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大工  疇地俊宏の施工例

施工例写真1
大阪市都島区の繁華街にやってきました。
今回は此処で大阪府阪南市の大工「あぜち建築」疇地俊宏さんが手掛ける店舗改装工事を取材します。

こちらは元々ゴルフショップだったのを、オーナーさんが変わり本格「広島焼き」のお店としてオープンする為、飲食店改装工事として、内装解体・電気工事・ガス水道配管・下水配管・空調設備など、全ての工事をあぜちさんが総受けして施工を進められています。

まずは物件内をスケルトンにして、電気・水道・空調など壁の内側に隠れてしまう所から工事を進めているので、現在は天井下地張りが完全に終った段階。
なので完成後は完全に見えなくなってしまう部分をじっくり観察できます。内装工事の質が気になる読者さんには良い情報となるのではないでしょうか?
その分、あぜちさんにはプレッシャーな取材かもしれません(笑)
施工例写真2
まず店舗改装工事のイメージを図面を見ながら、店舗内装解体から現在までの工事をご説明いただきました。

工事中の内部を観察すると、あぜちさんが新規に施工した壁下地間柱の向こうに見えるのは、なんと竹小舞に塗られた本格的な土壁!そして元々の既存の間柱から推測すると築40年以上は経っていそうな建物との事。

あぜちさんが手掛ける店舗リフォーム工事でどんな仕上がりになるのか楽しみです。
施工例写真3
壁下地用の間柱が細かい間隔で組まれているのは厨房側の壁。
此れを見ただけできっちりした仕事ぶりを感じていただけるのではないでしょうか?

下地間柱用の材には✕△や下とマジックの印・・・何か?を訪ねると、材の反りや節等で細かく選別して、どの部分の下地材に使うか?を分けているのだそうです!!

天井下地に隠れた天井裏を隙間から覗き込むと、天井下地もしっかり組まれているのが観察できました。

ゴルフショップから鉄板焼き飲食店へ生まれ変わるので、飲食店に必要な設備は全てが新設、水道・ガスはもちろん、厨房&トイレ設置の下水配管道換気ダクトも新設されています。
施工例写真4
いよいよ本日施工中のトイレ扉枠取り付けの様子を。
間仕切り壁下地の施工で使ったボンドをスクレッパーとカッターで取り除きます。

間仕切り壁下地の間柱は壁板で見えなくなりますが、今から設置施工するトイレ扉枠は外から見れる部材なので僅かな凸凹も見栄えに影響する為、こういった下処理を必ず行うのがあぜちさん。

「こんな地味な作業も撮るんですか!?」と言われる、あぜちさんですが、このような地味で細かな工程の積み重ねが、最終の仕上がりに出ると私は考えます。

そして施工場所にゴミが出たら直ぐに掃き掃除。
あぜちさんらしい光景です。
施工例写真5
新規のドア枠が取り付けられる部分の細かな採寸が始まりました。
もちろん天井下地パネルの裏にはネジが効くように既に角材が通されています。

今回は設備を新規に作り直すので配線・配管などの逃げや、この後に取り付け施工されるダウンライト取り付け部のホール等も、全てを予め考えて下地が組まれています。

この採寸作業、本当は材を見れば何センチ角の規格材か?が分かるそうですが、部分的にある材の誤差を気にしての、1〜2ミリの確認作業です。
施工例写真6
トイレ扉枠にはトガが用いられます。
栂は構造材に使う材ではなく化粧材的な意味合いが大きいそうで、個々の店舗リフォーム工事では内装の見える部分に採用されました。
ちなみに出入り口等、雨風にあたる箇所は米スギの赤身(上等な部分)が採用されています。

トガ材を丸ノコで寸法通りに切断した後、木材の角をカンナ掛けして軽く角を落とした後、各断面を丁寧にやすり掛けしてから、枠の形に作っていきます。
施工例写真7
トイレ扉枠を間仕切り壁下地にはめ込んで、間仕切りの角材から出っ張る部分を微調整。
間仕切り壁のパネル張りが終り壁クロス貼りが終わった時の出っ張りを想定しながら、その寸法を調整していくのだそうです。

特に引き戸や扉、作り付けの棚等は、経年変化による材の変形等も考慮して、予め隙間づくりをしておくということです!
全てをきっちきちに形作れば良い物でないのが大工仕事の難しさであり、大工職人の腕の見せ所ですね。
施工例写真8
枠が収まった後、長めの木ネジでしっかり固定。

ただし此処は店舗内装の見栄えに影響する部分なので、扉枠にネジ頭より少し径の大きな下穴を数ミリの深さで掘ってから木ネジで固定。

その後、ボンドを塗布して下穴と同径のダボを埋め込み、突起部分をノコで切り落としてからヤスリ掛けして終了。
枠を固定する全てのネジがこの工程を経ています。

これでネジ頭が見えなくなりすっきりした外観になりましたね。
施工例写真9
さらに店舗の出入り口扉枠と窓枠にもダボ埋め処理がされました。

ダボは枠の木材と同じ種類の木材で一つ一つ作られていて、上記のトイレ扉枠はトガ、出入り口扉と窓枠は米スギの赤身材を使います。

色味を合わせるのはもちろん、年輪が作る目の方向や、なるべく目の間隔も近いものを選んでダボ埋めをされているのが印象的でした。
施工例写真10
どんな大工仕事にも言えますが、とりわけ店舗改装などは店舗オーナー様のお店作りのイメージを理解して内装デザインを考え、店舗改装工事を進めなければなりません。

もちろん法律の決まり事とオーナー様のデザインに対する拘り、更にお店として上手く機能する使い勝手を上手くバランスさせながら、リクエストを反映しつつトータルで御提案するのが難しいのだとか。

店舗リフォームはオーナー様と打ち合わせを密に行い、お店のスタイルを理解し、オーナー様の持つイメージを共有しながら飲食店内装工事が進められています。

大阪市阪南市の建築大工「あぜち建築」疇地俊宏さんは、大阪市内で数々の店舗改装を手掛けてきた実績があり、大阪市都島区の鉄板焼き屋改装工事でも、その経験が十分に生かされているのが伺えました。

後日の完成取材もありますのでお楽しみに。
取材撮影:末光誠

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