大阪府箕面市　　髪を創る、人を創る、小さな美容室。「Hair　Mukuna」　店舗新装工事

大阪府豊中市の腕利きの大工 市橋さんから
『 箕面市で美容室の新装工事してるよ 』 とご連絡頂き
生まれ変わる前のビフォー写真を撮るため早速 伺って来ました。

到着すると市橋さんが一人黙々と作業をされていて
取材は約一年半ぶり。

それほど時間が経ったことを感じなかったのは
市橋さんの気さくな人柄があってのことで

ええ職人.comに登録してから
反響も着実に出て指名が増えていた市橋さんが
新たな発信ができる現場として今回、店舗工事を選ばれました。

お店のオーナーさんとの打ち合わせを通じ
CADを使ってデザインや図面を作り
ご要望に沿って細かな手直しをするなど

おじいちゃんが宮大工、お父さんも大工さんで
そのDNAを受け継ぐようにこの世界に入って来られた市橋さんですが

仕事が終わってからも参考書などで勉強するといった
その弛まぬ努力の積み重ねが今の市橋さんを形作り

『 家に帰ってビール飲んで何事もなく寝れる職人はダメ。
仕事のことが頭から離れず、不安と迷いでずっと考え続けようとする
向上意欲を持つことが職人として本来あるべき姿 』

その話を聴いたときは自分のことのように重なり
働く世界は違くとも意識は同じだと凄く共感しました。

デザイン照明のために
溝切専用の工具で細かく削られた床。 （※ 上画像）

昔は溝の幅に合わせて刃を変えなくてはいけなかったモノが
今は１つの刃で角度調整できる工具があって便利になり

その床にはパーティクルボードが張られ、足の高さを調節して
ボンドでガチガチに固めてあります。 （※ 下画像）

パーティクルボードは遮音性や断熱性が高い反面
水に弱く、強度も他の木材に比べて弱いため
更に上にボードを重ね合わせその不安を軽減されました。

そしてここはマンションの中二階とあって
上は住居スペースとなるため

配管がそのままでは見た目もそうですし
何より、排水が流れた時の音もお店にとっては
マイナスイメージになりかねないことから

このように黒色の防音用のテープを施し

見た目だけでなく
音もできるだけ抑えられるようにされました。

オープンから数日後・・・

完成写真を撮らせていただくため
お客さんのいないタイミングにお願いをして三度伺いました。

真新しい看板も取り付けられていて
お店の名前は 『 Hair Mukuna （ヘアームクナ） 』 さんです。

美容室の一番奥に位置する専用の個室。

こちらは壁のアクセントクロスだけでなく
床も柄を変えるなど独立した１つの空間のようにされ

とても落ち着いた雰囲気の中
リラックスした状態で林さんの奥さんによる
天然素材を使用したヘナを受けることができます。

更にこちらのカウンターも板を一枚一枚張り付け
色味も変えるなど細部にまで徹底したこだわりで

美容室という雰囲気を最大限に魅せるための創意工夫に
店主の林さんも大変感動されてました。

造り手、使い手
お互いの顔がしっかりと見えるお店作りだからこそ
人の温もりや気持ちが感じられます。

兵庫県や豊中で美容師としてのキャリアを十数年積み上げ
独立して初めて自分のお店を持つという
そんな林さんの新たな門出を

毎日 朝から夕方まで
最初から最後まで考えに考え抜いて
やっとの想いで造り上げた市橋さん。

確かな技術と経験、そして良いモノを造りたいという
気持ちで生み出した市橋さんの働く姿を
誰よりも見てきたのは他ならぬ林さんで

その数々の光景はこれからもお店の発展と共に
強く鮮明に残っていくはずです。