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『 休憩の合間に作りました 』
車のダッシュボードにいつも飾られているという鶴。
今回ご紹介するのは折り紙職人さんではなく
屋根のことならどんなこともお任せの板金屋さん。
『 板金屋さんがなぜ鶴を? 』 と疑問をお持ちの方・・・
実はこれ、折り紙ではなく
板金の材料を使って折られた鶴なんです。
手のひらサイズの小さな鶴ですが
『 ササッと折ったから
時間をかければもっとキッチリできます 』
そう話す器用さがウリの職人さんがこちら・・・
『 休憩の合間に作りました 』
車のダッシュボードにいつも飾られているという鶴。
今回ご紹介するのは折り紙職人さんではなく
屋根のことならどんなこともお任せの板金屋さん。
『 板金屋さんがなぜ鶴を? 』 と疑問をお持ちの方・・・
実はこれ、折り紙ではなく
板金の材料を使って折られた鶴なんです。
手のひらサイズの小さな鶴ですが
『 ササッと折ったから
時間をかければもっとキッチリできます 』
そう話す器用さがウリの職人さんがこちら・・・
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髙板(たかばん)工業代表であり
太陽のように明るい笑顔が印象的な屋根職人でもある髙向さん。
知人に誘われ15歳からこの世界に入り29歳で独立。
はじめは板金屋と言われてもピンと来なくて
まさか屋根屋さんとは思ってなかったそうですが
初めて現場で屋根に上がったときは高さへの恐怖心はなく
『 景色がキレイでとても気持ち良かったです 』 と
30代ながらこの道を歩み続けて20年になる職人さんです。
髙板(たかばん)工業代表であり
太陽のように明るい笑顔が印象的な屋根職人でもある髙向さん。
知人に誘われ15歳からこの世界に入り29歳で独立。
はじめは板金屋と言われてもピンと来なくて
まさか屋根屋さんとは思ってなかったそうですが
初めて現場で屋根に上がったときは高さへの恐怖心はなく
『 景色がキレイでとても気持ち良かったです 』 と
30代ながらこの道を歩み続けて20年になる職人さんです。
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現場は京都市左京区にある
築25年、70平米の二階建てのお家で
元々はカラーベストの屋根だったそうですが
経年劣化によって二階にある3つの部屋の天窓
すべてから雨漏りしていたということで
今回は既存の屋根材(カラーベスト)を剥がさずに
横暖ルーフという断熱材入りの金属屋根を
そのまま上から重ね張りするというカバー工法で行われます。
カバー工法は葺き替えに比べ
工期短縮や施工費用が抑えられるとあって
需要が高まっている施工方法ですが
瓦屋根や下地の状態によっては重ね張りができないため
どんな屋根でもできる訳ではありません。
現場は京都市左京区にある
築25年、70平米の二階建てのお家で
元々はカラーベストの屋根だったそうですが
経年劣化によって二階にある3つの部屋の天窓
すべてから雨漏りしていたということで
今回は既存の屋根材(カラーベスト)を剥がさずに
横暖ルーフという断熱材入りの金属屋根を
そのまま上から重ね張りするというカバー工法で行われます。
カバー工法は葺き替えに比べ
工期短縮や施工費用が抑えられるとあって
需要が高まっている施工方法ですが
瓦屋根や下地の状態によっては重ね張りができないため
どんな屋根でもできる訳ではありません。
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屋根に上がってみるとより分かるかと思いますが
元々あるカラーベストの上にルーフィング(防水シート)を敷き
その上に横暖ルーフを張るというのがカバー工法になります。
厚みが出る分、断熱性や遮音性、防水性は高まりますが
先ほど話したように
下地の状態が悪ければいくら上に良い材料を重ね張りしても
強度が弱く台風などで屋根が飛んでしまう可能性も高まりますので
既存の屋根の状態がどれくらいか?というのが重要です。
工事3日目ということで屋根の平面部の半分は
すでに横暖ルーフの重ね葺きが完了していて
これから残りの半面を張っていきます。
屋根に上がってみるとより分かるかと思いますが
元々あるカラーベストの上にルーフィング(防水シート)を敷き
その上に横暖ルーフを張るというのがカバー工法になります。
厚みが出る分、断熱性や遮音性、防水性は高まりますが
先ほど話したように
下地の状態が悪ければいくら上に良い材料を重ね張りしても
強度が弱く台風などで屋根が飛んでしまう可能性も高まりますので
既存の屋根の状態がどれくらいか?というのが重要です。
工事3日目ということで屋根の平面部の半分は
すでに横暖ルーフの重ね葺きが完了していて
これから残りの半面を張っていきます。
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上がって驚いたのは僕自身、これまでの取材では
経験したことがないほど屋根の傾斜が急だったため
平面部にまで足場が組まれていて
実際に屋根の天辺(棟)まで上がるには
足場がないと踏ん張りがきかないため
ただ上り下りするだけでも大変な中
作業するのはいつも以上に負担が大きいように感じます。
更に隣接する家との関係で荷物を上げ下げする
電動式の梯子を設置することができなかったことで
道具や材料はすべて
高向さんとスタッフの垣嵜(かきざき)さん二人で
渡し合いながら持って上がったそうです。
上がって驚いたのは僕自身、これまでの取材では
経験したことがないほど屋根の傾斜が急だったため
平面部にまで足場が組まれていて
実際に屋根の天辺(棟)まで上がるには
足場がないと踏ん張りがきかないため
ただ上り下りするだけでも大変な中
作業するのはいつも以上に負担が大きいように感じます。
更に隣接する家との関係で荷物を上げ下げする
電動式の梯子を設置することができなかったことで
道具や材料はすべて
高向さんとスタッフの垣嵜(かきざき)さん二人で
渡し合いながら持って上がったそうです。
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5年やって仕事全体の流れが掴め
10年でようやく自信がついてきたという髙向さん。
家の数だけ屋根はあっても
大きさや形など、同じ屋根は1つとして存在しないため
この仕事は対応力が求められるそうで
現場ではいつも頭と体をフル回転させて作業に臨み続け
お客さんから 『 ありがとう、キレイになった 』
『 雨漏りがなくなった 』 という言葉を直接頂くことが
明日への原動力となって
20年経った今でも新たな発見があるそうです。
5年やって仕事全体の流れが掴め
10年でようやく自信がついてきたという髙向さん。
家の数だけ屋根はあっても
大きさや形など、同じ屋根は1つとして存在しないため
この仕事は対応力が求められるそうで
現場ではいつも頭と体をフル回転させて作業に臨み続け
お客さんから 『 ありがとう、キレイになった 』
『 雨漏りがなくなった 』 という言葉を直接頂くことが
明日への原動力となって
20年経った今でも新たな発見があるそうです。
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『 一般の人が分かるようなこだわりを
上手く言葉にするのは難しいですね・・・ 』 という程
髙向さんから紡ぎ出される技の中には様々な工夫があります。
僕自身、現場に置いてあったビスを見て
その種類の多さに驚きました。
中には水漏れ防止用のゴムパッキンが施されたモノもあって
これだけのビスを適材適所で使い分けているそうで
特にカバー工法のときは、新築とは違い下地が弱ってるため
いつもよりビスを多めに使って
しっかりと固定するようにしているそうです。
『 一般の人が分かるようなこだわりを
上手く言葉にするのは難しいですね・・・ 』 という程
髙向さんから紡ぎ出される技の中には様々な工夫があります。
僕自身、現場に置いてあったビスを見て
その種類の多さに驚きました。
中には水漏れ防止用のゴムパッキンが施されたモノもあって
これだけのビスを適材適所で使い分けているそうで
特にカバー工法のときは、新築とは違い下地が弱ってるため
いつもよりビスを多めに使って
しっかりと固定するようにしているそうです。
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雨漏りは基本的に平面部からではなく
痛んだ屋根材と屋根材の
僅かな隙間を伝って少しずつ家に侵入してくることが多いため
髙向さんはその雨の流れを読んで、それをいかに上手く
雨樋や地面に流していくかが大切だと仰っており
そういった雨仕舞は職人さんによってやり方も違うそうで
この時も横暖ルーフを微妙な力加減で折り曲げたり
僅かに切れ込みを入れるなどされていましたが
これは高向さんレベルの職人さんにしか分からない
数多くの現場で培った経験に裏打ちされたプロの技です。
雨漏りは基本的に平面部からではなく
痛んだ屋根材と屋根材の
僅かな隙間を伝って少しずつ家に侵入してくることが多いため
髙向さんはその雨の流れを読んで、それをいかに上手く
雨樋や地面に流していくかが大切だと仰っており
そういった雨仕舞は職人さんによってやり方も違うそうで
この時も横暖ルーフを微妙な力加減で折り曲げたり
僅かに切れ込みを入れるなどされていましたが
これは高向さんレベルの職人さんにしか分からない
数多くの現場で培った経験に裏打ちされたプロの技です。
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高向さんはどんな屋根でも対応できる職人になりたいと
修業時代、いくつか渡り歩きながら
一般家屋から町家など、様々な屋根を施工していく中で
時には現場のゴミ袋から端材を見つけて試行錯誤しながら
技術と経験を積み重ねてこられましたが
未熟な職人さんが
材料の性質すらよく知らず施工している現実もあるそうで
そんな話を聴くと
垣嵜さんのように髙向さんの下で一人でも多くの職人さんが育ち
高齢化と言われる建築業界を若い力で支えてほしいと思います。
高向さんはどんな屋根でも対応できる職人になりたいと
修業時代、いくつか渡り歩きながら
一般家屋から町家など、様々な屋根を施工していく中で
時には現場のゴミ袋から端材を見つけて試行錯誤しながら
技術と経験を積み重ねてこられましたが
未熟な職人さんが
材料の性質すらよく知らず施工している現実もあるそうで
そんな話を聴くと
垣嵜さんのように髙向さんの下で一人でも多くの職人さんが育ち
高齢化と言われる建築業界を若い力で支えてほしいと思います。
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翌日は最後の仕上げとなる棟の作業です。
この日は朝から雲が多く
天気予報ではお昼過ぎから雨模様となってましたが
髙向さんは前日までに平面部分を終わらせ
今日の午前中には棟をやって完成すると想定されていた為
作業は問題なく順調に進んでいきました。
京都市の北部ということで雪止めも並行して取付され
あとから付けることも可能だそうですが
後の費用を考えるといっしょにした方が良いとのことです。
翌日は最後の仕上げとなる棟の作業です。
この日は朝から雲が多く
天気予報ではお昼過ぎから雨模様となってましたが
髙向さんは前日までに平面部分を終わらせ
今日の午前中には棟をやって完成すると想定されていた為
作業は問題なく順調に進んでいきました。
京都市の北部ということで雪止めも並行して取付され
あとから付けることも可能だそうですが
後の費用を考えるといっしょにした方が良いとのことです。
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すべてが終わると高向さんたちは
雑巾を使って屋根を丁寧に拭いておられましたが
決してこれが屋根屋さんの当たり前ではなく
『 見えないからこそ仕事も掃除もキッチリやる 』 という
数多くの現場の中で見つけた高向さんの1つの答えであり
自分の携わった仕事を最初から最後まで
気持ちを込めて取り組むことで
お客さんにも自信を持って対応できるようになったそうで
職業は違えど僕自身、この姿勢にはとても共感しました。
すべてが終わると高向さんたちは
雑巾を使って屋根を丁寧に拭いておられましたが
決してこれが屋根屋さんの当たり前ではなく
『 見えないからこそ仕事も掃除もキッチリやる 』 という
数多くの現場の中で見つけた高向さんの1つの答えであり
自分の携わった仕事を最初から最後まで
気持ちを込めて取り組むことで
お客さんにも自信を持って対応できるようになったそうで
職業は違えど僕自身、この姿勢にはとても共感しました。
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施工期間は屋根で4日、雨樋で1日
せっかく足場もあるからとこの後 外壁塗装もされるということで
髙向さんは単なる屋根屋さんではなく
外壁塗装も含め家の外回りをトータルでサポートできる
そんな万全の体制を整えてらっしゃいます。
今回使用された横暖ルーフという金属屋根は
穴あき25年、塗膜15年、赤錆20年保証で
ただ良いモノを使えば良い仕上がりになるのではなく
材料をよく知り、屋根をよく知り
雨の流れをよく知る職人さんが手掛けることで初めて
その物の本来の効果が最大限に発揮されるんです。
取材撮影&文 :
とくおか じゅん
施工期間は屋根で4日、雨樋で1日
せっかく足場もあるからとこの後 外壁塗装もされるということで
髙向さんは単なる屋根屋さんではなく
外壁塗装も含め家の外回りをトータルでサポートできる
そんな万全の体制を整えてらっしゃいます。
今回使用された横暖ルーフという金属屋根は
穴あき25年、塗膜15年、赤錆20年保証で
ただ良いモノを使えば良い仕上がりになるのではなく
材料をよく知り、屋根をよく知り
雨の流れをよく知る職人さんが手掛けることで初めて
その物の本来の効果が最大限に発揮されるんです。
取材撮影&文 :
とくおか じゅん