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古民家の再生リノベーション@のつづき 続いて道路から表門に続く通路の改修工事です。
リノベーション工事中の建物は一般住宅とマンションに挟まれた奥に建てられているので、奥行きのある細長い通路があります。(今回の建物の奥にも更に主屋があるので通路の奥行きは60m程にもなる!)
前ページ最初の写真のようにコンクリートとアスファルトで固められた無機質な空間を、木材を使った塀を設置し創り変える事で、通路奥に在る建物を想像させる魅力的なアプローチとして、藤崎さんのアイデアが見違えらせます。
先ずはアスファルト部分を全てめくってしまい、土の地肌を露出させてから深い穴を掘り、そこに丈夫な杭を立て、モルタルを流し固定します。 ※ここで使われれた杭は、元々丈夫な芯材を更に防腐処理して使うので、約30年の耐用年数を見込んでいるとの事! |
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お隣りとの関係もありめくれないコンクリート部分は杭が入る程度の穴を開けてから土を掘り出し、杭を立てて再びモルタルを流し込んで行きます。
モルタルを流し込んだ後は傾いて垂直が崩れないように、クランプを用いて固定の補助をさせていきました。
ここで塀の素材として選ばれたのは竹材でした。
板材を並べるのかと思いきや、直径2.5〜3.5cm程の竹をランダムに配置することで、太さの違いや微妙な曲がり具合が見た目にも軽やかな雰囲気を醸し出しつつ、それぞれの隙間が風通しもつくり出すというものです。
そして元々の建物に葺かれていた屋根瓦がアプローチを誘導するように地面に埋め込んであります!
こうする事で、小石を敷き詰めた部分とのパーテーションとして古い屋根瓦も装飾&機能を併せ持つ物に再利用されました。 |
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こちらはシャワー・洗面・トイレとなっています。
実は元々は事務所&納屋として使用するためのリノベーション(大規模改修改築工事)の御依頼だったそうですが、施工工事途中経過を見に来られた施主様が想像以上の仕上がりとの事で、ゲストハウスとしての利用も出来るようにしたい!との御要望が上がり、それに答えるような仕様変更をしたそうです。
この日はシャワールームの扉の設置が行われました。 分厚く大きな一枚の硝子板製扉ですが、正確に寸法を出して予め備え付けた専用取付金具に金属製ボルトでしっかりと固定&取り付けされています(硝子って結構重いのですね!!)
洗面も凝っていて陶芸作家さんの一品物作品と無垢材が組み合わせられて造られました。
そして横向きに座って頂いている藤崎さんの正面がトイレルームになっております。
※この水廻りスペース全体のプライバシーが確保されるように設けられた、入り口の引き戸扉を全開にしての撮影です。 |
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寝室には施主様のリクエストにお応えした、畳敷きのベッドが製作し設置されました。
此方も「ただ単に畳を敷いた台」では面白くないとの事で、ブックシェルフを造り設置してあります。
このブックシェルフは藤崎組さんに保管してある沢山の材料から造られているのですが、それは様々な現場で解体時に大量に発生する木材を再生して造られました。
もちろん藤崎さんが提案して、木材の質・そして費用共に施主様が十分に納得してくださる事で完成した、格安のオリジナル家具になります。
このブックシェルフが一般的には捨てられてしまう木材で造られたなんて、藤崎さんの説明があるまで全く気付きませんでした! ※再生処理は物によって様々ですが、洗浄・表面剥き・磨き処理等の工程が施されます。 |
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照明はまだ設置されていませんが、木造平屋京風家屋が完成して受け渡しの日を迎える事となりました。
元々の建物から引き継がれた小屋梁と一体感を出すため渋目の同色で統一された黒い天井と白い漆喰壁、そして本木材フローリングの組み合わせが、モダンでありながら日本建築の温かみも備えている仕上がりになっていますね。
写真上は談笑中の施主様と藤崎さん。(寝室側からのショット)
写真からも分かるとおり、通路側の格子ガラスは面積が広いので十分な採光が確保されて明るい室内ですね!
藤崎さんに床に座ってもらって玄関側から撮っている写真では、寝室の扉の様子と向かって左側水廻りの扉が写っています。 |
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最後に建物の外観になります。
藤崎さんに玄関扉を開けて立ってもらっていますが、納屋として利用する事も視野にして、大きめの引き戸が採用されました。
そして道路からのアプローチがずっと奥まで続いて母屋の玄関まで繋がっている事もお分かりになると思います。
縦長な敷地の形を踏まえて真っ直ぐ造ったアプローチは、無駄を省いたシンプルデザインで、水捌けと歩きやすさが両立されています。
藤崎さんに腰を掛けてもらうとわかるように、格子硝子窓を開けて縁側のように使えるのも素敵ですね!?
今回の工事は数十年も放置され朽ちた家屋を柱だけの状態に解体して、そこから再び一軒の家屋として蘇らせる大規模改修改築でしたが、多くの経験と実績を積み重ね、多種多様な大工仕事を手掛ける藤崎組さんだからこそ安心して依頼できた案件だと思います。
京都で古民家再生、放置建物の再生等をお考えでしたら藤崎組の藤崎さんに御相談されてみては如何でしょう?
もちろん建物の部分改修等、事の大小に関わらずお気軽にどうぞ。 |
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