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兵庫県尼崎市の一般住宅で行われた、左官職人「野村」さんの珪藻土壁の塗り壁施工を取材させて戴きました。
前項・珪藻土塗りの下塗りへ
先ず前回の下塗り時に弊社「ええ職人ドットコム」のスタッフが取材した際に施工が進められていた部屋の、珪藻土壁が完成した様子です。
天井以外の壁面を天然素材の珪藻土で仕上げられた壁が出来上がっていました。
明るいオフホワイトの真新しい珪藻土の塗り壁が美しいですね!
施主様の拘りにも満足が頂ける仕上がりになっていると思います。
この珪藻土と謂う塗り壁素材は天然の素材「太古の海に生息していた植物性プランクトン、珪藻の化石」が原料で日本人にんは馴染みの深い素材だそうで、例えば七輪(しちりん)の素材にも使われている素材なんだそうです。
そんな珪藻土は昨今、壁の仕上げ材としてメジャーになりつつありますが、その施工にはある程度の慣れが必要となります。
いや、本来は経験の浅い職人さんでも扱い易い素材として知られているそうです。
・・・いきなり意味不明な事を言ってしまい申し訳ございません。 |
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こちらの住宅で求められた条件は・・・ 〜珪藻土壁に多く用いられる技法「塗りムラや模様を残した壁」ではなく、「若干の極自然的な塗りムラが残るていどの平坦な壁」に仕上げる〜 と謂う、珪藻土の性質にはあまり向いていないオーダーがありました。
本来、壁面をフラットにする仕上げには向いていない材料ではありますが、逆に意図的な塗りムラや模様を描くのに適していると周知されてる、すなわち「経験の浅い職人さんでも扱い易く、でも扱いにくい素材」なのだそうです。
なので、塗りムラの少ない珪藻土壁というオーダーを満たすには、野村さんのような左官歴45年になる大ベテランの「匠の腕」が必要とされました。
先に申し上げますと左官屋さんの御仕事は、面積当たりの相場単価が決まっているので、野村さんのような大ベテランさんも・・・極端な例えで言うと僕がやっても「値段」は変わらないのです。
要するに「塗りムラが目立たない仕上げ条件」がある場合、ベテラン職人さんでないと時間コストが掛かりすぎて利益が出せないので、経験が豊富で、実際に幾つもの現場での実績を持つ職人さんしか請け負えない仕事となるわけです。
なので今回、兵庫県尼崎市で珪藻土を自在に扱える左官職人さんとして野村さんが施工を担当されました。
既に仕上がった珪藻土壁の前で、左官屋さんの一番大切な道具、コテを前に一枚! |
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写真は、本日の取材時に施工された、玄関口からリビングに続く廊下の壁面の作業です。
既に下地材は塗り終えているので、珪藻土の本塗り仕上げをしていきます。
高さ3m、幅は4m近い壁に対して、一気に珪藻土を盛っていくのですが、コレは一回目の上塗りです。
珪藻土壁は殆どの場合において二度塗りと言う方法で仕上げます。(先ずは珪藻土を壁面全体に置いていき、再度、仕上げ塗り作業を行います。(まだ下半分に下地塗りのグレー部分が見えている状態です。)
この後、仕上げ塗りも施工されますが、本日のメインは下の写真からになります。
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さて、此処からが本日のメイン取材になります。
上の写真と同じように珪藻土壁を施工していくのですが、此方は壁と言っても平面な壁でなくアーチ状の窓のようなデザインが施されていて、更にそのアーチの輪郭にそって窓枠に見立てた二段の段差が造られている分、難易度が高い施工になります。
塗りムラを発生させないために、一つの壁面に対して短時間での作業が求められるとの事で、とても動作が早く、無駄な動きがありません。
先ずはコテ台に載せられた珪藻土をコテに取り壁全体に手早く塗り広げていきます。
この時に使用されるコテは、仕上げ塗りとは別のコテになりますが、その選択には材料と仕上げ方法を考慮し長年の経験から最適なコテが選ばれていきます。
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