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大阪府堺市を拠点に近畿一円で純和風の家を作り続けて30年、「浦工務店」の大工棟梁、浦烈晴さんをご紹介致します。
今回は奈良県吉野郡黒滝村の材木店「中辻銘木」さんで材木買い付けをされるので、私も伺いその様子を取材致しました。
先ずはお店の前で、お店のスタッフさん・大工棟梁・浦さんとご同行の大工職人さんの三人で一枚。
浦さんが品質の良さと品揃えの豊富さから絶大に信頼する「中辻銘木」さんは、吉野の銘木はもちろん、日本各地の銘木を取り扱え、また変木と呼ばれる一風変わった形状の自然木材木も取り扱われています。
今回はお忙しい中にも関わらず撮影取材を快く応じてくださり、また素人の私の質問等にも丁寧に対応してくださり、大勢の職人さんが信頼して訪れる材木店の優良店であるのが伺えました。 |
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さっそく店内倉庫に入り大量の材木と対面します。
扱う材木の量と種類に圧倒されてる私を横に、浦さんは仕入れの目利きモードに。
浦さんは新築・リフォーム等、大工全般のお仕事をされますが、特に注文建築・・・中でも純和風建築を最も得意とする腕っ節の大工職人です。
長崎県で腕利き親方の下、大工見習いからスタートして10年程を修行期間とし、その後、大阪府堺市で自ら「浦工務店」を立ち上げて現在に至り、述べの大工職人歴は40年にもなるベテラン大工です。
その長い経験のなかで、良質の無垢材や自然木・変木(へんぼく)を扱ううち、次第に変木の魅力に取り憑かれてしまったたそうです。
そこで「変木買い付け」を通して、浦さんの仕事と人柄を伝える好い機会になると捉え、今回の撮影取材となりました。 |
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広い倉庫内を歩いて目に留まる木の多くはやはり「変木」のようです。 木の形状が気に入ると実際に手にとって持ち上げたり、表面に触れながら、その木をじっくり観察します。 年輪の目を数えられない木はその重さで、大体の樹齢を予想します。 それぞれの木の種類によって同じ年数でも大きくなったり、ならなかったりするので、それを知ってるからこそ出来る技です。
見ての通り、同じ物が二つとないのが「変木」という材木、その用途は想像しだいと浦さんは言います。 |
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もちろん目に留まるのは変木ばかりではなく高さ・太さ・色味・表面模様などがそれぞれ様々な丸太材木も物色。
各地名産の銘木が大量にあり、それの中からご自身の仕事に合った・・・もっと言うと「施主様の御要望を満たす」材木を選ぶのも長年の経験を生かした知識が必要になります。
正直、私が見ても違いが判らない木の特徴を、浦さん・スタッフさんが共に同じようにご理解されていて、さすがお二人ともプロだなぁと思わせられました。 |
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奈良県吉野郡黒滝の材木屋さん「中辻銘木」さんは、とにかく沢山の材木をストックされてるので、浦さんは此処に来るのをいつも楽しみにし、此処での買い付けが癒しの時間になるともおっしゃいます。
また単に必要な材木を揃えるだけを目的にするのではなく、沢山の木を見て、触れて、仕事のインスピレーションに結びつけて自らを養うのだそうです。
これは芸術的にも思える奥深い発想ですよね。 |
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特に浦さんが好きな変木材木は、その姿かたちから一般的には敬遠されがちで、まだまだ普及していないのが現状と聞きます。
一般的にならない最大の理由は「職人が上手く扱える事が前提条件、すなわち職人技が多く求められる」事があげられ、それは「何に使うか?」の発想力と「どう加工・施工するか?」の知識・技術を兼ね備えた大工職人さんでなければ、木を活かせません。
でなければ、そもそも施主様への住宅デザイン・リフォームデザインに変木を使った御提案も不可能なのです。
この日の浦さんは手に取る木の特徴を一つづつ読み解き、その分析結果からどんな家のどんな場所に施工すると面白いか?を想像しながら説明してくださいました。
「中辻銘木」のスタッフさんも交えて皆さんとても楽しそうで、皆さん木が好きなのが伝わってきます。
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私が無垢板材(形の整った美しい自然木板材)を指示しながら、こんな用途で此れを使うと面白いかも?なんて言うと、もちろんそれを受け入れながらも、その用途ならこっちの無垢板(美しいけどいびつな形)のほうが断然に面白いと思うなぁ!なんて、話が膨らんでいきます。
その時に浦さんが選んだ無垢板は、その形状から私が想像した用途に応用できるなんて思いもせず、無意識に選択肢から外していた無垢板でした!
浦さんは、此れまでの住宅建築・住宅リフォームで変木を扱った経験・実績を元に、その膨大なデータを収めた引き出しが頭の中にあるようですね。
注文住宅建築やリフォームの御依頼をされる施主様は、相談の段階では先ず99%で「変木」の存在を知らず、他店に相談されても、変木を使うような提案は無かったとおっしゃるそうです。 ※まぁ、変木を建築材木として扱う技術が無ければお客様に御提案できませんもんね。 |
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そうそう!皆さんは材木って高価に感じられますよね?正直、私も此処を訪れるまではそのように感じていました! でも今回の取材で知った事の一つで印象的だったのは「木を見つけて・切って・運んで・乾燥させて・販売できるように整える」までには人の労力と時間と大金が掛かっているのを知りました。
例えばの一例ですが、 良い木がありそうな山があれば、先ずは山の持ち主さんを探し出して入山許可を得る。 運よく木を見つければ伐採の許可を得る。 場所が深い山奥の場合はヘリコプターを手配して吊り上げて麓に運ぶ。 そして積車トラックに乗せて作業場に運んでくる。
そこからようやく材木になるように洗浄・乾燥・加工等が行われていくのです。
私は考えがちょっと変わりましたが皆さんはいかがでしょうか? |
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最後に「自然木・変木」で造った日本建築住宅の階段を見ていただきながら。
大阪府・堺市を拠点に注文住宅を手掛ける大工棟梁「浦工務店」浦さんは、今までの住宅の形にとらわれ過ぎない新築建設やリフォームを手掛けています。
もちろん浦さん御自身の好みを押し付けるのではなく、ほんの一例として「変木や自然木」をワンポイントで取り入れる御提案をしているのだそうです。
お客様から「自然木・変木」の御指定があった事は殆ど記憶に無く、それは建築材として扱う大工職人や施工業者さんが余りにも少ないので、一般に周知されていない為。
先ずは存在を知っていただく事から始めます。
自分と御縁があった方には、選択肢の一つとして自然木建築・変木材木を知って欲しいお気持ちがあります。
大阪府堺市の「浦工務店」浦さんなら一味違う拘りの家が造れそうですね。 変木を用いた部分リフォームも出来ます(もちろん変木に拘らなくても)ので、先ずはご相談ください。
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