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埼玉県新座市の大工、中嶋五郎(なかじま・ごろう)さん。
地元を中心に50年以上、「中嶋工務店」の代表として、さまざまな物件の新築・改築工事に携わってきたベテラン職人さんです。
一戸建ても集合住宅もこなし、近年はバリアフリー化のリフォーム工事が多いとのこと。
補助金申請のための書類作成などの、施主にとっては煩わしい事務作業も、中嶋さんがやってくれるとあって、特にご高齢の施主からは大きな信頼を得ています。
埼玉県新座市の大工、中嶋五郎(なかじま・ごろう)さん。
地元を中心に50年以上、「中嶋工務店」の代表として、さまざまな物件の新築・改築工事に携わってきたベテラン職人さんです。
一戸建ても集合住宅もこなし、近年はバリアフリー化のリフォーム工事が多いとのこと。
補助金申請のための書類作成などの、施主にとっては煩わしい事務作業も、中嶋さんがやってくれるとあって、特にご高齢の施主からは大きな信頼を得ています。
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そんな中嶋さんが見せてくれたのは、つい先日工事が終わったという朝霞市の集合住宅。
新しい入居者を迎える一室のリフォームです。
実はこの集合住宅、30年ほど前に中嶋さんが建てたものなんだとか。
築30年のアパートの一室がどのように変わったのか、そして、30年前に中嶋さんがどのようなアイデアを盛り込んで建てたのかをご紹介しましょう。
そんな中嶋さんが見せてくれたのは、つい先日工事が終わったという朝霞市の集合住宅。
新しい入居者を迎える一室のリフォームです。
実はこの集合住宅、30年ほど前に中嶋さんが建てたものなんだとか。
築30年のアパートの一室がどのように変わったのか、そして、30年前に中嶋さんがどのようなアイデアを盛り込んで建てたのかをご紹介しましょう。
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さっそく中に入らせていただきました。
物件は7坪ほどの、いわゆる単身向けワンルーム。
玄関を入って右手がキッチン、左手がユニット式のバス・トイレです。
玄関にはカメラ付きのドアホンが設置されています。
今の時代には必須といえる設備です。
さっそく中に入らせていただきました。
物件は7坪ほどの、いわゆる単身向けワンルーム。
玄関を入って右手がキッチン、左手がユニット式のバス・トイレです。
玄関にはカメラ付きのドアホンが設置されています。
今の時代には必須といえる設備です。
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キッチンを拝見。
難燃性のキッチンパネル、コンロまわりにはステンレス製のパネル。
排気用のファンもステンレス製です。
こうした防火対策は必ず施す必要がありますが、中嶋さん曰く「そうした規則を知らないオーナーさんも多いんです」とのこと。
大工さんの側が、経験と知識をもとにアドバイスすることが大切なんですね!
キッチンを拝見。
難燃性のキッチンパネル、コンロまわりにはステンレス製のパネル。
排気用のファンもステンレス製です。
こうした防火対策は必ず施す必要がありますが、中嶋さん曰く「そうした規則を知らないオーナーさんも多いんです」とのこと。
大工さんの側が、経験と知識をもとにアドバイスすることが大切なんですね!
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続いてリビングです。
この物件の特徴は、ロフトがついていること。
今の建築基準法では、こうしたロフト付きのワンルームを造ることが難しくなっています。
「30年前にロフト付きの集合住宅を建てたのは、このあたりでは私が最初じゃないですかね」と中嶋さん。
中嶋さんの先進性のおかげで、今でも入居者が決まりやすい物件になっています。
オーナーさんにとって、賃貸物件は部屋が埋まるかどうかが再需要課題。
中嶋さんは、他の物件より魅力的な建物をプランニングできる、数少ない大工さんだといえるでしょう。
続いてリビングです。
この物件の特徴は、ロフトがついていること。
今の建築基準法では、こうしたロフト付きのワンルームを造ることが難しくなっています。
「30年前にロフト付きの集合住宅を建てたのは、このあたりでは私が最初じゃないですかね」と中嶋さん。
中嶋さんの先進性のおかげで、今でも入居者が決まりやすい物件になっています。
オーナーさんにとって、賃貸物件は部屋が埋まるかどうかが再需要課題。
中嶋さんは、他の物件より魅力的な建物をプランニングできる、数少ない大工さんだといえるでしょう。
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リビングの床は、フローリング仕上げ。
既存の床に重ね貼りしてあります。
重ね貼りにした理由は予算面だけではありません。
沓摺り(くつずり=片開き戸の下枠)と床の段差を極力、小さくするためでもあります。
この発想は、バリアフリー・リフォームの経験が豊富な中嶋さんならでは。
高齢者や身体障害者でなくとも、こうした段差は小さいほうが安全です。
リビングの床は、フローリング仕上げ。
既存の床に重ね貼りしてあります。
重ね貼りにした理由は予算面だけではありません。
沓摺り(くつずり=片開き戸の下枠)と床の段差を極力、小さくするためでもあります。
この発想は、バリアフリー・リフォームの経験が豊富な中嶋さんならでは。
高齢者や身体障害者でなくとも、こうした段差は小さいほうが安全です。
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面積の限られたワンルームでは、収納が問題になります。
この部屋では、ロフトの下と、バルコニー脇に収納スペースが設けられていました。
収納スペース内部の合板はきれいに張り替えられ、衣服を掛けるためのパイプも取り付けられています。
玄関脇には靴を収納するためのスペースも!
これら収納スペースも、中嶋さんが30年前にプランニングしたもの。
現在でも使い勝手のいいものになっていることに感心しました。
面積の限られたワンルームでは、収納が問題になります。
この部屋では、ロフトの下と、バルコニー脇に収納スペースが設けられていました。
収納スペース内部の合板はきれいに張り替えられ、衣服を掛けるためのパイプも取り付けられています。
玄関脇には靴を収納するためのスペースも!
これら収納スペースも、中嶋さんが30年前にプランニングしたもの。
現在でも使い勝手のいいものになっていることに感心しました。
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エアコンも入れ替え。
室外機は、もとはバルコニー脇の収納スペースの上にあったそうですが、安全性を考えてバルコニーに設置してあります。
ところで、賃貸物件はリフォーム工事にあまりお金をかけられないのが普通です。
たくさんお金をかけてしまうと、賃料で工事費を回収するのに時間がかかったり、賃料自体が高くなって借り手が見つからなくなってしまったりするためです。
中嶋さんは限られた工事費のなかでやりくりし、外注の職人さんだけでは手が回らない細かい作業を自ら行なっているんだとか。
新しいエアコンを入れられるのも、そうした地道な仕事のおかげといえそうです。
エアコンも入れ替え。
室外機は、もとはバルコニー脇の収納スペースの上にあったそうですが、安全性を考えてバルコニーに設置してあります。
ところで、賃貸物件はリフォーム工事にあまりお金をかけられないのが普通です。
たくさんお金をかけてしまうと、賃料で工事費を回収するのに時間がかかったり、賃料自体が高くなって借り手が見つからなくなってしまったりするためです。
中嶋さんは限られた工事費のなかでやりくりし、外注の職人さんだけでは手が回らない細かい作業を自ら行なっているんだとか。
新しいエアコンを入れられるのも、そうした地道な仕事のおかげといえそうです。
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バス・トイレは予算の都合で新しいものに入れ替えることができなかったとのこと。
ですが、パーツ類はすべて交換されています。
「30年前の設備だから、同じパーツを見つけるのが大変なんです」と中嶋さん。
とくに便座は、古いものを取り外して設備屋さんに持っていき、同じ規格のものを探しまわって見つけたんだとか。
これも予算を抑えるための地道な作業です。
もっとも、予算があればユニットバスを入れ替え、ロフト下の収納スペースを利用してトイレを別に設置したかったとのこと。
「今はそれが主流だし、住む人にとっても快適だからね」と中嶋さん。
このあたりが賃貸物件の難しいところです。
バス・トイレは予算の都合で新しいものに入れ替えることができなかったとのこと。
ですが、パーツ類はすべて交換されています。
「30年前の設備だから、同じパーツを見つけるのが大変なんです」と中嶋さん。
とくに便座は、古いものを取り外して設備屋さんに持っていき、同じ規格のものを探しまわって見つけたんだとか。
これも予算を抑えるための地道な作業です。
もっとも、予算があればユニットバスを入れ替え、ロフト下の収納スペースを利用してトイレを別に設置したかったとのこと。
「今はそれが主流だし、住む人にとっても快適だからね」と中嶋さん。
このあたりが賃貸物件の難しいところです。
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白を基調とした室内に変化をつけるため、一部にデザイン性の高いクロスが貼られています。
70台半ばというお歳を感じさせない、中嶋さんのセンスです。
自宅のリフォームであれば、施主の希望は比較的はっきりしているものですが、賃貸物件ではそうとも限りません。
とくにご高齢の施主(オーナーさん)は、どうすれば入居希望者の目にとまるのか、どんな部屋を求めているのかがわからないということも多いでしょう。
そんな施主にとって、研究熱心で先進性のある中嶋さんのような大工さんは、ありがたい存在になるのではと思われます。
一度、ご相談されてみては?
*取材・文=加藤康一(Freewheel Inc.)
白を基調とした室内に変化をつけるため、一部にデザイン性の高いクロスが貼られています。
70台半ばというお歳を感じさせない、中嶋さんのセンスです。
自宅のリフォームであれば、施主の希望は比較的はっきりしているものですが、賃貸物件ではそうとも限りません。
とくにご高齢の施主(オーナーさん)は、どうすれば入居希望者の目にとまるのか、どんな部屋を求めているのかがわからないということも多いでしょう。
そんな施主にとって、研究熱心で先進性のある中嶋さんのような大工さんは、ありがたい存在になるのではと思われます。
一度、ご相談されてみては?
*取材・文=加藤康一(Freewheel Inc.)