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電気工事をメインに行なう神奈川県「オーエス ファスナー」の国吉浩四郎さん。一級電気工事士のほかに建築士の資格をもち、協力業者のなかには一級施工管理技士などの有資格者がいるので、電気工事以外でも、また、リフォーム・新築の別なく、さまざまな工事を請け負ってくれます。主な営業エリアは県内の横浜市や川崎市。都内の仕事も請け負うとのことです。 この日、拝見したのは、エアコンと浴室暖房乾燥機を取り外し、別の住宅に設置する作業。どちらもそれほど古くなく、まだ充分使えますから、捨ててしまうのはもったいないですよね。有効利用するには、移設工事を依頼するのがベストです。 |
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まずはエアコンの取り外しから。室内機の中に残っている冷媒を室外機へと戻す、「ポンプダウン」という作業を行なってから、各種のパイプを外します。黒ずんだパイプを見て、「冷媒が漏れてますね」と国吉さん。冷媒が足りないと、エアコンが効きません。でも大丈夫。国吉さんは、冷媒と、それを注入する器具も用意しているのです。経験豊富な職人さんは、起こりそうなトラブルを事前に想定できているんですね。 電気が通っていないことを確認してから、室内機本体の取り外し。エアコンを個人で取り外ししようと考える人がいるかもしれませんが、電気のことを知らずに作業するのは危険です。やっぱりプロに頼んだほうが安心ですね! |
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取り外したパイプは「取り付け先で使えるかもしれないから」と持っていきます。施主にできるだけ余計なお金を使わせないための配慮です。 現場は賃貸の共同住宅。転居の際は原状回復しなければなりません。エアコンを取り外したあとは、ダクト穴を元どおりに塞いでおきます。 各種パイプを外してしまえば、室外機の撤去はあっという間です。取り外しが終了したところで、本日の作業に協力してくれる前川さんが登場。重たい室外機をカートで運び出します。ちなみに前川さんも、一級電気工事士のほか、一級建築士、一級施工管理技士の資格を持つ技術者。経験豊富な協力業者とのネットワークが、国吉さんの強みのひとつです。 |
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エアコンの次は浴室暖房乾燥機の取り外し。エアコン撤去のときと同じく、デジタルテスターで電気が通っていないことを確認してから作業に入ります。 こちらも原状回復が必要なので、以前、付いていた換気扇を取り付けます。通線ワイヤ(写真にあるオレンジ色の太いワイヤ)を使って、ユニットバスと壁・天井の隙間にケーブルを通し、換気扇とつなぐ前川さん。浴室暖房乾燥機と換気扇の電圧に違いがないか、ブレーカーの電圧・電力は問題ないかをチェックして、スイッチオン。施主と一緒に正常に作動することを確認し、作業開始から2時間ほどで撤去が終了しました。 |
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国吉さんと前川さん、別々の車で浴室暖房乾燥機の設置先へ移動。まずは現状の確認です。ダクトの位置に問題はないか、電源はどこからとればよいか、電圧・電力に問題はないかなどを確認し、作業の内容を決めていきます。 電源は外壁にあるコンセントからとることができ、ダクトの位置も、浴室暖房乾燥機側開口部の位置を変えれば問題なし。国吉さんは、手際よく換気扇を取り外し、タイルに浴室暖房乾燥機の裏板をビス止め。そして本体が設置されました。 |
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このお宅では、充分な電力を得るために、ブレーカーを追加し、スイッチへのケーブルを敷かなければなりませんでした。というのも、20アンペアまで使える分岐ブレーカーに3つの電気機器が繋がっていたため、換気扇より消費電力の大きい浴室暖房乾燥機がつながると、すべての機器を動かしたときにブレーカーが落ちてしまう可能性があるからです。 本来なら壁の裏にケーブルを通したいところですが、ツーバイフォー工法のこのお宅では、壁の中にあるまぐさ受け(木材)が邪魔して、新規にケーブルを通すのは不可能。壁にモールを貼り、ケーブルを這わせることにしました。 |
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この作業は前川さんが担当。ふたりで入念に打ち合わせ、工事内容を決めていきます。ブレーカーを増設し、配電盤に穴を開け、モールを貼り……と当初の想定以上に複雑な工事となりましたが、現場対応力の高いおふたりにとっては問題になりません。 ケーブルの切れ端などの小さなゴミが散乱しないよう、充分に気を配りながら作業する前川さん。少々時間がかかっても、丁寧に、綺麗に仕上げるのが職人の仕事です。施主の希望通りの仕上がりになりました。 |
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最後は、別のお宅にエアコンを取り付ける作業です。ところが現況を確認したところ、既設のエアコンが温水利用タイプで、ガス会社の工事を先に行なわないと撤去ができないということが判明。さまざまな工事をこなすお二人ですが、ガス会社にしかできない作業もあるのです。 依頼する際は、使用している機器の仕様をよく確認しておきましょう。現況確認に職人を呼べば、それだけ費用は高くなるのが当然。自分で確認すれば、工事にかかる費用も時間も下げることができるんです。 本日の作業はこれで終了。知識と経験でさまざなま条件に対応する国吉さんと前川さんの職人らしさを知ることができ、プロに頼むことの意味を再確認できました! |
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