|
|
神奈川県相模原市「オーエス ファスナー」の国吉浩四郎さんは電気工事のスペシャリスト。横浜、川崎、八王子など、県内の広い範囲で工事を行っています。 これまで、相模原市のKさん宅でのコンセント交換、スイッチ交換、照明器具修理を紹介してきました。今回は、それらの工事の最終チェックを兼ねた、分電盤検査の作業を紹介しましょう。 分電盤とは、外から引いた電気を住宅内に供給するところに、アンペアブレーカー(電流制限器)や安全ブレーカー(配線遮断器)、漏電ブレーカー(漏電遮断器)などを配した収容箱のこと。たいていは玄関先や収納スペースの上の方に設置されています。一度は見たことがありますよね。 |
|
|
ブレーカーは、設定以上の電気が流れたときに回線を遮断するもの。遮断されることを「ブレーカーが落ちた」なんて言いますね。 アンペアブレーカーは、一番大きなブレーカー。たいていは、配電盤の左についています。「30A(アンペア)」「60A」などと表示されていますが、これは電力会社と契約したアンペア数を示しています。このブレーカーが落ちるのは、住宅内で使っている電力が契約のアンペア数以上になるからですので、契約アンペア数を上げる必要があります。 |
|
|
つぎに、分電盤の右側にいくつか並んだ安全ブレーカー。複数あるのは、それぞれの電気の送り先が異なるからです。ブレーカーに「居間」「浴室」「2F居間」などと書いたシールが貼られていることもあります。 これが落ちるのは、各ブレーカーに割り当てられたアンペア数を超えて電力を使用した場合です。エアコンを作動させた瞬間、ブレーカーが落ちるなんている経験をされた方も多いのではないでしょうか。ひとつが落ちても、他のブレーカーが担当している部屋には電力が供給されます。 このブレーカーが頻繁に落ちる場合は、使える電力が大きいブレーカーに交換するのが一つの方法。ただし、最大20Aまでと決められています。 |
|
|
最後が、アンペアブレーカーと配電ブレーカーの間にある漏電ブレーカー。名前が示す通り、漏電を感知して回線を遮断するブレーカーです。 漏電とは、壁や天井のなかに配された電線の被覆(カバー)が敗れるなどして、外部に電気が流れてしまうこと。漏電ブレーカーがないと、そのことに気づかず、電気代が急に上がったり、アンペアブレーカーが頻繁に落ちたりします。それだけならまだしも、感電や火災の原因にもなるのです。 |
|
|
国吉さんがKさん宅で行なったのは、分電盤の検査です。分電盤そのものは耐久性が高く、一般的に13年が寿命といわれていますが、テレビや照明器具などが正常に作動しないときなどは、不具合がないか確認する必要があります。 ほかに、配電ブレーカーに規定のアンペア数を超えた負荷がかかっていないか、漏電はないかもチェック。アンペア数は「電流・電圧テスター」を、漏電については「メガテスター」という測定器を使用して検査します。 |
|
|
検査の結果は「異常なし」。ただし、分電盤の外にブレーカーが設置されている状態は「問題あり」です。ブレーカーなどは分電盤の中に収納されていなければなりません。その工事の必要性をKさんに説明し、次回、工事を行なうことになりました。 分電盤は、住宅内で安全に電気を使用するための安全装置。頻繁にブレーカーが落ちるなどの症状があったら、すぐに検査してもらうのはもちろんですが、定期的に検査してもらうと、さらに安心です。 この作業は電気工事士の有資格者にしかできません。分電盤の検査は、即日対応が可能ということですので、一度、チェックしてもらうことをお勧めします! |
|