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昨年の台風によって剥がれ破損してしまった瓦。
こちらは京都市下京区にあります 半世紀以上にもなる日本家屋に住む方のお家の屋根で 工事を京都市山科区を拠点に活動している RooF・鎌田さんにご依頼され、取材のため伺いました。
二階屋根部分の葺き替え工事とあって 約6日間の工程になるそうです。
葺き替えでまず大変なのが 古い瓦を一枚一枚撤去し、下地を張り直して 新しい瓦を葺き替えできる状態にすることです。 |
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こちらがRooF・鎌田代表の瓦職人 鎌田さんです。
取材に伺ったのが作業を始めて5日目になり 古い瓦屋根はすでに撤去され 全体の三分の一ほどに新しい瓦が葺き替えされている状態で ごあいさつをし、少し作業の様子を見学させて頂きました。
鎌田さんは20歳の頃にこの世界に入ってこられ キャリアはすでに40年という
これまで一般住宅だけでなく社寺など 若いころは他府県でも仕事をされてきて 技術だけでなく、経験も申し分のない実績をお持ちで
瓦工事のスペシャリストと言っても過言ではありません。 |
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こちらで作業されているのは山下さんです。
山下さんも20年以上のキャリアをお持ちで 少しシャイな方ですが 撮影のことをお話しすると快く了承してくださいました。
ごらんの通り、今回の葺き替え工事は 引掛け桟瓦葺き工法という、桟木を下地に打ち付け そこに瓦を引っ掛けて釘で固定する方法で
近年はこちらの工法が主流になっているそうで 土を使わない分、屋根にかかる重量も軽減できます。 |
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主に新しい瓦の運搬や 作業前の下準備や段取りをされているのが早田さんです。
鎌田さんとの付き合いはまだ数年ほどらしいですが 別の現場で顔を合わせ意気投合し それからはいっしょに仕事をされることが多くなって 今では鎌田さんの施工に欠かすことのできない人です。
今回は淡路瓦という 関西では広く使用されているスタンダードな瓦で 防火・防水性が高く、カラーベストに比べても 安定感や耐久性に優れている点が挙げられます。 |
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先ほど、今回の葺き替え工事は桟掛けと言いましたが 屋根と屋根の繋ぎ目となる隅棟だけは土を使います。
先ほど、早田さんが下準備した箇所を 鎌田さんが仕上げていきます。
隅棟は屋根の魅せ場のひとつでもあることから 特に慎重かつ丁寧に サンダーで瓦を削っては合わせて調整し 作業を進めていかれてました。
鎌田さん曰く、屋根のラインが真っ直ぐに キレイに仕上がっているかで 職人の良し悪しが分かるそうです。 |
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鎌田さんはお父さんも瓦職人だったこともあって 学生時代からお手伝いを通して職人になることを感じ 厳しい修業時代にもやめようと思ったことがなく 独立してからもこの道一筋で歩んでこられました。
常に屋根の上という危険な現場でも 臆病な性格だからこそ いつも慎重に作業をするようになってますと
日々の作業もいつまでもダラダラとやらず 時間をキッチリ決めてキリの良いところで終わることが 良い仕事を継続するポイントだそうです。 |
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翌日完成した葺き替え工事の画像を 鎌田さんに送って頂きました。
こちらのお客さんは 元々、別の工務店に相談されていたそうですが 無理のない予算や鎌田さんの人柄を見てご依頼されました。
一般の方々にとっては 建築業界の予算は不透明な部分が多いです。
だからこそ、安易に決めるのではなく 自ら探し、見つけ、職人さんに直接相談するという 選択肢もあるということを知っておいてください。 |
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鎌田さんは大人数でやれば 効率の良い仕事ができるとは思ってないそうで
少人数であっても、気心の知れた仲間と 上手くコミュニケーションを取りながら 互いを尊重し合って作業をすることが大事と
その言葉の先に お客様の喜びにも繋がっているんだなぁと 僅かな時間の中で RooF・鎌田のチームワークの良さを垣間見ることができました。
取材撮影&文 : とくおか じゅん |
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