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大工  岡上俊也の施工例

施工例写真1
高山市清見町にある山音建築工房のこだわりの一つ、木組みの家では日本古来の木造建築構法で家を建てています。

木造建築は弱いと云うイメージが蔓延した時代もあったそうですが、現在はそれが完全に間違った固定概念と認識され周知されています。
ただしそれは強く作る事が前提です!
それが伝統工法の家つくりであり、多く普及している在来工法等の近代工法よりも、むしろ耐久性が高いのが特徴です。

考えてみれば日本に残る寺社仏閣や、古くから残る木造建築は古いものでは1300年以上も前の建物!一般の木造住宅でも築100年〜200年の家が各地でり現役の住まいとして残っている事が高耐久である証しではないでしょうか?

こちら山音建築工房の作業場も伝統工法の木材木組みで建てられています。
なんとも贅沢な作業場ですね!
施工例写真2
岡上代表に木組み伝統工法の構造を説明していただきました。
伝統技法の家を模型を使って再現してあります。
筋交いや金物、構造用合板を用いて家を建てる在来工法と違い、柱と梁等の木組みを骨組みとして家を建て、できる限り金物を使わないのが伝統工法です。

まずは込栓(コミセン)のこうぞうから。
これは見て直ぐにご理解いただけるのではないでしょうか?

ご覧のとおりかな物は一切使わづずに柱と土台、柱やけた、梁などを固定するための工法です。
継ぎ目に設けられたホゾ部分に四角形の通し穴をあけて、固い木材で造った込栓を打ち込みます。

ホゾとホゾ穴に開ける穴はほんの少しだけずらして穴あけする事で、込栓を打ち込んだ時に双方が引っ張りあう力が発生して強力に固定され、引き抜き方向の力に耐えるのだそうです。
施工例写真3
続いて車知栓(シャチセン)を用いた車知継ぎ(シャチツギ)。
男木のホゾは長く、女木のホゾ穴は深く刻まれていた、その双方に車知栓を打ち込むための複雑な刻み加工が施されているのが特徴です。

写真からわかるとおり、岡上さんの模型では通し柱を貫いて男木と女木が継がれているので、刻みは更に複雑になっています。

もちろん金物の類は使わなくても強固に継ぐことが可能で、岡上さんが手掛ける木組みの家では筋交いや胴差しはもちろん、梁や小屋梁にも採用される伝統技術です。

木の性質、それぞれの材木の材質を理解している岡上さんだからこそ、これらの手刻みの加工ができると云えます。
施工例写真4
一旦組み立ててしまうと強固な木組みですから、模型とはいえ奥様にも手伝って頂きながらの分解&組み立て作業となりました。

実際の家を建てる際は重機と大勢の大工職人さんも関わっての工事になり、さらに構造を理解した大工職人さんとの連携は欠かせません。

山音建築工房は設計・プランニングから施工管理までを、一括に請け負う工務店でもありますから腕利きの職人さん達との仕事を多く手掛けており、伝統工法を用いた木組みの家を安心して任せられるのです。
施工例写真5
通し柱に男木と女木が貫ぬかれホゾが組み合わさった所で車知栓用の穴が現れました。
そこに車知栓が打ち込まれていきす。

シャチ栓はテーパーに角度がついていて打ち込むほどに車知栓の穴は外方向に広がろうとします。
するとホゾとホゾ穴は逆に互いを引き寄せる方向に力が発生して強力な継ぎができる仕組みです。

この車知継ぎは手刻みの木組みの家において代表的な継ぎ手の一つなのだそうです。

因みに在来工法の金物を用いた継ぎ手では、材木と材木に穴あけ加工をしてボルト金属棒を通し
ボルトを締めて継ぎます。

刻み加工も大工施工も比較的に楽なのでポピュラーな方法なのだそうですが、耐久性には一歩及ばないそうです。
100年200年は保つのが当たり前の日本伝統工法建築と比べられたら可哀そうでしょうか?
施工例写真6
岡上さんの御自宅と作業場の込栓と車知栓を撮らせていただきました。

通し柱と梁や胴差しががっちり繋がれていて、その木のサイズは特大でした!
大きく太い木を頑丈に継なぐ事で耐震性にも優れた性能を発揮するそうです。

木組みだけで建てられた家は、地震などの外力が加わった時に、適度にしなり、曲がる事で力を逃がす事で倒壊などの危険を回避します。

個人的には仕上げのこの美しさにも注目しました。
金物は隠してしまいたい気持ちになりますが、木組みの家なら大工さんの職人仕事が見えるデザインにしても格好良いのではないでしょうか?
施工例写真7
過去の仕事では施主様とその御家族が壁の漆喰塗りを手伝ってしあげた事もあったそうです!
それは家への愛着を深めて貰うための演出として岡家さんが提案されました。
職人の仕事のようにはならないのは当然ですが、上手くいかない分は風合いや味として楽しんでいただき、そして一緒に造った想い出を形に残すのは大いに魅力だと感じました。

それら数々の逸話を聞きながら、1000年以上の歴史を持つ日本の伝統建築の流れを受け継いだ「山音建築工房」の設計士/大工棟梁の岡上代表と、同じく設計士/耐震相談士/木造住宅アドバイザーの奥さまが手掛けた木組みの家はとて魅力に思いました。

設計士として現場で技術を磨かれたご夫妻、独立後は「100年住める家」をコンセプトの一つに家を建てられ、辿り着いたのが伝統の木組みの家だったのです!

岐阜県高山市、飛騨地方はもちろん他府県でもご依頼をお待ちしています。
※在来工法の家造りや、リフォームのご相談にも応じられているとの事なので、お気軽に御連絡ください。

取材撮影;末光誠

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