。
大きな窓を解放すれば、これまた大きなベランダがあり季節の風や香り、心地よい自然の音が愉しめてしまいます。 本当に羨ましいですね〜。
元々は御自宅横に隣接する作業場に事務所を設けていたそうですが、此方に移設して使い勝手が数段増したそうです。
作業場では大工仕事の刻み加工等をされたりと機械仕事が多いので、設計などの作業を同時進行させるには騒音もあったでしょうし、なによりも広いスペースが故の不便さもあったようです(笑) ※因みに旧事務所は完全に趣味の作業場になっていて(笑)、それもまた羨ましい限りです。
事務所とはいえ心地よさが抜群の空間でした。
岐阜県高山市で31年! 山音建築工房のお二人は「暮らしを愉しむ」空間作りのスペシャリストです。
31年のノウハウがつまった薪ストーブはここをクリック
取材撮影;末光誠
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