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京都市左京区での一般住宅リフォーム完成の取材に伺いました。
今回は施主様であるデイビッドさん(ご主人)清水さん(奥様)御夫妻がご自宅のリフォームの為に、ええ職人ドットコムのサイトから、京都市で親子代々、大工工務店を営む藤崎組さんを御指名され、住宅リフォーム工事が執り行われました。
此方の物件を御購入後、施主様ご自身で行う簡単な修理で対応するお考えだったそうですが、デイビットさんが外壁等を修理している中で予想以上の傷み具合を見て、プロの職人に依頼する事になったそうです。
先ずは施主様からお借りした写真を数点。 至る所で柱や土台の腐食が進み、特に建物の東側は雨漏りと、構造上の理由から土台周辺に雨水・湿気が溜まりやすく激しく朽ちていたようです。 もちろん腐った部分は、柱入れ替えや土台入れ替えを行い柱と土台の改修をされています。 |
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改修前の建物は土の上に柱や土台が組まれている物でしたが、新たにコンクリート基礎を現代の基準で打ち直しされました。
下写真は改修前に雨漏りと湿気で腐食が激しかっそうで、隣接する住宅との隙間幅が狭い為の影響も見過ごせないとの事から、大胆にも50センチ内側に基礎を打ち直しました。
50センチ分も家が狭くなるのですから結構な勇気がいる判断ではないでしょうか?
実はデイビットさんご夫妻はイギリスや国内各所(現在は志摩で)で長年旅館を営んでおり「心地良い居住空間を創るプロ」であるのです。 その御経験からその50センチは「豊かに暮らす」為の必要な改修であり、ゆくゆくのメンテナンス等も視野に入れてポジティブに判断されたそうです。
今回の町屋リフォームは一般改修の範囲内ですが、藤崎さんいわく、ほとんど大規改修に近い工事であったとの事でした。 |
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さて此処からは完成後の室内の雰囲気を御覧いただきます。
先ずは一階のリビングルーム。 この部屋は元は台所と茶の間だったそうですが、デイビットさんのアイデアが随所にちりばめられていて以前の面影は全くありません。
下写真はデイビットさんの拘りが形になった壁際スペース。
もともとは無かった柱をあえて張り出させて造られました。
一般的にはスペース確保と家具等の配置を考えて、なるべく凹凸が無いようにと考えてしまう個所ですが、パソコン等の作業もできるボードが据え付けられたりと、 実用面も考えられた上でのデザインは勉強になりますね! |
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部屋に続くドアが開けられてキッチンから連なるリビングに通された時、真っ先に感じたのは旅行で訪れるリゾートホテルの一室ようだと言うこと。(後にお仕事をお聞きして、あながち外れではなかったと思いました)
その大きな理由は壁・柱・天井・床各所の色使いと素材感、そして先にも述べたデイビットさんが拘ったデザインと空間の広さ、そして贅沢に設置されたダウンライト等がかもし出す佇まいです。
クロス仕上げの壁の正面と両側面とで色・質感が異なるクロスを選ばれており、天井と柱もクロス貼り施工されていて空間デザインの素晴らしさが分かります。
例えばトータルコーディネートと言うと、同系色・同系素材でと考えがちですが、それが勝手な思い込みの固定概念であったと反省しきりです。
事実、リフォーム工事施工された藤崎さんも「空間や色の使い方等、とても勉強になりました」とおっしゃっています。 |
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此方は奥様のスペースと云えるでしょうか。
リビングに連なるキッチンはホワイトを基調にしたシステムキッチンが設置され、窓からの採光と照明でとても明るいキッチンとなっています。
床は無垢の竹を使ったフローリングが張られておりオシャレで上質な雰囲気!
基礎工事で防湿・防腐・防シロアリ対策の後、フローリングの下には断熱処理もキッチリと施されています。
奥様は仕事で京都と志摩を行き来するので、京都の家は別荘のような使い方になるとおっしゃっていましたが、だとするとかなり贅沢な仕様なのではないでしょうか! |
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もう少し詳しくキッチンを見てい来ましょう。
傾斜のついた扉が目立ちますね! ここは階段下を利用した収納スペースで、大きい扉側には洗濯機が置かれており、初めからそれを想定して水道・排水の配管工事や電気工事がなされたと云う事です。
大きめの冷蔵庫も階段下のスペースにすっぽりと収まっており、ごちゃごちゃしがちなキッチン周りがすっきりシンプルになっていました。
また此方の面は落ち着いたグレーのクロス貼りになっていて、やはり配色のセンスが伺えます。 |
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こちらは洗面とバスルーム。
建物改修前の「タイル貼りの日本のお風呂」と云った造りから、ユニットバス設置により全てが新しくなって、快適なバスタイムを過ごせているそうです。
元々の風呂場が狭かった事もありデイビットさんご夫妻から大きめのバスルームへ改装したいとのリクエストが! そこで藤崎さんは大きめのユニットバスを設置工事するに当たり、既存の壁を撤去し浴室を広げ、それでも足りない部分は洗面スペースを移動&必要最小限の広さに収める事で、バスルームに必要な空間を確保する方法としました。
こう云った時に、柔軟な発想でリフォーム工事ができるのは、藤崎組さんが大規模改修工事から部分リフォームまで数多くの現場で実績を積み重ねられたからこその対応力だと思います。 |
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階段でもご夫妻のリクエストに応えています。
写真から元々の様子から大きく様変わりしているのがお分かりいただけると思いますが、単に踏板等の素材が変わっているだけでないのが、今回の階段リフォームです。
一番の変更点は階段の傾斜が緩やかになっている事です。 傾斜が変わると云う事は、すなわち全く一から造り直しされてると云う事!
修繕前写真の柱と手すり、修繕後写真(下)の壁と手すり位置関係をくらべて頂くと、かなりの角度差があるのがお分かりいただけるはずです。 見た目の綺麗さだけでなく、安全性向上もなされた階段リフォームとなりました。
奥様に【お気に入りリフォーム個所を、あえて一つだけ選んでください】と尋ねると、すこし悩まれた後、此方の階段リフォームを選ばれました。 |
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さて此処からは二階のお部屋を紹介致します。
先ずは階段を上がって正面に在る、デイビットさんご夫妻の寝室。
この部屋は一階の雰囲気から随分と変わって、落ち着いた畳敷きの和室となっています。
ですが壁や天井クロスは従来の和室にとらわれない配色と質感が選ばれていました。
このお部屋、改修前は床の間があったそうですが、そこは収納に活用できるスペースに造り替えられています。 |
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階段を上がって左手になる部屋は、娘さんの部屋へ続く通路の役割も。 ※もちろんご夫妻の寝室にも繋がっています。
となると使われ方を明確にする為に、床をフローリング等にして区別した造りになりそうですが、ご夫妻の寝室・真ん中の部屋・娘さん部屋の床全てを、和畳敷で統一してあります。
畳の床が手前から奥まで連続していき奥行きと広さが強調される効果を得ていたと思いました。
階段からのアクセスは開き戸、御夫妻の寝室と娘さんの部屋へは引き戸の様式となっています。 |
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娘さんのお部屋のお邪魔しながら、今回の住宅リフォームに際し随所に藤崎組の知恵と技術が発揮されているのを見ていきたいと思います。
二階天井に目を向けると一般的な平らの天井でない事にきづかれませんか? 空間を視覚的にも広く最大限に空間活用できるように、平らな天井板を張らずに、屋根の傾斜に沿った天井とし、デッドスペースになりがちな天井裏を廃する代わりに高い天井を手に入れました。
そして梁や火打ち等の造形を見せるようにデザインしながら天井板が貼られています!
一般的には隠してしまう事が多い部分を、あえて見せる発想とテクニックが素晴らしいと思いませんか? 板にせよクロスせよ、カットで出るロスが多くなりがちなデザインなのだそうですが、出来上がりの満足感が大きい個性的な部屋となりました。 |
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部屋の入り口横に造られた階段は人が上がり降りする物ではありません。 この段は一階に行き来する階段の天井部分の裏側にあたる場所で、どうしても勾配が出てしまう場所でした。
全て覆ってしまい収納スペースにする事も出来ますが、そうすると部屋が狭くなってしまいます。 なのでここでも積極的に見せるデザインの棚を造る事になったそうです。
娘さんの部屋に造られた、仕切りで囲った備え付けの収納スペースは、御夫妻の寝室にも同じコンセプトで造られています。 ※屋根の傾斜や梁と火打ちの複雑なデザインも良く分かりますね。
これらのような手法の空間確保の方法は、発想力と思い切りの良さが求められる部分であると共に、施工される業者さんの技術力の差が出てくると思います。 |
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最後にデイビットさんご夫妻と藤崎組の親方、藤崎さんのショットを。
御夫妻は京都市にいらしてからまだ間がなく、リフォームを依頼する業者さんの選定にはウェブ情報を頼りにされたそうです。 そこで「ええ職人ドットコム」を通じた御縁によって、今回の個性的な御自宅リフォームの実現に至りました。
今回のリフォームはご夫妻のアイデアが満載ですから、それを形にしていく技術力はもちろん、数々のリクエストに応える柔軟な対応力も求められました。
もちろん相互の信頼関係の構築も大切だったとおっしゃいます。
殆ど大改修工事に近い工事だったにも関わらず、工期は約40日程! そして各所の個性的な造形を具現化するにあたり、藤崎さん率いる藤崎組のスタッフ一人一人が工事に取り組む姿は、まさに「プロの職人」であり、大掛かりな自宅のリフォームを安心して任せられたとデイビットさんご夫妻は称賛されていました。
藤崎さんは今回の工事を振り返って、デイビットさんご夫妻とのご縁はもちろん、今までに無かった「斬新なアイデアに接しそれを形にする事」の経験は、藤崎組全体のスキルアップにもなり大きな収穫だった言われます。
これまで新築はもちろん、数々の増改築や家具造りまでを手掛けた経験と実績は伊達ではありません! 京都市での住宅リフォームは日々進化をする「藤崎組」藤崎さんに御相談されてみてはいかがでしょう。 |
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