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今回取材した現場は京都市中京区に位置する、細部にまで強いこだわりが込められたゲストハウスの内装工事でした。
手掛けるのは、大阪府豊中市を拠点に活躍するインテリア中村の中村隆太朗さん。
足を踏み入れた瞬間に感じる、凛とした和の空気感。人と人、空間と素材が自然につながるような、完成度の高い内装が印象的です。
その空間づくりの中核を担っていたのが、砂壁のような質感を持つ特殊なクロス、そして本物の和紙を用いた壁の施工でした。
いずれも、一般的なクロス施工とは一線を画す、極めて繊細な技術を必要とする素材です。
特に今回使用されたクロスは、通常の糊付け機が使用できないため、すべて手作業で糊を塗る方法が採用されました。
機械による均一な施工ができない分、職人の経験値と感覚が仕上がりを大きく左右します。
今回取材した現場は京都市中京区に位置する、細部にまで強いこだわりが込められたゲストハウスの内装工事でした。
手掛けるのは、大阪府豊中市を拠点に活躍するインテリア中村の中村隆太朗さん。
足を踏み入れた瞬間に感じる、凛とした和の空気感。人と人、空間と素材が自然につながるような、完成度の高い内装が印象的です。
その空間づくりの中核を担っていたのが、砂壁のような質感を持つ特殊なクロス、そして本物の和紙を用いた壁の施工でした。
いずれも、一般的なクロス施工とは一線を画す、極めて繊細な技術を必要とする素材です。
特に今回使用されたクロスは、通常の糊付け機が使用できないため、すべて手作業で糊を塗る方法が採用されました。
機械による均一な施工ができない分、職人の経験値と感覚が仕上がりを大きく左右します。
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通常のクロスは専用の糊付け機械を使って糊を付けていきますが、今回は手作業で糊を塗布していく中村さん。
手塗りによる糊付けは、単純に工程が増えるという話ではありません。
糊をつけすぎれば素材は破れ、少なすぎれば浮きや剥がれの原因になります。
その「ちょうどいい加減」は数値やマニュアルでは示せず、これまでの経験と手の感覚に委ねられる部分がほとんどです。
さらに、和紙そのものを貼る施工となると難易度は一段階上がります。
和紙は湿度や気温の影響を非常に受けやすく、施工中にも伸縮が起こります。
紙の動きを読みながら、壁の状態と合わせ、まるで素材と呼吸を合わせるような感覚が求められます。
このような施工は、敬遠する職人も少なくありません。
実際、「和紙貼りの施工は中村さんにしか頼めない」と言われて相談が入ることもあるそうです。
通常のクロスは専用の糊付け機械を使って糊を付けていきますが、今回は手作業で糊を塗布していく中村さん。
手塗りによる糊付けは、単純に工程が増えるという話ではありません。
糊をつけすぎれば素材は破れ、少なすぎれば浮きや剥がれの原因になります。
その「ちょうどいい加減」は数値やマニュアルでは示せず、これまでの経験と手の感覚に委ねられる部分がほとんどです。
さらに、和紙そのものを貼る施工となると難易度は一段階上がります。
和紙は湿度や気温の影響を非常に受けやすく、施工中にも伸縮が起こります。
紙の動きを読みながら、壁の状態と合わせ、まるで素材と呼吸を合わせるような感覚が求められます。
このような施工は、敬遠する職人も少なくありません。
実際、「和紙貼りの施工は中村さんにしか頼めない」と言われて相談が入ることもあるそうです。
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糊の乾きが早すぎても遅すぎても仕上がりに影響が出るため、施工のタイミングや糊の状態、室内環境の見極めが重要になります。
中村さんは、そうした不安定な条件下でも、冷静に状況を判断しながら作業を進めていました。
ご本人はこの難しさを「大変だけど、だからこそ面白い」と表現します。
簡単にいかない仕事だからこそ、技術を注ぎ込む価値がある。
その言葉通り、仕上がった壁面は、素材の持つ風合いを最大限に引き出し、空間全体の完成度を一段引き上げていました。
糊の乾きが早すぎても遅すぎても仕上がりに影響が出るため、施工のタイミングや糊の状態、室内環境の見極めが重要になります。
中村さんは、そうした不安定な条件下でも、冷静に状況を判断しながら作業を進めていました。
ご本人はこの難しさを「大変だけど、だからこそ面白い」と表現します。
簡単にいかない仕事だからこそ、技術を注ぎ込む価値がある。
その言葉通り、仕上がった壁面は、素材の持つ風合いを最大限に引き出し、空間全体の完成度を一段引き上げていました。
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今回のゲストハウスは、オーナー自身が細部までデザインを手がけた空間でした。
漆喰のように見えるクロス、本物の和紙を使った壁など、素材選びから配置に至るまで、強い意図が込められています。
施工者として求められるのは、ただ正確に貼ることではありません。
その空間が持つコンセプトや空気感を理解し、壊さないこと。
むしろ、素材と施工によって、意図をより際立たせることです。
中村さんは、作業中も常に「この空間にとって最善かどうか」を意識していたそうです。
一枚一枚の仕上がりが、全体の印象を左右することを理解したうえで、慎重に、そして丁寧に施工を進めていました。
今回のゲストハウスは、オーナー自身が細部までデザインを手がけた空間でした。
漆喰のように見えるクロス、本物の和紙を使った壁など、素材選びから配置に至るまで、強い意図が込められています。
施工者として求められるのは、ただ正確に貼ることではありません。
その空間が持つコンセプトや空気感を理解し、壊さないこと。
むしろ、素材と施工によって、意図をより際立たせることです。
中村さんは、作業中も常に「この空間にとって最善かどうか」を意識していたそうです。
一枚一枚の仕上がりが、全体の印象を左右することを理解したうえで、慎重に、そして丁寧に施工を進めていました。
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作業中は集中力の高さが際立つ中村さんですが、写真撮影の際には少し照れた表情を見せる一面もありました。
しかし、ひとたび話し始めると、その印象は大きく変わります。
中村さんは初対面でも自然と距離を縮めるコミュニケーション力は非常に高く、現場の空気を和らげる存在です。
オーナーや他職種の職人とのやり取りもスムーズで、自然と場を和ませる不思議な魅力にあふれた職人さんです。
職人の世界では、技術だけでなく、現場での人間関係も仕事の質に直結します。
中村さんの人柄は、そうした意味でも現場全体に良い影響を与えていると感じました。
作業中は集中力の高さが際立つ中村さんですが、写真撮影の際には少し照れた表情を見せる一面もありました。
しかし、ひとたび話し始めると、その印象は大きく変わります。
中村さんは初対面でも自然と距離を縮めるコミュニケーション力は非常に高く、現場の空気を和らげる存在です。
オーナーや他職種の職人とのやり取りもスムーズで、自然と場を和ませる不思議な魅力にあふれた職人さんです。
職人の世界では、技術だけでなく、現場での人間関係も仕事の質に直結します。
中村さんの人柄は、そうした意味でも現場全体に良い影響を与えていると感じました。
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プライベートでは古い車が好きで、ヴィンテージのランドクルーザーに乗っている中村さん。
街中で声をかけられることもあるそうで、そのセンスは日常の選択にも表れています。
身につけている服装にも独特の美意識が感じられ、職人として培ってきた感性が、暮らしの中にも自然と滲み出ている印象でした。
仕事と生活が分断されておらず、一本の線でつながっている。
そんな在り方が、中村さんらしさなのかもしれません。
プライベートでは古い車が好きで、ヴィンテージのランドクルーザーに乗っている中村さん。
街中で声をかけられることもあるそうで、そのセンスは日常の選択にも表れています。
身につけている服装にも独特の美意識が感じられ、職人として培ってきた感性が、暮らしの中にも自然と滲み出ている印象でした。
仕事と生活が分断されておらず、一本の線でつながっている。
そんな在り方が、中村さんらしさなのかもしれません。
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中村さんの強みは、和紙施工のような伝統的で難易度の高い仕事だけにとどまりません。
ダイノックシートの施工にも対応でき、和の空間から現代的な内装まで幅広く手がけています。
素材やデザインの方向性が異なっても、それぞれに適した施工方法を選び、仕上げる柔軟さ。
この幅の広さが、さまざまな現場から声がかかる理由のひとつなのでしょう。
中村さんの強みは、和紙施工のような伝統的で難易度の高い仕事だけにとどまりません。
ダイノックシートの施工にも対応でき、和の空間から現代的な内装まで幅広く手がけています。
素材やデザインの方向性が異なっても、それぞれに適した施工方法を選び、仕上げる柔軟さ。
この幅の広さが、さまざまな現場から声がかかる理由のひとつなのでしょう。
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これまでの人生を振り返ると、中村さんは「いろいろなことに興味を持ちやすく、長続きしないと感じる場面も多かった」と語ります。
「もっと面白いことがある気がしてしまう」と、三日で辞めたいと思ったことも一度や二度ではなかったそうです。
それでも、この仕事だけは長年続きました。
その背景には、修行時代の親方の存在があります。
親方は中村さんの仕事ぶりをよく観察し、メモを取りながら、
「真面目で、必ずできるようになる」「できるぞ」と声をかけ続けてくれたそうです。
その言葉が支えとなり、修行を終えるときには、良い関係のまま卒業することができました。
これまでの人生を振り返ると、中村さんは「いろいろなことに興味を持ちやすく、長続きしないと感じる場面も多かった」と語ります。
「もっと面白いことがある気がしてしまう」と、三日で辞めたいと思ったことも一度や二度ではなかったそうです。
それでも、この仕事だけは長年続きました。
その背景には、修行時代の親方の存在があります。
親方は中村さんの仕事ぶりをよく観察し、メモを取りながら、
「真面目で、必ずできるようになる」「できるぞ」と声をかけ続けてくれたそうです。
その言葉が支えとなり、修行を終えるときには、良い関係のまま卒業することができました。
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和紙を貼るという行為は、単なる作業ではありません。
素材への深い理解と、自分自身の技術への厳しさが求められます。
少しの油断が仕上がりに影響する緊張感の中で、判断を重ねていく。
そのプロセスそのものに、職人としてのやりがいがあると中村さんは感じています。
「良いものを、正直につくりたい」
その姿勢が、仕事の随所に表れていました。
和紙を貼るという行為は、単なる作業ではありません。
素材への深い理解と、自分自身の技術への厳しさが求められます。
少しの油断が仕上がりに影響する緊張感の中で、判断を重ねていく。
そのプロセスそのものに、職人としてのやりがいがあると中村さんは感じています。
「良いものを、正直につくりたい」
その姿勢が、仕事の随所に表れていました。
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現在は関西を中心に活動していますが、今後は関東でも仕事をしていきたいと語る中村さん。
すでに周囲には多くの需要が集まりつつあります。
将来的には、クロス職人という枠を超え、異なる職種との掛け合わせによる空間づくりにも関心を持っています。
自分自身をどう売り出していくのか、その問いに真剣に向き合いながらも、根底にあるのは変わらない職人としての姿勢です。
和紙施工という難易度の高い工事などでも、確かな信頼を積み重ねてきたクロス職人・中村さん。
空間を大切にし、素材に向き合い、人との関係も丁寧に築いてまいりました。
「ちょっと家を面白くしたい」
そんな思いを持つ方に、静かにおすすめしたくなる職人さんでした。
撮影・記事=&mederu (ayanon)
現在は関西を中心に活動していますが、今後は関東でも仕事をしていきたいと語る中村さん。
すでに周囲には多くの需要が集まりつつあります。
将来的には、クロス職人という枠を超え、異なる職種との掛け合わせによる空間づくりにも関心を持っています。
自分自身をどう売り出していくのか、その問いに真剣に向き合いながらも、根底にあるのは変わらない職人としての姿勢です。
和紙施工という難易度の高い工事などでも、確かな信頼を積み重ねてきたクロス職人・中村さん。
空間を大切にし、素材に向き合い、人との関係も丁寧に築いてまいりました。
「ちょっと家を面白くしたい」
そんな思いを持つ方に、静かにおすすめしたくなる職人さんでした。
撮影・記事=&mederu (ayanon)