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今回は藤崎智一さん率いる藤崎組さんが手掛けたハウスリノベーションのお仕事を御紹介致します。
因みに「リノベーション(renovation)」とは、既存の建物に大規模な改修改築工事を行い、用途や機能変更をして性能向上や高価値にする事で、よく「ハウスリフォーム」と混同されるようですが、リフォームとは老朽化した建物を建築当初の性能に戻す事であり、比較的小規模な工事の事を指します。
写真は今年2月、まだ着工前の建物と玄関までのスロープの様子です。 |
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先ずは建物解体から始まりまるのですが、その前に柱や梁の点検・選別を行ないます。
そして使える柱は残しつつ、駄目になった柱は新しい物に組み換えてから、その後に床面をコンクリートで固めて行きます。
この建物は相当に古く基礎が無いので、建物と地盤の安定を確実な物にするようコンクリートを打って地盤固めが施されました。
数十年ずっと放置されてきた建物(築70年以上との事!!)だったので、既に壁は剥がれ落ち、屋根瓦も落ちてしまったり屋根そのものが朽ちてしまっている状態だったとの事です。 |
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基礎代わりのコンクリートが完全に固まったら、いよいよ本格的な解体作業に入り壁や屋根は全て取り除かれました。
そして建物の骨格だけになった所で、あるべき所にあるべき物が追加されていきます。
こうして見ると、木材の色の違いから、骨格の殆どの部分が新しい材料である事がわかりますね! 結果的に小屋梁以外は殆ど新規となったようです。
※写真は藤崎さんが仕事の記録用に撮られた物ですが、施工初期の様子をわかりやすく捉えているのでお借りして掲載しております。 |
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いきなり施工工事の様子が随分と進んでしまいますが、この段階では既に外壁工事は完了しており、屋根にも瓦が葺かれ、室内は石膏ボードで内壁・間仕切がされ塗り壁施工を待つ状態です。 一部では腰掛けや建具等も取り付けられています。
屋根裏を有効活用するために物置きスペースを確保設置してありますが、利便性を考慮して取り外し可能でありながら、この建物のイメージに合うようにな形体になっています。
屋根裏物置の扉もただ塞いでしまうだけの物では面白く無いと考えて、御覧のようなデザインがなされています。
そしてこれは単なる見映えのデザインでは無く、室内の一番高い部分にあるので空気が留まりやすくなるのを見越して、通気性を考慮した造りになっています。 |
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この日はキッチンの設置工事が行われましたが、施主様の御要望に応えて一から造る事となりました。
先ずは天板を設置固定するための細板を壁の左右両側に取り付けていきます。
この場面でも、施主様が使い勝手が良い高さは何処か?を想像しながら高さ決めをされていました。
高さを決めたら丈夫そうな厚みのある天板板と、先に取り付けられた壁の細板とを、ステンレス製の長い木ネジで強固に固定します。
藤崎さんが天板の下に入り込んで行っている作業は、向かって奥の壁にも天板を固定する為に、壁に板を取り付けている所です。
こうすることでキッチンスペースを取り囲んだ各壁面に対して「コの字型」に天板を固定する事が出来ます。 |
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藤崎さんが手に持っている白い小さな板はキッチンの装飾に貼られる10cm角のタイルです。
もちろん天板部分にも貼られますので、タイルと共に実際に設置されるステンレス製のシンクも置きながら、最終形のイメージを頭に描きつつの作業です。
シンクの位置決めでは、1〜2cm程の間隔で位置を微調整させながら「こういうのが意外に悩むねん」と、やはり施主様の使い勝手を第一に考えているのが伺えます。
そして御覧のような、淡いベージュのタイルに囲まれた可愛い雰囲気のオーダーメイドキッチンの完成となりました。
キッチン上の木製棚も藤崎さんの手作りです! 藤崎さんは一般住宅をカフェに大規模改装する工事等も数多く手掛けているので、こういった細かな要望にも柔軟に対応して頂けるので心強いですね。 古民家の再生リノベーションAにつづく |
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