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今回、紹介させていただく職人さんは、栃木県の神部浩之(かんべ・ひろゆき)さん。宇都宮市を中心に栃木県内でお仕事をされている大工さんです。
大工の稼業は祖父の代から。スマートな外見と爽やかな雰囲気から、仕事を引き継いだのは最近かと思いきや、2000年から大工としての仕事を続けているんだとか。
ご自身は木工事を中心に行ないますが、信頼できる業者との協働で、水道・ガス・電気・クロス貼りなど、リフォーム工事のほぼすべてを請け負います。設計はしないものの、二級建築士の資格も取得されているそうです。
本日は、まず作業場にお邪魔し、それから施工の様子を見せていただくことにしました。
今回、紹介させていただく職人さんは、栃木県の神部浩之(かんべ・ひろゆき)さん。宇都宮市を中心に栃木県内でお仕事をされている大工さんです。
大工の稼業は祖父の代から。スマートな外見と爽やかな雰囲気から、仕事を引き継いだのは最近かと思いきや、2000年から大工としての仕事を続けているんだとか。
ご自身は木工事を中心に行ないますが、信頼できる業者との協働で、水道・ガス・電気・クロス貼りなど、リフォーム工事のほぼすべてを請け負います。設計はしないものの、二級建築士の資格も取得されているそうです。
本日は、まず作業場にお邪魔し、それから施工の様子を見せていただくことにしました。
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ご自宅の敷地内にある、20坪ほどの作業場で、作業の様子を拝見。神部さんは電動丸ノコや卓上丸ノコで木材を手際よくカットしていきます。
電動工具やエア(エアコンプレッサー)工具を使いこなすことは、現代の大工にとって必須。これらのほかにも、インパクトドライバーやネイラー(釘打ち機)など、さまざまな電動工具を駆使して作業します。
神部さんが多用している丸ノコは充電式(コードレス)。リフォーム工事では、いろいろな場所で作業するシーンが多いので、電源コードをつなぐ必要のない充電式が便利とのこと。ちなみに、お使いになっているHiKOKIの丸ノコは、コードありの丸ノコと変わらないパワーがあるそうです。
ご自宅の敷地内にある、20坪ほどの作業場で、作業の様子を拝見。神部さんは電動丸ノコや卓上丸ノコで木材を手際よくカットしていきます。
電動工具やエア(エアコンプレッサー)工具を使いこなすことは、現代の大工にとって必須。これらのほかにも、インパクトドライバーやネイラー(釘打ち機)など、さまざまな電動工具を駆使して作業します。
神部さんが多用している丸ノコは充電式(コードレス)。リフォーム工事では、いろいろな場所で作業するシーンが多いので、電源コードをつなぐ必要のない充電式が便利とのこと。ちなみに、お使いになっているHiKOKIの丸ノコは、コードありの丸ノコと変わらないパワーがあるそうです。
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作業場にデン!と鎮座している、この機械は?
「これは万能機(まんのうき)と言うんです」と神部さん。
ご自身が生まれる前からあったというこの機械、「おそらく50年以上、使われている」とのことですが、今でも現役バリバリです。
万能機は、自動カンナ、手押しカンナ、そして昇降盤が一体となった機械。近年はプレカット全盛とあって、必要とする大工さんは少なくなっており、機械自体が高価なこともあって、あまりお目にかかることがありません。
しかし、リフォーム工事では材のサイズを既存の住宅に合わせて調整する必要があります。そんなとき、この万能機が大活躍するそうです。
作業場にデン!と鎮座している、この機械は?
「これは万能機(まんのうき)と言うんです」と神部さん。
ご自身が生まれる前からあったというこの機械、「おそらく50年以上、使われている」とのことですが、今でも現役バリバリです。
万能機は、自動カンナ、手押しカンナ、そして昇降盤が一体となった機械。近年はプレカット全盛とあって、必要とする大工さんは少なくなっており、機械自体が高価なこともあって、あまりお目にかかることがありません。
しかし、リフォーム工事では材のサイズを既存の住宅に合わせて調整する必要があります。そんなとき、この万能機が大活躍するそうです。
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現代の大工は電動工具がメイン。とはいえ、手道具も欠かせません。とくに、木材を刻むノミや、表面を仕上げるカンナは必須の道具。
「使うノミの種類は、昔に比べたらずいぶん少なくなった」とのことですが、木材の微妙な調整が求められるリフォーム工事では、活躍する場面はとても多いそうです。
神部さんのお仕事は、リフォームだけでなく、増改築にも及びます。プレカットでは対応できない工事でも、自前で木材をカットし、手道具でホゾ加工などを行なっているそうです。電動工具だけに頼らず、昔からある手道具の技術も駆使するあたり、「さすが三代続く大工さん!」と感心しました。
現代の大工は電動工具がメイン。とはいえ、手道具も欠かせません。とくに、木材を刻むノミや、表面を仕上げるカンナは必須の道具。
「使うノミの種類は、昔に比べたらずいぶん少なくなった」とのことですが、木材の微妙な調整が求められるリフォーム工事では、活躍する場面はとても多いそうです。
神部さんのお仕事は、リフォームだけでなく、増改築にも及びます。プレカットでは対応できない工事でも、自前で木材をカットし、手道具でホゾ加工などを行なっているそうです。電動工具だけに頼らず、昔からある手道具の技術も駆使するあたり、「さすが三代続く大工さん!」と感心しました。
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作業場をあとに、最近手がけたリフォーム工事の現場を見せてもらいました。
まず拝見したのは、間仕切り壁の増設工事です。
施主の方は、当初は周囲の壁と同じように、ボードの下地にクロスを張ることを考えていたそうですが、神部さんが無垢の木を使うことを提案。柱に溝を切って、そこに板を落とし込むようにして壁をつくりました。
右の2枚の写真は、作業中の様子と竣工時の写真です。
ちなみに工期は木材の加工を含めて4日ほど。費用も17万円程度(無塗装)と、ボード+クロス張りよりも抑えることができたそうです。
作業場をあとに、最近手がけたリフォーム工事の現場を見せてもらいました。
まず拝見したのは、間仕切り壁の増設工事です。
施主の方は、当初は周囲の壁と同じように、ボードの下地にクロスを張ることを考えていたそうですが、神部さんが無垢の木を使うことを提案。柱に溝を切って、そこに板を落とし込むようにして壁をつくりました。
右の2枚の写真は、作業中の様子と竣工時の写真です。
ちなみに工期は木材の加工を含めて4日ほど。費用も17万円程度(無塗装)と、ボード+クロス張りよりも抑えることができたそうです。
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裏側にまわって見てみると、壁には額縁や棚が取り付けられています。こうした工作が自由にできるのが、無垢の木のよさですね!
改めて細部を見れば、隙間なく落とし込まれた壁板が、神部さんの技術の正確さを証明しています。
デザインセンスも、神部さんが自信をもっているところ。この間仕切り壁のように無垢の木の表情が出る場所では、木材のどの部分を使うかで雰囲気が変わってきます。
「節のあるなしで表情が変わりますね」と神部さん。あえて節のある木材を使うことで、無垢の木らしさや面白みを出す狙いがあったそうです。長年、木材と接してきた熟練の大工さんならではのセンスだといえますね!
裏側にまわって見てみると、壁には額縁や棚が取り付けられています。こうした工作が自由にできるのが、無垢の木のよさですね!
改めて細部を見れば、隙間なく落とし込まれた壁板が、神部さんの技術の正確さを証明しています。
デザインセンスも、神部さんが自信をもっているところ。この間仕切り壁のように無垢の木の表情が出る場所では、木材のどの部分を使うかで雰囲気が変わってきます。
「節のあるなしで表情が変わりますね」と神部さん。あえて節のある木材を使うことで、無垢の木らしさや面白みを出す狙いがあったそうです。長年、木材と接してきた熟練の大工さんならではのセンスだといえますね!
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つぎに見せていただいたのは、イチゴ農家さんの作業場。一部分を直売所にしたいという施主の希望で、大幅にリフォームしたとこのとです。
パッと見では「大幅なリフォーム」に見えませんが、実はこの建物、カウンターが付いているところが以前の出入り口だったので、そこに壁を作って窓を設置し、別途、出入り口をつくったとのこと。
確かに、カウンターの下を見ると、かつての出入り口のレール跡が残っています。
新しい出入り口は、壁をいったん壊して、柱や桟を入れたうえで設置。施主の希望で、剥がしたトタン板を張り直したそうです。そのおかげか、まるでもとからこの状態だったかのような仕上がりです。
つぎに見せていただいたのは、イチゴ農家さんの作業場。一部分を直売所にしたいという施主の希望で、大幅にリフォームしたとこのとです。
パッと見では「大幅なリフォーム」に見えませんが、実はこの建物、カウンターが付いているところが以前の出入り口だったので、そこに壁を作って窓を設置し、別途、出入り口をつくったとのこと。
確かに、カウンターの下を見ると、かつての出入り口のレール跡が残っています。
新しい出入り口は、壁をいったん壊して、柱や桟を入れたうえで設置。施主の希望で、剥がしたトタン板を張り直したそうです。そのおかげか、まるでもとからこの状態だったかのような仕上がりです。
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内部を見てみると、合板が貼られただけの、飾り気のない仕上がり。これも施主の希望だそうです。
もちろん、工事に手抜きはありません。柱に溝を掘って桟を入れ、内側には断熱材も入っています。そもそも、水平・垂直がとりにくい古い建物に、きれいに壁や窓、カウンターを設置するのは、簡単な作業ではありません。
2カ所の現場で、軽微なリフォームから増改築までこなす神部さんの仕事ぶりの一端を見ることができました。
神部さんは一般住宅はもちろん、マンションや店舗のリフォームも請け負っているとのこと。工事内容に関わらず、一度相談してみてはいかがでしょうか?
*取材・文=加藤康一(Freewheel Inc.)
内部を見てみると、合板が貼られただけの、飾り気のない仕上がり。これも施主の希望だそうです。
もちろん、工事に手抜きはありません。柱に溝を掘って桟を入れ、内側には断熱材も入っています。そもそも、水平・垂直がとりにくい古い建物に、きれいに壁や窓、カウンターを設置するのは、簡単な作業ではありません。
2カ所の現場で、軽微なリフォームから増改築までこなす神部さんの仕事ぶりの一端を見ることができました。
神部さんは一般住宅はもちろん、マンションや店舗のリフォームも請け負っているとのこと。工事内容に関わらず、一度相談してみてはいかがでしょうか?
*取材・文=加藤康一(Freewheel Inc.)