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大阪府阪南市「あぜち建築」の大工職人、疇俊宏代表が手がけた店舗改装工事が完成したとの知らせを受け、さっそく取材に参りました。 大阪市都島区の地下鉄谷町線「都島駅」二番出口を地上に上がれば直ぐ!絶好の立地に、本場広島焼の看板を掲げた「cocoro心」さんです。
前回の取材時にはスケルトン工事が少し進んだところで、まだまだお店の完成イメージをつかめる段階ではありませんでした。 そこから途中経過なしに一気に店舗スケルトン工事の完成取材となったので、その見違える変貌ぶりに驚くばかりです。 |
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お店の扉を開けて店内にお邪魔すると和モダンのシックな空間が迎えてくれます。
築40年は経っているのを推測させたあの空間が、見事に変身していました! 店舗改装工事の図面を見ながら説明を受けていた厨房とテーブル・カウンター席との仕切り障子は、お店のICONとして、演出と存在感と機能が備えられたものでした。 ※前回取材は殆ど工事前半でしたから、この仕上がりになるのを全く想像できていませんでした。
この障子建具は疇地さんが信頼する建具職人さんが製作され、スプルース材が用いられています。 一般住宅であればある程度の規格がありますが、店舗等ではデザインと使い勝手、そして耐久性とのバランス両立させながら、お店の仕様に合わせて精密に作られたオーダー障子です。
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この障子の機能は厨房とお客様の座る席との間仕切りになるのはもちろん、オーダーメニューをお出しする時にも活躍します。
お店のオーナー様は自ら広島焼のお店をする(もちろん厨房にも入られます)にあたり、御出身の広島スタイルに徹底的に拘ると共に、ご自身の経歴である建築デザイン・建築設計の御経験と知識・センスが存分に生かされています。
そして此れを形にでき、ここまで漕ぎ着けたのは「あぜち建築」疇地代表の店舗リフォームがあってこそと、おっしゃられていました。 |
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こちらの写真ではテーブル席とカウンター席の様子がよくお分かりいただけると思います。
テーブル席は鉄板焼きコンロが備えられているので外注していますが、ここのカウンターは疇地さんの作り付け。 トガ材天板を用いて作られ、オイルステンで仕上げがされています。 |
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そして特徴ある真四角の椅子もベースを一つ一つ疇地さんが作ったもので、クッション張りだけ専門業者さんに依頼されています。
この椅子はクッションごと上に開く作りにしてあり、お客さんが荷物をしまえるように工夫されています。 ちなみにクッションカバーは店内壁クロスの黒色クロスと柄を揃える抜群のセンス。
機能もデザインも、さすが元デザイナーだったオーナー様の拘りが盛り込まれていますね! |
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ここで飲食店の中枢、厨房の様子を見てみましょう。
縦長の厨房は一番奥に業務用高出力の鉄板が据えられて、そしてその鉄板を完全に覆う換気扇が設置され万全の態勢です。
厨房床は法律規格に則った仕様で、ガスコンロ壁はステンレス、他はキッチンパネル張りが施されています。
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以前は飲食店ではなかったスペースなのでガス・水道はもちろん換気設備等の厨房設備は全てが新設。
さらに店内各所の空調、照明設備も配線引き直し、器機設置場所の変更、取り換えしてますので殆ど新設に近い工事がされてます。
下段写真は個室テーブル席の収納。 もちろん疇地さんの作り付けです。
全ての収まりがすっきりと美しい仕上がりで、スケルトンリフォームの自由度を生かしながら、疇地さんの大工職人の腕が存分に振るわれたのが伝わってきました。
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お店の顔である看板も板材を市松模様にしたベースにアクリル板から切り出された、店名「cocoro心」、そして本場広島焼・お肉料理・彩り料理の文字が美しく配列されています。
白壁にはワラが練り込まれてテクスチャーを楽しめる一工夫がされていました。
外壁なので耐久性なども考慮すれば一般的にはチャレンジしにくい仕様だと思いましたが、これは現代の壁材料を使いつつ疇地さんの技術と経験が発揮されています。
疇地さんは大阪各所で土壁の古民家改修も数多く手掛けているので、こういった工事も安心して相談できる腕利きの大工さんなのです。 |
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さあ、再び店内へ。 お店を奥に進むと手前が半個室のテーブル席、一番奥は完全個室のテーブル席に。 ※テーブル席は七人掛けの席ですが撮影用に手前の椅子をどけています。
大きなテーブルと面を合わせた長椅子も疇地さんの製作で、もちろん座面の下には収納が備えられていました。
お店の入り口から統一されたフロアタイル張りが施されてモダンな空間ですが、ボックス内の壁と天井を白の柄クロスで統一した事で明るさと広さを感じさせます。 |
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一番奥の個室は床のフロアタイルがシックなえんじ色になっていることで、個室感がより強調されています。
軽い力で開閉できる吊り下げ式のドアは、経年変化で起こる枠の反り等を計算しながら疇地さんが作り上げた扉と扉枠が設置されています。 きっと御来店される御客様にそれが分かる事は多分ないですが、そんな細かな配慮の行き届いた店舗改修リフォームが疇地さんの大工仕事なのです。
そして前回の取材時に扉枠を作っていたトイレのショットも。 関節照明が仕込まれ、綺麗なデザインの空間ですね。
他にも間接照明が組み込まれる予定の場所が数か所ありますが、照明器材が出来上がっておらず今回の取材には間に合わなかったようですので、御来店された時に楽しんでいただければと思います。 |
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実は今回、オーナー様も開店前の仕上げ作業などのためいらっしゃったのですが写真はNGでした。 とても美人の女性オーナーさんなのに凄く残念! それでも撮影取材に御協力していただき、楽しいお話をしながらの取材時間も過ごさせていただきありがとうございました。
オーナー様のお店作りのイメージを理解しつつ、もちろん法律の決まり事とデザインの拘り、飲食店としての使い勝手等を上手くバランスさせながらの店舗改装は大変な難しさがある事と思います。 が、今回は元デザイナーのオーナー様だったのでデザインセンスやもの作りの考え方等、沢山の勉強が出来たと疇地さんはおっしゃいます。
それは必ず今後の大工仕事に反映されて、よりバリエーション豊かな住宅リフォーム・店舗リフォームに繋がることでしょう。
更に進化した大工職人、大阪市阪南市の建築大工「あぜち建築」疇地俊宏代表の今後のお仕事も楽しみですね。
大阪都島はもちろん、大阪市の飲食店フルリフォーム・スケルトンリフォームの御相談をお待ちしております。 |
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