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前項・兵庫県尼崎市 珪藻土塗りBへ 此方も仕上げ塗りをされている場面です。
このように壁の角の部分や、逆にくの字に凹んだ隅の部分に合わせたコテもあり、それらを使い分けますが、コテを滑らす方向に合わせてコテを持ち替えたりと、とても忙しい作業をされています。
「左官屋の仕事は忙しないやろ〜?」と野村さんは笑いながらおっしゃいます。
コテを壁に押し付けつつ動かす速さと距離のバランス加減が、野村さんのようなベテラン左官職人さんでも難しいのが伝わる緊張の場面でした。
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今回、尼崎市で珪藻土壁の左官仕上げの取材をさせて頂けて感じたのは、左官職人さんの見せ場、それは間違いなく仕上げの工程にあると言えると感じました。
ただし表に見える珪藻土壁の仕上げを拘って作れる事は、すなわちソレが無駄にならないように、下地工程も丁寧にしなければなりません。
仕上げ塗りは職人さんの腕によって実際に仕上がりが大きく異なると言われますが、基本が出来ているかどうか、基本を疎かにしない気持ちを持ち続けて仕事に接する事が大切だと、野村さんはおっしゃいます。
「左官だけちごて仕事ってなんでもそうやろ?」
私とは別業種とは言え、その道の圧倒的な技術力を見せて頂けて、お話をお聞かせ頂けるのは本当に有難いとおもいました。
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最後にマスキングを剥がす作業ですが、その際、マスキングの上にはみ出た珪藻土が引っ張られてバリのような状態になってしまいます。
珪藻土は完全に乾いてからの部分補修には向いていないので、(完全に乾いてからの補修は壁一面を塗り替える事になるそう!!)生乾きの状態でマスキングを剥がし、最後の最後にこういった部分を丁寧に修正されていました。 |
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梅雨明けした近畿地方、この日は兵庫県尼崎市の現場でも30度を軽く超え、あたりまえですがエアコンなんて無い入居前住宅での工事、本当にお疲れ様でした。
野村さんの手により完成した珪藻土壁が、灯りもない室内に夏の光を廻らせ、早くも自然素材の風合いの心地良さを感じさせてくれています。
施主様が此処で日常を暮らせる事が羨ましく感じました。
左官職人仕上げは一般的に高額と思われがちですが、先ずは材料が高い(比較論です)のであって、ソレを差し引いて考えると決して高価ではない費用で「匠の技」と暮らせます。
45年も左官職人一筋でやってこられた野村さんは、それだけ確かな技術をもっておられる事、取引きされる工務店との信頼関係があるのを実証されています。
兵庫県尼崎市、もちろん近隣の方でも、珪藻土壁等の御依頼の際は左官職人・野村さんに御連絡戴ければと思います。
取材撮影;末光誠
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