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神奈川県海老名市の「大工の北さん」こと北澤久之(きたざわ・ひさゆき)さん。
大工修行をはじめたのは15歳のとき。
45年のキャリアをもつ、生粋の大工さんです。
近年は、プレカットされた材木を組み立てることしかできない大工さんも多いですが、北澤さんは違います。
施主の希望に合わせて設計をし、自身の工場で材を刻み、自分で建てる……一軒丸ごと建てられることのできる、本物の大工さんなのです。
リフォーム工事では現場で材を刻まなければならないことがよくあります。
そんなときに絶対に必要なのが、ノミやカンナといった手道具や墨壺。
よく手入れされた道具を見れば、その大工さんの腕が分かります。
神奈川県海老名市の「大工の北さん」こと北澤久之(きたざわ・ひさゆき)さん。
大工修行をはじめたのは15歳のとき。
45年のキャリアをもつ、生粋の大工さんです。
近年は、プレカットされた材木を組み立てることしかできない大工さんも多いですが、北澤さんは違います。
施主の希望に合わせて設計をし、自身の工場で材を刻み、自分で建てる……一軒丸ごと建てられることのできる、本物の大工さんなのです。
リフォーム工事では現場で材を刻まなければならないことがよくあります。
そんなときに絶対に必要なのが、ノミやカンナといった手道具や墨壺。
よく手入れされた道具を見れば、その大工さんの腕が分かります。
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今回、お邪魔した現場は神奈川県綾瀬市のMさん宅。
母屋とは別の建物をフルリフォームする工事です。
建物の外部には足場が建てられ、すでに作業がかなり進んだ状態。
中に入ると、間仕切り壁の柱や梁が設置されています。
作業開始から1カ月半くらいで、ここまで進んだそうです。
北澤さんによると、残る作業はそれほどなく、外壁・内壁、ガス・水道・電気などの工事が中心になるんだとか。
大工仕事以外については、北澤さんと長いつきあいのある職人さんが行なうそうです。
信頼できる職人さんがまわりにいることも、北澤さんの自慢のひとつです。
今回、お邪魔した現場は神奈川県綾瀬市のMさん宅。
母屋とは別の建物をフルリフォームする工事です。
建物の外部には足場が建てられ、すでに作業がかなり進んだ状態。
中に入ると、間仕切り壁の柱や梁が設置されています。
作業開始から1カ月半くらいで、ここまで進んだそうです。
北澤さんによると、残る作業はそれほどなく、外壁・内壁、ガス・水道・電気などの工事が中心になるんだとか。
大工仕事以外については、北澤さんと長いつきあいのある職人さんが行なうそうです。
信頼できる職人さんがまわりにいることも、北澤さんの自慢のひとつです。
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北澤さんからお借りした写真で、作業開始からの様子をお見せしましょう。
もとの建物は築50年以上、20坪ほどの平屋。
最初の作業は解体です。
解体作業も北澤さんが行なったとのこと。
屋根や壁はすべて壊し、柱や梁は、使えるものだけ残します。
北澤さんによると、築年数が経っているため、残せる柱・梁は少なかったそうです。
解体が終わったら、元からあるものをできるだけ活かせるように設計。
完全に壊して新築したほうが早いくらいですが、施主の希望でリフォームで対応することになったとのことです。
北澤さんからお借りした写真で、作業開始からの様子をお見せしましょう。
もとの建物は築50年以上、20坪ほどの平屋。
最初の作業は解体です。
解体作業も北澤さんが行なったとのこと。
屋根や壁はすべて壊し、柱や梁は、使えるものだけ残します。
北澤さんによると、築年数が経っているため、残せる柱・梁は少なかったそうです。
解体が終わったら、元からあるものをできるだけ活かせるように設計。
完全に壊して新築したほうが早いくらいですが、施主の希望でリフォームで対応することになったとのことです。
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工場で材を刻み、現場に運んで設置します。
元からある柱を活かすため、制約が多くなってしまうのがリフォームの難しさ。
数多くの新築・リフォーム工事を経験してきた北澤さんの、腕の見せどころです。
新たに基礎を作らなければならないところもあったそうです。
加えて、劣化している場所については、両側にコンクリートを打って補強したとのこと。
特に築年数が経っている建物のリフォームでは、十分な強度を確保する工事も行なわなければなりません。
北澤さんは自らの経験に基づいて、必要な補強工事を施主に提案し、実施しています。
工場で材を刻み、現場に運んで設置します。
元からある柱を活かすため、制約が多くなってしまうのがリフォームの難しさ。
数多くの新築・リフォーム工事を経験してきた北澤さんの、腕の見せどころです。
新たに基礎を作らなければならないところもあったそうです。
加えて、劣化している場所については、両側にコンクリートを打って補強したとのこと。
特に築年数が経っている建物のリフォームでは、十分な強度を確保する工事も行なわなければなりません。
北澤さんは自らの経験に基づいて、必要な補強工事を施主に提案し、実施しています。
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こちらは、基礎や柱、梁、屋根といった、建物の構造部分がほぼ出来上がった状態の写真です。
元からあった柱や梁は材の色で見分けられますが、それに気づかなければ新築の現場と言われても納得してしまうでしょう。
床下の地面にはコンクリートが打たれていますが、これは防湿のためだそうです。
解体からスタートして、基礎、柱・梁、そして屋根工事まで。
一から家を建てられるベテランの大工さんだからこそ、ここまでのフルリフォームに対応できるというワケですね!
こちらは、基礎や柱、梁、屋根といった、建物の構造部分がほぼ出来上がった状態の写真です。
元からあった柱や梁は材の色で見分けられますが、それに気づかなければ新築の現場と言われても納得してしまうでしょう。
床下の地面にはコンクリートが打たれていますが、これは防湿のためだそうです。
解体からスタートして、基礎、柱・梁、そして屋根工事まで。
一から家を建てられるベテランの大工さんだからこそ、ここまでのフルリフォームに対応できるというワケですね!
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お伺いした現場に話を戻しましょう。
改めて柱や梁を見ると、元の部材に必要な補強が施されていることに気づきます。
北澤さんによると、ホゾ加工による木組みと、羽子板やアンカーボルトなどの建築金物を組み合わせ、強度を確保しているとのこと。
筋交い(柱と柱の間に斜めに入れる補強材)も多めに入れてあるそうです。
長く安心して住める家にするためには、構造が大切。
ベテラン大工の北澤さんは、そのことをよく理解しているのです。
お伺いした現場に話を戻しましょう。
改めて柱や梁を見ると、元の部材に必要な補強が施されていることに気づきます。
北澤さんによると、ホゾ加工による木組みと、羽子板やアンカーボルトなどの建築金物を組み合わせ、強度を確保しているとのこと。
筋交い(柱と柱の間に斜めに入れる補強材)も多めに入れてあるそうです。
長く安心して住める家にするためには、構造が大切。
ベテラン大工の北澤さんは、そのことをよく理解しているのです。
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こちらは大引の上に根太が設置された、床板を貼る前の状態です。
床下を覗いてみると、大引の下に元からあった基礎が見えました。
建物の外周にあたる基礎は、内外両側から鉄筋とコンクリートで補強され、束や柱をしっかり支えています。
補強して幅が広くなることで、のちに設置する外壁材の収まりもよくなります。
こちらは大引の上に根太が設置された、床板を貼る前の状態です。
床下を覗いてみると、大引の下に元からあった基礎が見えました。
建物の外周にあたる基礎は、内外両側から鉄筋とコンクリートで補強され、束や柱をしっかり支えています。
補強して幅が広くなることで、のちに設置する外壁材の収まりもよくなります。
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北澤さんが取り掛かったのは、大引の下に支持脚(大引受け)を設置する作業。
支持脚はアンカーボルトでしっかり固定します。
北澤さん曰く、「根太や大引は上で人が歩くと動くから、きちんと固定しないと支持脚がズレたり、音が鳴ったりするんだよね」。
ひとつひとつの作業をていねいに行なって、あとで修繕などが必要にならないようにすることが大事とのこと。
斡旋業者や大手メーカーを通してではなく、自分で仕事を請け負う職人さんは、施主に納得してもらえる仕事をしないと、つぎの仕事につながりません。
あとでクレームがくるような仕事はしない。
それでこそ職人というもの!
北澤さんが取り掛かったのは、大引の下に支持脚(大引受け)を設置する作業。
支持脚はアンカーボルトでしっかり固定します。
北澤さん曰く、「根太や大引は上で人が歩くと動くから、きちんと固定しないと支持脚がズレたり、音が鳴ったりするんだよね」。
ひとつひとつの作業をていねいに行なって、あとで修繕などが必要にならないようにすることが大事とのこと。
斡旋業者や大手メーカーを通してではなく、自分で仕事を請け負う職人さんは、施主に納得してもらえる仕事をしないと、つぎの仕事につながりません。
あとでクレームがくるような仕事はしない。
それでこそ職人というもの!
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およそ2週間後に、再度現場を訪れました。
ここまでくれば、あともう一歩というところ。
北澤さんは屋根の妻側の、破風板と軒天を貼る作業を行なっていました。
屋根工事自体は専門業者に依頼していますが、、こうした作業はすべて北澤さんの手によるもの。
工事費用の安さを売りにはしていませんが、細かい作業を北澤さんが行なうことで、結果として費用が抑えられています。
建物のなかを見てみると、天井に断熱材が設置され、あとは内装工事を待つばかり。
主に北澤さんが手配した職人さんの作業になるそうです。
およそ2週間後に、再度現場を訪れました。
ここまでくれば、あともう一歩というところ。
北澤さんは屋根の妻側の、破風板と軒天を貼る作業を行なっていました。
屋根工事自体は専門業者に依頼していますが、、こうした作業はすべて北澤さんの手によるもの。
工事費用の安さを売りにはしていませんが、細かい作業を北澤さんが行なうことで、結果として費用が抑えられています。
建物のなかを見てみると、天井に断熱材が設置され、あとは内装工事を待つばかり。
主に北澤さんが手配した職人さんの作業になるそうです。
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それからおよそ1カ月後。
竣工のお知らせをいただいて、現場にお伺いしました。
目の前に現れたのは、新築といっても誰も疑わない住宅。
元の建物(3コマ目)の写真と見比べてみてください。
この建物がこうなるの?と、驚くばかりです。
白を基調としたサイディングの外壁に、木目調のドアがいいアクセントになっています。
こうした建具も、北澤さんが施主の予算に合わせてチョイスしたものなんだとか。
ちなみに屋根はスレート(カラーベスト)。
比較的安価な屋根材で、こちらも予算に合わせて選んだそうです。
それからおよそ1カ月後。
竣工のお知らせをいただいて、現場にお伺いしました。
目の前に現れたのは、新築といっても誰も疑わない住宅。
元の建物(3コマ目)の写真と見比べてみてください。
この建物がこうなるの?と、驚くばかりです。
白を基調としたサイディングの外壁に、木目調のドアがいいアクセントになっています。
こうした建具も、北澤さんが施主の予算に合わせてチョイスしたものなんだとか。
ちなみに屋根はスレート(カラーベスト)。
比較的安価な屋根材で、こちらも予算に合わせて選んだそうです。
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もちろん内部も新築同様。
内壁はクロス張り、床はフロア材で仕上げてあります。
水まわりには、水濡れに強い床材を使用したそうです。
完全に生まれ変わった、新築と見紛うお宅。
施主にも驚かれ、かつ喜んでいただけたのとのことです。
昔ながらの大工の知識と技術、長年培った経験、そして新しい技術への対応。
北澤さんは、一軒丸ごと作り上げられることのできる力をもったベテランの大工さんです。
細かな工事はもちろんのこと、今回紹介したような大規模リフォームをお考えの方も、一度ご相談されてはいかがでしょうか?
*取材・文=加藤康一(Freewheel Inc.)
もちろん内部も新築同様。
内壁はクロス張り、床はフロア材で仕上げてあります。
水まわりには、水濡れに強い床材を使用したそうです。
完全に生まれ変わった、新築と見紛うお宅。
施主にも驚かれ、かつ喜んでいただけたのとのことです。
昔ながらの大工の知識と技術、長年培った経験、そして新しい技術への対応。
北澤さんは、一軒丸ごと作り上げられることのできる力をもったベテランの大工さんです。
細かな工事はもちろんのこと、今回紹介したような大規模リフォームをお考えの方も、一度ご相談されてはいかがでしょうか?
*取材・文=加藤康一(Freewheel Inc.)