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大阪府富田林市を中心に建築工事業を営む「第一ホームサービス」の井上俊秀さんを御紹介いたします。
南阪奈道の羽曳野ICを降りて更に十数分、井上さんの事務所にお邪魔しました。 そこで取材を進めるなか一本の電話が。
心斎橋のオフィスビル内で予定されているデザインオフィス新設内装工事の打ち合わせのようです。
施工前のフロア写真と完成予想図、そして内装図面を用意してから、クライアント側のデザイナー、プランナーさんと意見交換しながら細かな仕様のすり合わせをされてました。
その内装図面には施工時の注意点が事細かにどんどん書き加えられていきました!
図面を見ただけで「要確認個所」が分かるのは大工歴36年の経験と、自らが建築士の有資格者であり、様々な建築を手掛けてきた事が成せる技でしょう。 |
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電話打ち合わせを終えると作業場へ案内されました。
次の仕事に向けて道具の点検・手入れの最中との事で、その道具の手入れも拝見いたしました。
2トントラックが丸々入るスペースに整然と大工道具が置かれていて、効率を求めた必要最小限のスペースとなっていました。
作業場は広いスペースに雑然と道具や資材が置かれている固定観念がありましたが、「整理・整頓・清潔・安全で快適な作業」を求めた結果と言える作業場です。
早速ノミの手入れをする為に作業台を仮設します。 柱に桟木を仮止めし、それに高さを合わせた脚代わりの桟木をコンパネの下に止めて出来上がりです。
井上さんは慣れた手つきで2分程度で組み上げます。 |
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此処からは「のみ砥ぎ」を紹介します。
まず粗砥ぎから始めますが、その前に砥石の面を整える所から!
砥石の平面を出すために、面直し器に砥石を当てて丁寧に削っていきます。
道具を砥ぐたびに擦れる面が削られて表面が湾曲していくので、それを修正して綺麗な平面にしなくてはいけないのだそうです!
砥石の修正が済んだら先ずは粗研ぎを。 砥石には粗砥石・中砥石・仕上げ砥石の三つが用意されていました。
※因みに常に荒砥ぎをするわけではないそうです。 |
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粗砥ぎはノミの裏側を平らに整える作業の事でした。
この工程は刃がかけた場合に、欠けた部分が無くなるまで行う工程だそうで、そういったトラブルが無ければ殆どの場合は中砥ぎから始めるとの事。
そうそう!ノミは必ず裏面を真っ平らにしてから、刃を作っていくのだそうです!!
そして中砥ぎに移ると「金剛砂」という細かな研磨粉を砥石にのせ、水と馴染ませてからノミを砥いでいきます。 |
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最後に仕上げ砥石を用いてノミを砥ぎます。
ここまでくると刃を出すというよりは、砥いだ刃のかえり部分を取り除くようなイメージのようです。
ゆっくりと丁寧に数回砥いで仕上がりました。
ピカピカに砥がれたノミの様子が分かりますでしょうか?
大工さんの用いる道具は種類が沢山あり、それぞれの道具を大工さん自身でメンテナンスします。 同じ刃物でも砥ぎ方一つにも違いがあるようで、カンナ刃とノミとで比べながら説明してくださいました。 |
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20歳の時に家業である先代の元に転職したそうですが、親子とはいえ直接に仕事を教わる事は殆どなく、他のお弟子さんと同様に一つ一つの仕事を熟しながら覚えたのだそうで、厳しく鍛えられた生粋の大工職人さんなのです。
作業台には先代から引き継いだホゾ穴をあける機械「角ノミ」が。 この機械は井上さんが大工を始めた36年前に既に活躍!していたそうですから、そうとうに年期の入った道具の一つ。
因みに大工さんになる前は証券マンとして勤め大阪証券取引所に出入りしていたそうで、井上さんはなんとも異色の大工職人さんでありますが、これまでに手掛けた仕事はどれも好評を頂いてます!
一戸建、店舗建築工事、リフォームはもちろん建築士の有資格者でもある事から各種設計も手掛けられ、富田林市や近隣の羽曳野市、河内長野市だけに限らず、大阪府の各都市で「第一ホームサービス」井上さんが大活躍されています。
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