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本日は京都府向日市を拠点に活動 住宅の外構基礎工事をされている TEAM MAST LTD さん駐車スペース施工の模様を 2日間に渡り取材をするため
京都府京田辺市にある閑静な住宅街にある お宅にお邪魔させていただきました。
家主さんにお伺いしたところ こちらには元々、お庭として大きな木が植えてありましたが 年々実りがなくなったこと、娘さんが来られた時に いつも縦列駐車しなくては停めれなかったため 今回、ガレージの新設・足場の増設をお願いされたそうです。
取材に行かせていただくと すでにお庭の面影はなく、新しい屋根も取付済みで 今日は明後日の生コンクリート施工のための準備の工事でした。
この日の現場責任者である吉田さんから (右写真) 『 今日はあまり撮るところがありませんよ(笑) 』 と言われましたが そこは職業病。 ポイントポイントは撮らせてもらいました。 |
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この日のメインはまず 屋根の柱を安定させるための土台部分にコンクリートを流す前の作業として 木枠をはめ込み、その周りを土や石を敷き詰め 足や手を使ってしっかりと固められていました。
そして、駐車スペースの周りの柵の部分も 削ったり時には切断され コンクリートの土台となる基礎を築いていきます。
吉田さんはTEAM MASTさんでの在籍期間は短いですが これまでずっと職人さんとして いろいろな現場を携わってこられているベテランさんです。 |
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そして2日後・・・ 今日は生コンクリートを流しての外構工事の日です。
この日は TEAM MAST 代表の森本さんもいらっしゃり あとで紹介する稲本さんと藤原さんの三人での作業となります。
まずは稲本さんが生コンクリートを流すために木の板を敷いて 道を作り、流し方の動きを確認されていました。
生コンクリート車が到着するまでの間 初対面の森本さんといろいろとお話させていただきましたが 事前に電話で話していた印象と同じく 実際に会うと、とても話しやすい気さくなオッチャンという感じで しかも、とても分かりやすい説明をしていただきました。
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しばらくしてコンクリート車が到着し 青空の下、いよいよ流します。 初めて見る光景に少しドキドキしていました。 |
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稲本さんが生コンクリートを運び、流し始めると 藤原さんがコテを使ってムラなく一気にメインとなる部分を 森本さんがガレージや屋根の柱の際の細かな部分を 大きなコテと小さなコテを使い分けて仕上げていきます。
藤原さんは TEAM MAST が2000年の立ち上がった 当初からの在籍17年になるスタッフさんで その動きには迷いがなく、森本さん同様 熟練の技が光っていました。
森本さんが話の中で 生コンクリートはその名の通り 『 生物 』 だから その日の気温や環境によって変化するので 常に生コンクリートの状態を見ながら施工しないと 思った通りのカタチにならないと仰っていました。 |
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一度流し終わると、生の状態のコンクリートの中にある比重の小さい 水と砂が少しずつ表面に上がってきて、水は蒸発していき 比重の大きいセメントと砕石が下がりコンクリートが固まるのを待ちます。
その間、家主さんからの差し入れを頂きながら休憩していると 近所の方が見に来られて 『 まぁキレイになって〜♪ 』 と森本さんと談笑されたり 家主さんのワンちゃんも散歩帰りに登場したり 今日の天気と同様、穏やかな時間が流れていました。
あと、森本さんは ipad を持っておられ (上写真) 以前の記事でも書いてありますお得意の絵を使って施工後の形を描かれ その完成図をお客さんに見せることで イメージしやすいよう外構工事の提案されることもあるそうです。
絵画や陶芸が好きな森本さんがコンクリートを使った外構工事でも 乾いて枠を外すまでどんな表面が出てくるか分からない楽しみと面白さ ある種の芸術がそこにあることに気付いたことが この仕事を本気ではじめるキッカケになったそうです。
こういったアート志向のある業者さんは 現場でもその感性が活きるだろうなぁと感じました。
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しばらくしてコンクリートが少し固まったら 今度は木の板を敷いてそれを足場にし 鉄コテと木ゴテを使って表面をキレイにならしていきます。
まだコンクリートが半生の状態のため 足跡や手跡がつかないように作業されていました。
印象的だったのは、みなさん口を揃えて仰ってた この仕上げ作業にゴールはなく 『 満足することはない 』 そうです。
でも、どうしても期日があるため 自分の中で最終的にどこかのポイントでGOサインを出して これまでの現場をこなしてこられてきたそうです。
常に完璧を目指す姿勢の中に 職人としてのプライドが垣間見えました。 |
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この日の作業が終わりました。
3日ほど経つと水分が蒸発して強度が増し 表面がもっと白くなって駐車ができるようになるそうで 家主さんもとても満足されていました。
このあと、ガレージのすき間部分に 色のついた砂を混ぜたモルタルを詰められていて 藤原さんに尋ねると 赤や黄色、黒などの色のコンクリートもできるそうですが
ただ、色の砂の配合は熟練の職人さんであっても 思った通りの色に出すのはなかなか難しく 施工して、実際に乾いてこないと分からないそうです。
『 コンクリートは自然のモノを使うので 昔のように取れなくなり、強度や質が変わってきた 』
そのことを包み隠さずお客さんに正直に話すべきだと 森本さんは仰っていました。 |
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今日は (左から) 稲本さん、藤原さん、森本さんの3人でしたが 現場によっては生コンクリートの状態が変わるので 6人体制で入ったりすることもあるそうですが
そういった時にこそ 森本さん率いるチームプレイの良さが活きると実感しました。
職人の世界は決して簡単ではありません。 日々黙々と現場で自分と向き合い 10年、20年と積み上げていくことでやっと掴める厳しい世界です。
肉体的にも大変な職人の世界ですが 自分の携わったモノが何十年と残っていくやりがいと お客様からいただく 『 ありがとう 』 という喜び
若い世代にそのことを伝えていくことが今の自分の務めだと 森本さんが語られていたその言葉が今も残っています。
取材撮影&文 : とくおか じゅん |
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