-
外構屋さんの下田信幸(しもだ・のぶゆき)さんは、左官屋10年、外構屋15年の経歴をもつベテラン職人。
外構補修などの小さな仕事から新築・フルリフォームまで、幅広く対応してくれます。
今回の工事は、道路に面した側の塀をすべて解体し、植樹も撤去して、土間全面にコンクリートを打つという、比較的大掛かりなものです。
より規模の小さい工事の施工例として、前回、カーポート設置・土間コンクリート敷設工事の様子を紹介しましたので、そちらもぜひご覧ください。
現場は東京都羽村市の一軒家。
朝一番に訪れると、下田さんは集まった職人さんたちに工事内容や作業の段取りを説明していました。
外構屋さんの下田信幸(しもだ・のぶゆき)さんは、左官屋10年、外構屋15年の経歴をもつベテラン職人。
外構補修などの小さな仕事から新築・フルリフォームまで、幅広く対応してくれます。
今回の工事は、道路に面した側の塀をすべて解体し、植樹も撤去して、土間全面にコンクリートを打つという、比較的大掛かりなものです。
より規模の小さい工事の施工例として、前回、カーポート設置・土間コンクリート敷設工事の様子を紹介しましたので、そちらもぜひご覧ください。
現場は東京都羽村市の一軒家。
朝一番に訪れると、下田さんは集まった職人さんたちに工事内容や作業の段取りを説明していました。
-
工事前の現場の状況は、写真の通り。
駐車スペースと庭の間にはコンクリートの段差があります。
これを解体して庭のスペースと一体にし、広い駐車スペースをつくりたいというのが施主の希望。
真っ平らにするのではなく、玄関から前面道路まで傾斜をつけて土間コンクリートを打つのが、最大のポイントとなりそうです。
加えて、外構工事が終わったあとに別の業者の手で建物のリフォームを行なうため、時間的な制約もあります。
スピーディな工事は下田さんの売りのひとつ。
協働する職人さんを集めることで、工期短縮を実現させています。
工事前の現場の状況は、写真の通り。
駐車スペースと庭の間にはコンクリートの段差があります。
これを解体して庭のスペースと一体にし、広い駐車スペースをつくりたいというのが施主の希望。
真っ平らにするのではなく、玄関から前面道路まで傾斜をつけて土間コンクリートを打つのが、最大のポイントとなりそうです。
加えて、外構工事が終わったあとに別の業者の手で建物のリフォームを行なうため、時間的な制約もあります。
スピーディな工事は下田さんの売りのひとつ。
協働する職人さんを集めることで、工期短縮を実現させています。
-
工事前に必ず行なわなければならないことは養生です。
解体工事はどうしても粉塵が出てしまうので、近隣住民にあらかじめ説明し、粉塵がかかりそうな場所にある車には養生シートをかけさせてもらいます。
粗大ゴミはあらかじめ処分されているはずだったそうですが、連絡の行き違いか、放置されたまま。
下田さんはすぐに処分の手配を進めます。
現場での柔軟な対応ぶりに、経験の豊富さが伺えますね!
工事前に必ず行なわなければならないことは養生です。
解体工事はどうしても粉塵が出てしまうので、近隣住民にあらかじめ説明し、粉塵がかかりそうな場所にある車には養生シートをかけさせてもらいます。
粗大ゴミはあらかじめ処分されているはずだったそうですが、連絡の行き違いか、放置されたまま。
下田さんはすぐに処分の手配を進めます。
現場での柔軟な対応ぶりに、経験の豊富さが伺えますね!
-
最初に手をつけたのは、庭の植樹の伐採。
2、3人の職人さんが、どんどん枝を落としてはダンプカーに積み込み、あっという間に幹まで切ってしまいました。
積み込んだ枝や幹でダンプカーがいっぱいになったら、処分場へと運びます。
こうした手間も考え合わせて段取りを組むことが、効率よく作業を進めるカギなんですね!
最初に手をつけたのは、庭の植樹の伐採。
2、3人の職人さんが、どんどん枝を落としてはダンプカーに積み込み、あっという間に幹まで切ってしまいました。
積み込んだ枝や幹でダンプカーがいっぱいになったら、処分場へと運びます。
こうした手間も考え合わせて段取りを組むことが、効率よく作業を進めるカギなんですね!
-
植樹伐採と並行して、ほかの職人さんが道路前面の塀を撤去していきます。
まず、コンクリートカッターで切れ目を入れ、つぎに振動ドリルで塀を割って分割。
前面道路を傷つけたり汚したりしないよう、コンパネで養生したうえで作業を行ないます。
この作業では、どうしても粉塵と騒音が出てしまいます。
近隣住民からのクレームなどがこないように、この作業を何時ごろはじめるのかを説明しておくことも重要です。
植樹伐採と並行して、ほかの職人さんが道路前面の塀を撤去していきます。
まず、コンクリートカッターで切れ目を入れ、つぎに振動ドリルで塀を割って分割。
前面道路を傷つけたり汚したりしないよう、コンパネで養生したうえで作業を行ないます。
この作業では、どうしても粉塵と騒音が出てしまいます。
近隣住民からのクレームなどがこないように、この作業を何時ごろはじめるのかを説明しておくことも重要です。
-
壁を撤去するために登場したのは、小型のショベルカー。
下田さんがバケットを操作し、割れ目の入った壁を倒していきます。
道路の通行の邪魔にならないよう、車の往来に気を配りながらの作業。
それでも30分とかからずに塀をあらかた解体してしまいました。
壁を撤去するために登場したのは、小型のショベルカー。
下田さんがバケットを操作し、割れ目の入った壁を倒していきます。
道路の通行の邪魔にならないよう、車の往来に気を配りながらの作業。
それでも30分とかからずに塀をあらかた解体してしまいました。
-
解体した塀は、ハンマーで細かく壊してから、ダンプカーに積み込みます。
ハンマーを振るう下田さん。
その間、ほかの職人さんは植樹を撤去したり、振動ハンマーで玄関まわりのコンクリートを解体したりしています。
下田さんが簡単な指示を出すだけで無駄なく作業を進めていくベテランの職人さんたち。
協働する職人さんのレベルが高いということも、スピーディに工事を進めるための大切な要素です。
解体した塀は、ハンマーで細かく壊してから、ダンプカーに積み込みます。
ハンマーを振るう下田さん。
その間、ほかの職人さんは植樹を撤去したり、振動ハンマーで玄関まわりのコンクリートを解体したりしています。
下田さんが簡単な指示を出すだけで無駄なく作業を進めていくベテランの職人さんたち。
協働する職人さんのレベルが高いということも、スピーディに工事を進めるための大切な要素です。
-
庭土はショベルカーで掻き出し、ダンプカーに積み込みます。
コンクリートのガラ(がれき類)は、もう一台のダンプカーへ。
そして、ダンプカーがいっぱいになったら、すぐに処分場へ運びます。
今回の工事では、残土がダンプカー2杯ぶん、ガラが3杯ぶん出る予定だとのこと。
外構のリフォームでは、思った以上に産業廃棄物が出るものなんですね。
なお、産業廃棄物は種類別に出さなければなりません。
塀はハンマーで砕き、鉄筋とコンクリートとを分けておく必要があるのです。
こうした手間と労力がかかる作業を見るにつけ、プロに依頼することがいかに効率的かが分かります。
庭土はショベルカーで掻き出し、ダンプカーに積み込みます。
コンクリートのガラ(がれき類)は、もう一台のダンプカーへ。
そして、ダンプカーがいっぱいになったら、すぐに処分場へ運びます。
今回の工事では、残土がダンプカー2杯ぶん、ガラが3杯ぶん出る予定だとのこと。
外構のリフォームでは、思った以上に産業廃棄物が出るものなんですね。
なお、産業廃棄物は種類別に出さなければなりません。
塀はハンマーで砕き、鉄筋とコンクリートとを分けておく必要があるのです。
こうした手間と労力がかかる作業を見るにつけ、プロに依頼することがいかに効率的かが分かります。
-
午前中の作業で庭と玄関アプローチ部分の解体は、ほぼ終了。
お昼休みを前にして、細かいガラを集めたり、前面道路を掃除したり。
ここで取材をいったん終了しましたが、この日のうちに、ほぼすべての解体作業が終わったそうです。
翌日からは下田さんを含めて3名で片付けなどの作業を行ない、土間コンクリート敷設は3日後の予定とのこと。
つぎの取材の打ち合わせをして現場をあとにしました。
午前中の作業で庭と玄関アプローチ部分の解体は、ほぼ終了。
お昼休みを前にして、細かいガラを集めたり、前面道路を掃除したり。
ここで取材をいったん終了しましたが、この日のうちに、ほぼすべての解体作業が終わったそうです。
翌日からは下田さんを含めて3名で片付けなどの作業を行ない、土間コンクリート敷設は3日後の予定とのこと。
つぎの取材の打ち合わせをして現場をあとにしました。
-
……そして、作業開始から4日目。
お昼ごろに現場に到着すると、コンクリートミキサー車が到着しており、今まさにコンクリート流し込みがスタートしたところでした。
塀や段差が完全に撤去され、広い駐車スペースが確保されています。
前回の記事でも説明しましたが、コンクリートを流すところには、ワイヤーメッシュと呼ばれる格子状の鉄筋を設置しておきます。
コンクリートは圧縮に強い反面、引っ張られる力には弱い建材。
一方、鉄筋は圧縮には弱いですが、引っ張られる力には強い。
双方を組み合わせることで、強度をアップし、コンクリートの割れを防ぐというわけです。
……そして、作業開始から4日目。
お昼ごろに現場に到着すると、コンクリートミキサー車が到着しており、今まさにコンクリート流し込みがスタートしたところでした。
塀や段差が完全に撤去され、広い駐車スペースが確保されています。
前回の記事でも説明しましたが、コンクリートを流すところには、ワイヤーメッシュと呼ばれる格子状の鉄筋を設置しておきます。
コンクリートは圧縮に強い反面、引っ張られる力には弱い建材。
一方、鉄筋は圧縮には弱いですが、引っ張られる力には強い。
双方を組み合わせることで、強度をアップし、コンクリートの割れを防ぐというわけです。
-
全体にコンクリートを流したら、アルミ板や専用のトンボ(レーキ)で全体を大まかに均していきます。
まず表面を軽く叩いてコンクリートに含まれる砂利を沈めてから均すのが基本的なやり方です。
「平らなら簡単なんだけどね」と下田さん。
冒頭で説明したように、この土間は平らではなく、玄関アプローチに向かって立ち上げなければなりません。
傾斜が急になりすぎないように、かつ、駐車スペースができるだけ平らになるように計算しながら作業を進めるところが、ベテラン職人の腕の見せどころですね!
全体にコンクリートを流したら、アルミ板や専用のトンボ(レーキ)で全体を大まかに均していきます。
まず表面を軽く叩いてコンクリートに含まれる砂利を沈めてから均すのが基本的なやり方です。
「平らなら簡単なんだけどね」と下田さん。
冒頭で説明したように、この土間は平らではなく、玄関アプローチに向かって立ち上げなければなりません。
傾斜が急になりすぎないように、かつ、駐車スペースができるだけ平らになるように計算しながら作業を進めるところが、ベテラン職人の腕の見せどころですね!
-
全体を均し終えてから30~40分ほど待ち、コンクリートがある程度乾いたら、仕上げ作業に入ります。
下田さんが履いているのは「モルタル下駄」などと呼ばれるかんじき。
生乾きのコンクリートに足が埋まってしまうのを防ぐ道具です。
3つのコテを使い、まず荒均し、中均し、仕上げと作業を進めていく下田さん。
コンクリートが多いところは削り、足りないところには盛り足して、傾斜を調整しながら仕上げていきます。
前回の記事でも紹介しましたが、下田さんは左官屋として10年間働いてきた経験をおもちです。
その技術をベースにもつ下田さんのコテさばきは、「さすが」のひと言です。
全体を均し終えてから30~40分ほど待ち、コンクリートがある程度乾いたら、仕上げ作業に入ります。
下田さんが履いているのは「モルタル下駄」などと呼ばれるかんじき。
生乾きのコンクリートに足が埋まってしまうのを防ぐ道具です。
3つのコテを使い、まず荒均し、中均し、仕上げと作業を進めていく下田さん。
コンクリートが多いところは削り、足りないところには盛り足して、傾斜を調整しながら仕上げていきます。
前回の記事でも紹介しましたが、下田さんは左官屋として10年間働いてきた経験をおもちです。
その技術をベースにもつ下田さんのコテさばきは、「さすが」のひと言です。
-
コンクリートは時間の経過とともに乾いて固まってくるので、作業は時間との勝負でもあります。
下田さんは、仕上げに入ってからは、2時間ほど休憩なしで作業を続けました。
金コテで仕上げたあとは、滑り止めのために表面に筋を入れる「ハケ引き」の作業。
広い面積にハケを引くため、柄を延長した大型のブラシを使います。
もちろん、細かい部分も手抜きなし。
丁寧、かつスピーディな仕事ぶりです。
コンクリートは時間の経過とともに乾いて固まってくるので、作業は時間との勝負でもあります。
下田さんは、仕上げに入ってからは、2時間ほど休憩なしで作業を続けました。
金コテで仕上げたあとは、滑り止めのために表面に筋を入れる「ハケ引き」の作業。
広い面積にハケを引くため、柄を延長した大型のブラシを使います。
もちろん、細かい部分も手抜きなし。
丁寧、かつスピーディな仕事ぶりです。
-
玄関まわりや柱の周囲などを丁寧に仕上げる下田さん。
もちろん、ここも最後にハケ引きを行ないます。
土間の前面道路に面した側は、専用のコテで角を押さえてあります。
この作業を「縁切り」といいますが、作業の様子は前回の記事を参考にしてみてください。
柱や雨戸などについた汚れを落とし、既存の土間や前面道路の清掃をして作業終了。
正味4時間ほどの作業でした。
玄関まわりや柱の周囲などを丁寧に仕上げる下田さん。
もちろん、ここも最後にハケ引きを行ないます。
土間の前面道路に面した側は、専用のコテで角を押さえてあります。
この作業を「縁切り」といいますが、作業の様子は前回の記事を参考にしてみてください。
柱や雨戸などについた汚れを落とし、既存の土間や前面道路の清掃をして作業終了。
正味4時間ほどの作業でした。
-
工事が完了した土間がこちら。
既存の土間の中央と左側も、綺麗に仕上がっています。
U字溝との間に設置してあった型枠は取り外され、隙間には落ち葉などのゴミが詰まらないように砂を詰めてあります。
見せ場は、やはり玄関アプローチの傾斜。
数多くの現場を経験してきた下田さんだからこそ、上手に収めることができたといえるでしょう。
記事をご覧になって、下田さんの仕事の丁寧さとスピーディさが十分にお分かりいただけたのではないかと思います。
「フットワークの良さも自慢のひとつ」という下田さん。
外構工事をお考えの方は、ぜひ一度相談してみてください。
*取材・文=加藤康一(Freewheel Inc.)
工事が完了した土間がこちら。
既存の土間の中央と左側も、綺麗に仕上がっています。
U字溝との間に設置してあった型枠は取り外され、隙間には落ち葉などのゴミが詰まらないように砂を詰めてあります。
見せ場は、やはり玄関アプローチの傾斜。
数多くの現場を経験してきた下田さんだからこそ、上手に収めることができたといえるでしょう。
記事をご覧になって、下田さんの仕事の丁寧さとスピーディさが十分にお分かりいただけたのではないかと思います。
「フットワークの良さも自慢のひとつ」という下田さん。
外構工事をお考えの方は、ぜひ一度相談してみてください。
*取材・文=加藤康一(Freewheel Inc.)