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諸説ありますが、日本語は単語の数が3万から4万あるそうです。
その中で、日常的に使用される単語の数は1200から1300単語。
さて、これだけ単語がある事を知っていただいた上で一つ質問があります。
Q.日常生活を送る上で「表現する」もしくは「表現したい」と言う言葉を口にする事はありますか?
もし、あると答えてくださった方は何かしら物作りに携わっていたりするクリエイティブなお仕事や、趣味をお持ちの方ではないでしょうか?
今まで、様々な職人さんを取材させて頂いたのですが、取材中に「表現」という単語を使ったのは、今回ご紹介する『株式会社和Total Interior』壁紙職人の本多さんが初めてでした。
諸説ありますが、日本語は単語の数が3万から4万あるそうです。
その中で、日常的に使用される単語の数は1200から1300単語。
さて、これだけ単語がある事を知っていただいた上で一つ質問があります。
Q.日常生活を送る上で「表現する」もしくは「表現したい」と言う言葉を口にする事はありますか?
もし、あると答えてくださった方は何かしら物作りに携わっていたりするクリエイティブなお仕事や、趣味をお持ちの方ではないでしょうか?
今まで、様々な職人さんを取材させて頂いたのですが、取材中に「表現」という単語を使ったのは、今回ご紹介する『株式会社和Total Interior』壁紙職人の本多さんが初めてでした。
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では、ここで本多さんの経歴からご紹介します。
職人歴としては、24年。個人で独立されてからは8年。
賃貸物件の原状回復や飲食店の内装。こうしたリフォームなど、あらゆる現場を経験された壁紙のエキスパートです!
では、ここで本多さんの経歴からご紹介します。
職人歴としては、24年。個人で独立されてからは8年。
賃貸物件の原状回復や飲食店の内装。こうしたリフォームなど、あらゆる現場を経験された壁紙のエキスパートです!
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今回訪れた現場は、東京都板橋区にある7LDKの戸建て住宅です。
築年数もたっておりますが、建てられた時は相当の金額で建てられたと思います。
リフォームが進んでいない箇所は、昭和後期から平成初期の「あの頃」を思い出させる趣がありました。
しかしリフォームというのは面白いもので、床材ひとつ、壁紙ひとつ、色合いと素材の組み合わせで、いくらでも現代的にできるのですから。
まだ、完成前のこの現場が、どうなるのか見届ける事が出来ないのは少し残念です。
今回訪れた現場は、東京都板橋区にある7LDKの戸建て住宅です。
築年数もたっておりますが、建てられた時は相当の金額で建てられたと思います。
リフォームが進んでいない箇所は、昭和後期から平成初期の「あの頃」を思い出させる趣がありました。
しかしリフォームというのは面白いもので、床材ひとつ、壁紙ひとつ、色合いと素材の組み合わせで、いくらでも現代的にできるのですから。
まだ、完成前のこの現場が、どうなるのか見届ける事が出来ないのは少し残念です。
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この日の作業は浴室手前の洗面スペースの壁紙の貼り付けと、ダイノックシートと呼ばれるシートの貼り付け、そして床にクッションフロアを敷く作業になります。
ここでまた質問です。
何かにテープやシールを貼ったり、カッティングシートを貼った経験はありますか?
貼り付け作業をした時に、シワや気泡が入った経験はないでしょうか?
貼り付ける場所に対して、寸足らずになってしまって、繋げて貼ったはいいけど、柄がズレて合わなかったり、繋ぎ目が目立ったりしたことはありませんか?
「貼る」という事は見た目は単純なのですが、実はとても奥が深く難しいのです。
上記の質問は、手先の不器用な私には全て当てはまり、目も当てられなかった事が何度もあります。
ただの平面ですら難しいのに、部屋という立体は一見正立方体に見えますが、細かい角が沢山あります。
壁紙も施工対象に合わせた寸法通りではなく、繋ぎ目を目立たせないように貼り付ける事は至難の技です。
なので、壁紙職人という仕事が成立するわけです。
この日の作業は浴室手前の洗面スペースの壁紙の貼り付けと、ダイノックシートと呼ばれるシートの貼り付け、そして床にクッションフロアを敷く作業になります。
ここでまた質問です。
何かにテープやシールを貼ったり、カッティングシートを貼った経験はありますか?
貼り付け作業をした時に、シワや気泡が入った経験はないでしょうか?
貼り付ける場所に対して、寸足らずになってしまって、繋げて貼ったはいいけど、柄がズレて合わなかったり、繋ぎ目が目立ったりしたことはありませんか?
「貼る」という事は見た目は単純なのですが、実はとても奥が深く難しいのです。
上記の質問は、手先の不器用な私には全て当てはまり、目も当てられなかった事が何度もあります。
ただの平面ですら難しいのに、部屋という立体は一見正立方体に見えますが、細かい角が沢山あります。
壁紙も施工対象に合わせた寸法通りではなく、繋ぎ目を目立たせないように貼り付ける事は至難の技です。
なので、壁紙職人という仕事が成立するわけです。
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それではここから、壁紙を貼るという事がどれだけ高度な事かをご案内していきます。
どんな事にも下準備というものがあるように、いきなり貼り付けはしません。
まずは、貼り付けする面を「均す」事からはじめます。
本多さんが手にされてるのは電動のヤスリです。
目に見えないレベルの細かな凹凸が仕上がりに影響する為、丁寧にヤスリがけしていきます。
しかもこの電動ヤスリ、静音な上に掃除機のように集塵機能までついてます(袋の部分に削りカスが溜まるようになっています)
「リフォーム現場でも、在宅されたままのお客様のところにお伺いする事も多いので、音も静かで現場を汚しにくく、ワイヤレスなのでコレを使ってます」とのことで、お客様に対しての配慮も怠っていません!
それではここから、壁紙を貼るという事がどれだけ高度な事かをご案内していきます。
どんな事にも下準備というものがあるように、いきなり貼り付けはしません。
まずは、貼り付けする面を「均す」事からはじめます。
本多さんが手にされてるのは電動のヤスリです。
目に見えないレベルの細かな凹凸が仕上がりに影響する為、丁寧にヤスリがけしていきます。
しかもこの電動ヤスリ、静音な上に掃除機のように集塵機能までついてます(袋の部分に削りカスが溜まるようになっています)
「リフォーム現場でも、在宅されたままのお客様のところにお伺いする事も多いので、音も静かで現場を汚しにくく、ワイヤレスなのでコレを使ってます」とのことで、お客様に対しての配慮も怠っていません!
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やすりがけの後は、貼り付け作業に入ります。
初めに天井から施工していきます。
最初貼り付けた時は壁紙も丸まっている状態なので、どうしてもクセのついた折り目があり、その部分はシワになりやすいです。
恐らく本多さんのような手練の職人さんでも、いきなりシワなく貼り付けをするのは難しいはずです。
そこで、活躍するのが幅広のヘラです。
このヘラを使い、シワを伸ばしたり気泡をなくしていきます。
シール貼りですら苦手な私にはとてつもなく難しい事を簡単にやってのけるものだと思いますが、本多さん曰く「実は壁紙は、シールやカッティングシートを張ることより簡単なのです」とのこと。
その秘密は、糊ではるからなのです。
シールやカッティングシート、後述するダイノックシートは、それ自体に糊面があるため、一度貼り付けたものを修正のために剥がした時点で接着力が弱り、また乾いている状態のためズラす事が出来ません。
壁紙は半乾きの生糊で貼り付けるため、貼り直したりズラす事が容易なのです。
やすりがけの後は、貼り付け作業に入ります。
初めに天井から施工していきます。
最初貼り付けた時は壁紙も丸まっている状態なので、どうしてもクセのついた折り目があり、その部分はシワになりやすいです。
恐らく本多さんのような手練の職人さんでも、いきなりシワなく貼り付けをするのは難しいはずです。
そこで、活躍するのが幅広のヘラです。
このヘラを使い、シワを伸ばしたり気泡をなくしていきます。
シール貼りですら苦手な私にはとてつもなく難しい事を簡単にやってのけるものだと思いますが、本多さん曰く「実は壁紙は、シールやカッティングシートを張ることより簡単なのです」とのこと。
その秘密は、糊ではるからなのです。
シールやカッティングシート、後述するダイノックシートは、それ自体に糊面があるため、一度貼り付けたものを修正のために剥がした時点で接着力が弱り、また乾いている状態のためズラす事が出来ません。
壁紙は半乾きの生糊で貼り付けるため、貼り直したりズラす事が容易なのです。
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天井一面に壁紙を貼り付けるにしても、その他の壁に壁紙を貼るにしても大抵一枚では足りません。
2枚の壁紙を繋ぎ合わせるのですが、この繋ぎ目をいかに目立たせず、あたかも一枚で貼ったように見せるのかが職人の腕の見せ所です。
天井一面に壁紙を貼り付けるにしても、その他の壁に壁紙を貼るにしても大抵一枚では足りません。
2枚の壁紙を繋ぎ合わせるのですが、この繋ぎ目をいかに目立たせず、あたかも一枚で貼ったように見せるのかが職人の腕の見せ所です。
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ここで使われている技術が「重ね切り」という技法です。
2枚の壁紙はジャストサイズで繋いでるのではなく、実は少し重なっているのです。
それなのに、重なった部分がまるでわからない処理をする、そこがプロなのです。
そしてこの時に大事なのが、最初の下地作りのヤスリがけです。
壁紙を切る際に定規やヘラを当てながらカッターで壁紙を切るのですが、壁に凹凸があると定規に均一に力がかからず、真っ直ぐに切れないのです。
そして切る時も、変に力を入れるとブレたりするので適切な力加減で切る。
この「均す」と「切る」がとても難しいのです。
今ではネットや動画配信サイトで何でも勉強でき、DIYで壁紙の貼り方を紹介していて素人でもやってみようと思うかもしれませんが、その道のプロがいるというのはちゃんと理由があるのです。
(私もこの重ね切りの部分の説明をご紹介するために、動画サイトで復習しました)
ここで使われている技術が「重ね切り」という技法です。
2枚の壁紙はジャストサイズで繋いでるのではなく、実は少し重なっているのです。
それなのに、重なった部分がまるでわからない処理をする、そこがプロなのです。
そしてこの時に大事なのが、最初の下地作りのヤスリがけです。
壁紙を切る際に定規やヘラを当てながらカッターで壁紙を切るのですが、壁に凹凸があると定規に均一に力がかからず、真っ直ぐに切れないのです。
そして切る時も、変に力を入れるとブレたりするので適切な力加減で切る。
この「均す」と「切る」がとても難しいのです。
今ではネットや動画配信サイトで何でも勉強でき、DIYで壁紙の貼り方を紹介していて素人でもやってみようと思うかもしれませんが、その道のプロがいるというのはちゃんと理由があるのです。
(私もこの重ね切りの部分の説明をご紹介するために、動画サイトで復習しました)
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そして部屋の至る所の細かい角のキレイな処理。
ヘラやカッター、ローラーなどあらゆる道具を使い仕上げていきます。
ベテランの本多さんで2時間程度の施工でしたが、素人にはこのクオリティと時間で仕上げる事は難しいでしょう。
壁紙を買い道具を揃えて、自分の時間を投資して、悪戦苦闘しながら自分で壁紙を貼り替える方が、時間的にも金銭的にも、プロにお任せするより、高くつくのではないでしょうか?
こんな時の為にこそこうしたプロの職人がいるのです。
そして部屋の至る所の細かい角のキレイな処理。
ヘラやカッター、ローラーなどあらゆる道具を使い仕上げていきます。
ベテランの本多さんで2時間程度の施工でしたが、素人にはこのクオリティと時間で仕上げる事は難しいでしょう。
壁紙を買い道具を揃えて、自分の時間を投資して、悪戦苦闘しながら自分で壁紙を貼り替える方が、時間的にも金銭的にも、プロにお任せするより、高くつくのではないでしょうか?
こんな時の為にこそこうしたプロの職人がいるのです。
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壁紙の施工が終わった後は、床のクッションフロアを敷いていきます。
まずは、床全体に糊を塗っていきます。
糊を塗るハケが櫛状なのは、上からの圧力で均一に糊が面になる様にだそうです。
壁紙の施工が終わった後は、床のクッションフロアを敷いていきます。
まずは、床全体に糊を塗っていきます。
糊を塗るハケが櫛状なのは、上からの圧力で均一に糊が面になる様にだそうです。
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一度目安をつけるために、広げた後大体の大きさの目検討をつけ、不要な部分をカット。
それから再び敷いていきます。
不要な部分をカットしたとはいえ、少し余裕を持たせてあります。
部屋が狭いことに加え、シートの厚みもあるので位置が決まるまでは大変そうです。
位置が決まったら、四隅をカットしていきます。
一度目安をつけるために、広げた後大体の大きさの目検討をつけ、不要な部分をカット。
それから再び敷いていきます。
不要な部分をカットしたとはいえ、少し余裕を持たせてあります。
部屋が狭いことに加え、シートの厚みもあるので位置が決まるまでは大変そうです。
位置が決まったら、四隅をカットしていきます。
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この時に活躍するのがこの道具。
変なところに刃がついていますが、床と壁のちょうど良いところでクッションフロアが真っ直ぐ切れるのでカッターナイフより簡単です。
そして、素人には気付かない技術がここでも使われます。
この時に活躍するのがこの道具。
変なところに刃がついていますが、床と壁のちょうど良いところでクッションフロアが真っ直ぐ切れるのでカッターナイフより簡単です。
そして、素人には気付かない技術がここでも使われます。
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シワなく綺麗に貼ることも大切ですが、角の仕上げも美しい仕上げには欠かせません。
そのためにはカッターの切れ味は必須なので、現場によっては1日で刃を一本使うこともあるのではないでしょうか?
シワなく綺麗に貼ることも大切ですが、角の仕上げも美しい仕上げには欠かせません。
そのためにはカッターの切れ味は必須なので、現場によっては1日で刃を一本使うこともあるのではないでしょうか?
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そして、ただ切るだけではなく、場所によっては端を隙間に埋め込むという方法もあるのです。
例えば、この浴室から出入りするところなど、濡れた体のまま出入りすると体から落ちた水分で、クッションフロアが浮いてくるので、余裕を持たせた端の部分をこのように床の隙間に埋め込むのです。
これには目から鱗でした!
そして、ただ切るだけではなく、場所によっては端を隙間に埋め込むという方法もあるのです。
例えば、この浴室から出入りするところなど、濡れた体のまま出入りすると体から落ちた水分で、クッションフロアが浮いてくるので、余裕を持たせた端の部分をこのように床の隙間に埋め込むのです。
これには目から鱗でした!
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最後に巾木を貼り付けて、完成になります!
ここまでご覧いただいて「貼る」というのが実はとても難しく、とても高く繊細な技術が必要か伝わりましたでしょうか?
ただ、本多さんを紹介するにあたって外すことのできない「表現」という言葉と、もう一つの施工例のダイノックシートの施工のご案内がまだできていないのですが、もう一つ別の記事でご紹介いたしますので、そちらも合わせてご覧くださいますと幸いです。
【後半 キッチンのダイノックシート施工】撮影・記事=夏井カメラマン
最後に巾木を貼り付けて、完成になります!
ここまでご覧いただいて「貼る」というのが実はとても難しく、とても高く繊細な技術が必要か伝わりましたでしょうか?
ただ、本多さんを紹介するにあたって外すことのできない「表現」という言葉と、もう一つの施工例のダイノックシートの施工のご案内がまだできていないのですが、もう一つ別の記事でご紹介いたしますので、そちらも合わせてご覧くださいますと幸いです。
【後半 キッチンのダイノックシート施工】撮影・記事=夏井カメラマン