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都内23区を中心に一般住宅のリフォーム工事を請け負っている「東京建築芸人舍」の種田洋介(たねだ・ようすけ)さん。
今回、拝見したのは、渋谷区にあるアパートのフルリノベーション工事です。
アパートは鉄筋コンクリート造で、築50年ほど。
リフォームする部屋は約55平方メートルあるとのことです。
工事は内装がすべて取り払われたスケルトン状態からスタート。
撮影当日は、すでに床が貼られ、仕切り壁を作っているところでした。
種田さんは木工事だけでなく、内装や水まわり、電気・ガス工事もこなす「多能工」。
今回もひとりで、ほぼすべての工事を行ないます。
その実力をご覧あれ!
都内23区を中心に一般住宅のリフォーム工事を請け負っている「東京建築芸人舍」の種田洋介(たねだ・ようすけ)さん。
今回、拝見したのは、渋谷区にあるアパートのフルリノベーション工事です。
アパートは鉄筋コンクリート造で、築50年ほど。
リフォームする部屋は約55平方メートルあるとのことです。
工事は内装がすべて取り払われたスケルトン状態からスタート。
撮影当日は、すでに床が貼られ、仕切り壁を作っているところでした。
種田さんは木工事だけでなく、内装や水まわり、電気・ガス工事もこなす「多能工」。
今回もひとりで、ほぼすべての工事を行ないます。
その実力をご覧あれ!
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築50年ともなると、垂直・水平がとれていないのが普通。
玄関先から床の施工を覗いてみると、コンクリートの土台に高さの調整が可能な支持脚を設置する置き床で、しっかり水平をとっていました。
ところで、種田さんの「多能工」らしさを象徴するのが、身につけている工具類。
一般的な大工さんが使っている腰袋(工具用ウエストバッグ)よりも大ぶりなものを複数、装着しています。
工事の流れにしたがって、ときに木工事を、ときに電気工事をと、複数の作業を並行して行なうことができるよう、必要な工具を常に身につけているんだとか。
作業を中断することなく、スピーディに工事を進めることも、「多能工」の強みです。
築50年ともなると、垂直・水平がとれていないのが普通。
玄関先から床の施工を覗いてみると、コンクリートの土台に高さの調整が可能な支持脚を設置する置き床で、しっかり水平をとっていました。
ところで、種田さんの「多能工」らしさを象徴するのが、身につけている工具類。
一般的な大工さんが使っている腰袋(工具用ウエストバッグ)よりも大ぶりなものを複数、装着しています。
工事の流れにしたがって、ときに木工事を、ときに電気工事をと、複数の作業を並行して行なうことができるよう、必要な工具を常に身につけているんだとか。
作業を中断することなく、スピーディに工事を進めることも、「多能工」の強みです。
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この日の作業は内壁の施工。
軽天(軽量鉄骨)をカットして柱を立て、そこに石膏ボードを貼って壁を造ります。
木工事中心の大工さんのなかには、この軽天を使った工事を行なわず、内装専門業者に依頼する方も多いようですが、そこは「多能工」の種田さん。
こうした工事はお手のものです。
作業もスピーディ。
寸法を測ったら、卓上丸ノコで軽天をカットし、サンダーで調整し、インパクトドライバーで打ち付けていきます。
今や、さまざまな電動工具の扱いに慣れていることは、職人にとって必須です。
この日の作業は内壁の施工。
軽天(軽量鉄骨)をカットして柱を立て、そこに石膏ボードを貼って壁を造ります。
木工事中心の大工さんのなかには、この軽天を使った工事を行なわず、内装専門業者に依頼する方も多いようですが、そこは「多能工」の種田さん。
こうした工事はお手のものです。
作業もスピーディ。
寸法を測ったら、卓上丸ノコで軽天をカットし、サンダーで調整し、インパクトドライバーで打ち付けていきます。
今や、さまざまな電動工具の扱いに慣れていることは、職人にとって必須です。
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こちらはバスルームの扉を設置しているところ。
垂直をしっかりとって立てた軽天の柱に、ドア枠を取り付けます。
ユニットバスなどの設備も、もちろん種田さんが取り付けました。
リフォーム工事のなかでも、設備にかかる費用はかなりの割合を占めますが、種田さんはこれらの仕入れでコストダウンするのが得意。
単一メーカーの商品から選ぶのではなく、ネット販売を含めて幅広く探すことで、安く購入することが可能なんだとか。
また、洗面台やキッチンなどは、既製品に希望のサイズのものがなければ種田さんが造ることもあるそうです。
こちらはバスルームの扉を設置しているところ。
垂直をしっかりとって立てた軽天の柱に、ドア枠を取り付けます。
ユニットバスなどの設備も、もちろん種田さんが取り付けました。
リフォーム工事のなかでも、設備にかかる費用はかなりの割合を占めますが、種田さんはこれらの仕入れでコストダウンするのが得意。
単一メーカーの商品から選ぶのではなく、ネット販売を含めて幅広く探すことで、安く購入することが可能なんだとか。
また、洗面台やキッチンなどは、既製品に希望のサイズのものがなければ種田さんが造ることもあるそうです。
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電気工事も、ほぼすべてを種田さんが行ないます。
内装工事もそうですが、それぞれの工事を別の専門業者に依頼すると、どうしても工期が延び、コストもアップしがちです。
スケジュールを決めて専門業者を予約したのに、その前の工事が滞って、再度の予約が先延ばしになる……というのは、よくあること。
加えて、なんらかの施工ミスがあったとき、どの業者の責任なのかが分かりにくくなることもあります。
分離発注にはメリットもありますが、個々の専門業者をまとめあげる現場監督のような仕事をしてくれる職人さんか、もしくはすべてをこなす種田さんのような「多能工」に依頼するほうが、手間がかからないのは確かです。
電気工事も、ほぼすべてを種田さんが行ないます。
内装工事もそうですが、それぞれの工事を別の専門業者に依頼すると、どうしても工期が延び、コストもアップしがちです。
スケジュールを決めて専門業者を予約したのに、その前の工事が滞って、再度の予約が先延ばしになる……というのは、よくあること。
加えて、なんらかの施工ミスがあったとき、どの業者の責任なのかが分かりにくくなることもあります。
分離発注にはメリットもありますが、個々の専門業者をまとめあげる現場監督のような仕事をしてくれる職人さんか、もしくはすべてをこなす種田さんのような「多能工」に依頼するほうが、手間がかからないのは確かです。
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この日の最後、アパートの外側を見せていただきました。
水道工事もガス工事もこなす種田さん。
水道管はガレージ部分のコンクリートをいったん剥がして引き直したとのこと。
ガス管の敷設に加え、湯沸かし器との接続も、種田さんの手によるものです。
インターホンの通電チェックだって、通常の作業の範囲。
さすがに外壁や屋根のリフォームは守備範囲外ですが、リノベーション工事のほぼすべてをカバーします。
さて、築50年のアパートの一室が、どのように仕上がるのでしょう?
竣工時にお伺いした様子を、以降で紹介します!
この日の最後、アパートの外側を見せていただきました。
水道工事もガス工事もこなす種田さん。
水道管はガレージ部分のコンクリートをいったん剥がして引き直したとのこと。
ガス管の敷設に加え、湯沸かし器との接続も、種田さんの手によるものです。
インターホンの通電チェックだって、通常の作業の範囲。
さすがに外壁や屋根のリフォームは守備範囲外ですが、リノベーション工事のほぼすべてをカバーします。
さて、築50年のアパートの一室が、どのように仕上がるのでしょう?
竣工時にお伺いした様子を、以降で紹介します!
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工事スタートから、のべ1ヶ月半。
リノベーション工事がすべて終了しました。
白と茶色を基調とした室内は、55平方メートルという部屋面積以上の広さを感じます。
施主はこの部屋を賃貸する目的でリフォームを依頼したそうですが、これならすぐに借主が見つかるのでは?
独身・カップル・ファミリー、どんな世帯でも受け入れやすい、シックな雰囲気です。
そして、この部屋には、賃貸目的であるがゆえの、種田さんの気遣いが見られます。
そのあたりを含めて紹介していきましょう。
工事スタートから、のべ1ヶ月半。
リノベーション工事がすべて終了しました。
白と茶色を基調とした室内は、55平方メートルという部屋面積以上の広さを感じます。
施主はこの部屋を賃貸する目的でリフォームを依頼したそうですが、これならすぐに借主が見つかるのでは?
独身・カップル・ファミリー、どんな世帯でも受け入れやすい、シックな雰囲気です。
そして、この部屋には、賃貸目的であるがゆえの、種田さんの気遣いが見られます。
そのあたりを含めて紹介していきましょう。
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キッチンまわり。
十分な作業スペースが確保されています。
奥からバス、洗面所、トイレ、キッチンと、向かって右側の壁に並んでいるわけですが、すべてに十分なスペースを確保するのは意外と大変。
種田さんは、キッチンまわりのスペースを重視しつつ、トイレが狭くなりすぎないように……と考えてプランニングしたそうです。
キッチンの背後にはパントリー。
ここは階段下で、業者によっては塞いでしまうこともあるそうですが、できるだけスペースを有効利用したいと考えてパントリーを造ったとのこと。
内部が外から見えづらいので、食器などでごちゃごちゃしてしまっても安心(?)ですね。
キッチンまわり。
十分な作業スペースが確保されています。
奥からバス、洗面所、トイレ、キッチンと、向かって右側の壁に並んでいるわけですが、すべてに十分なスペースを確保するのは意外と大変。
種田さんは、キッチンまわりのスペースを重視しつつ、トイレが狭くなりすぎないように……と考えてプランニングしたそうです。
キッチンの背後にはパントリー。
ここは階段下で、業者によっては塞いでしまうこともあるそうですが、できるだけスペースを有効利用したいと考えてパントリーを造ったとのこと。
内部が外から見えづらいので、食器などでごちゃごちゃしてしまっても安心(?)ですね。
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無垢材のように見える床は、塩ビ系のフロアタイル。
かなり値の張る資材ですが、部屋全体の雰囲気がよくなるだけでなく、傷や汚れが目立ちにくいことも利点です。
賃貸の場合、退去時に部屋の傷や汚れが問題になることが多いのですが、こうした資材を選べばトラブルが減らせます。
玄関の框(かまち)部分は、フロアタイルをトリマーで加工し、90度に折り曲げて貼り付けてあります。
手間はかかるものの、専用部材を取り付けるのと違って床との一体感を出せるので、このようにしたそうです。
クロスは予算の都合上、安価なものを選んだそうですが、質感にはこだわったとのこと。
安くていいものを選ぶことも、いい職人の条件です。
無垢材のように見える床は、塩ビ系のフロアタイル。
かなり値の張る資材ですが、部屋全体の雰囲気がよくなるだけでなく、傷や汚れが目立ちにくいことも利点です。
賃貸の場合、退去時に部屋の傷や汚れが問題になることが多いのですが、こうした資材を選べばトラブルが減らせます。
玄関の框(かまち)部分は、フロアタイルをトリマーで加工し、90度に折り曲げて貼り付けてあります。
手間はかかるものの、専用部材を取り付けるのと違って床との一体感を出せるので、このようにしたそうです。
クロスは予算の都合上、安価なものを選んだそうですが、質感にはこだわったとのこと。
安くていいものを選ぶことも、いい職人の条件です。
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苦労したのは、躯体(柱や梁)と内装との取り合い(納め方)だったそうです。
種田さんの頭を悩ませたのは、床の高さ。
床を高くすると、規格サイズの建具が納まらないところができてしまいます。
だからといって床を低くすると、排水管の勾配が確保できなくなってしまうのです。
水まわりの部分だけ床を高くするのは簡単だけれど、住み心地は悪くなる……。
種田さんは1センチ単位で床の高さを調整し、建具の納まり、勾配の確保、双方をクリアしたそうです。
スピードだけでなく、よく考えられたプラン、丁寧な仕事ぶりが光る「多能工」種田さん。
都内でリフォームをお考えの方は、一度ご相談されてみてはいかがでしょうか?
苦労したのは、躯体(柱や梁)と内装との取り合い(納め方)だったそうです。
種田さんの頭を悩ませたのは、床の高さ。
床を高くすると、規格サイズの建具が納まらないところができてしまいます。
だからといって床を低くすると、排水管の勾配が確保できなくなってしまうのです。
水まわりの部分だけ床を高くするのは簡単だけれど、住み心地は悪くなる……。
種田さんは1センチ単位で床の高さを調整し、建具の納まり、勾配の確保、双方をクリアしたそうです。
スピードだけでなく、よく考えられたプラン、丁寧な仕事ぶりが光る「多能工」種田さん。
都内でリフォームをお考えの方は、一度ご相談されてみてはいかがでしょうか?