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北海道札幌市の内装職人、藤井大亮(ふじい・だいすけ)さんをご紹介します。
1978(昭和53)年から内装業を営む「藤井表具」の二代目として、ベテラン職人であるご両親とともに活躍されています。
17歳のころから両親の手伝いをしていた藤井さん。
「工事後に家の内装がきれいになるのを見て、気持ちよさと面白さを感じました」と、家業を継ぐきっかけを語ってくれました。
父親の厳しい指導のもとで、技術も、職人としての精神も成長し、今では、ご両親に加えて専属のベテラン職人2名、若いスタッフ1名で、数多くの内装リフォームに携わっています。
北海道札幌市の内装職人、藤井大亮(ふじい・だいすけ)さんをご紹介します。
1978(昭和53)年から内装業を営む「藤井表具」の二代目として、ベテラン職人であるご両親とともに活躍されています。
17歳のころから両親の手伝いをしていた藤井さん。
「工事後に家の内装がきれいになるのを見て、気持ちよさと面白さを感じました」と、家業を継ぐきっかけを語ってくれました。
父親の厳しい指導のもとで、技術も、職人としての精神も成長し、今では、ご両親に加えて専属のベテラン職人2名、若いスタッフ1名で、数多くの内装リフォームに携わっています。
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お伺いした現場は、札幌市の一戸建て。
建てられてまだ数年しか経っていない、2階建ての建売住宅です。
聞けば、内装が古くなったからではなく、オーナーさんが自分好みの内装に変えたいということでリフォームすることになったのだとか。
天井と壁を一般的なクロスではなく、和紙に貼り替えるという、あまり見られない工事です。
ちなみに工期はおよそ2週間。
この日は半分ほどが終わった8日目とのことです。
ご両親はお休みをとっているそうで、藤井さんとスタッフの松本健陽(まつもと・けんよう)さんの2名で作業していました。
お伺いした現場は、札幌市の一戸建て。
建てられてまだ数年しか経っていない、2階建ての建売住宅です。
聞けば、内装が古くなったからではなく、オーナーさんが自分好みの内装に変えたいということでリフォームすることになったのだとか。
天井と壁を一般的なクロスではなく、和紙に貼り替えるという、あまり見られない工事です。
ちなみに工期はおよそ2週間。
この日は半分ほどが終わった8日目とのことです。
ご両親はお休みをとっているそうで、藤井さんとスタッフの松本健陽(まつもと・けんよう)さんの2名で作業していました。
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和紙に糊付けをする藤井さん。
糊付け作業は多くの現場で見てきましたが、糊を付けた面に透明なフィルムを貼っているのは初めて。
この作業を「ラッピング」というんだそうです。
「和紙は糊付けするとすぐに乾燥してしまうので、作業の効率が悪く、シワにもなりやすいんです」と藤井さん。
ラッピングすることで乾燥を防ぎ、きれいに貼ることができるのだとか。
糊も性能のいいものを選び、和紙を貼るときはさらに質の高いものを使用。
予算的に厳しい工事でも、糊のグレードを下げることはしないと言います。
和紙に糊付けをする藤井さん。
糊付け作業は多くの現場で見てきましたが、糊を付けた面に透明なフィルムを貼っているのは初めて。
この作業を「ラッピング」というんだそうです。
「和紙は糊付けするとすぐに乾燥してしまうので、作業の効率が悪く、シワにもなりやすいんです」と藤井さん。
ラッピングすることで乾燥を防ぎ、きれいに貼ることができるのだとか。
糊も性能のいいものを選び、和紙を貼るときはさらに質の高いものを使用。
予算的に厳しい工事でも、糊のグレードを下げることはしないと言います。
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和紙の魅力は、どこにあるのでしょうか。
「柔らかい感じがするということが一番でしょうね」と藤井さん。
加えて貼り替えの際、もとの和紙を剥がすことなく上から貼ることができるため、ゴミが出ないこともメリットだそうです。
ただ、クロスに比べて単価が高く、貼るのにも高い技術が必要だとのこと。
内装に強いこだわりのある方に選ばれる素材だそうです。
なお藤井さんは、クロスはもちろん、化粧シート、ダイノック、ガラスフィルム、障子、ふすまと、およそ「貼るもの」であればなんでも施工できるとのこと。
カーペットの施工も、藤井さん本人はやらないものの、「藤井表具」では行なっているそうです。
和紙の魅力は、どこにあるのでしょうか。
「柔らかい感じがするということが一番でしょうね」と藤井さん。
加えて貼り替えの際、もとの和紙を剥がすことなく上から貼ることができるため、ゴミが出ないこともメリットだそうです。
ただ、クロスに比べて単価が高く、貼るのにも高い技術が必要だとのこと。
内装に強いこだわりのある方に選ばれる素材だそうです。
なお藤井さんは、クロスはもちろん、化粧シート、ダイノック、ガラスフィルム、障子、ふすまと、およそ「貼るもの」であればなんでも施工できるとのこと。
カーペットの施工も、藤井さん本人はやらないものの、「藤井表具」では行なっているそうです。
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ボードにパテを塗るのは松本さん。
乾いた部分は、藤井さんがサンダーで平滑に仕上げます。
「下地にもこだわっています」と藤井さん。
とくに和紙のような厚みのない内装材は、下地が平滑でないときれいに仕上げることはできません。
藤井さんが使うのは、集塵袋がついた電動サンダー。
削りカスで現場を汚すことがないのがメリットです。
広い面は大型のサンダーで。
電動工具を駆使することで、作業効率がアップするだけでなく、仕上がりもきれいになると藤井さんは言います。
ボードにパテを塗るのは松本さん。
乾いた部分は、藤井さんがサンダーで平滑に仕上げます。
「下地にもこだわっています」と藤井さん。
とくに和紙のような厚みのない内装材は、下地が平滑でないときれいに仕上げることはできません。
藤井さんが使うのは、集塵袋がついた電動サンダー。
削りカスで現場を汚すことがないのがメリットです。
広い面は大型のサンダーで。
電動工具を駆使することで、作業効率がアップするだけでなく、仕上がりもきれいになると藤井さんは言います。
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手道具にもこだわる藤井さん。
とはいえ、内装職人が使う手道具といえば、撫で刷毛やヘラ、ローラー、カッターと、特別高級なものはありません。
見せていただいたのは東鋏(とうばさみ)。
東京の鍛治職人が作っている、切れ味抜群の裁ち鋏です。
藤井さんが愛用しているのは、そのなかでも最高峰のブランドとされる「増太郎」の逸品!
ドア枠まわりなどの細かいところをカットするときに、カッターを使うと刃物傷がつきやすいため、鋏を使うのだそうです。
出番がそれほど多くない道具にもこだわるところに、この仕事に対する熱意を感じます。
手道具にもこだわる藤井さん。
とはいえ、内装職人が使う手道具といえば、撫で刷毛やヘラ、ローラー、カッターと、特別高級なものはありません。
見せていただいたのは東鋏(とうばさみ)。
東京の鍛治職人が作っている、切れ味抜群の裁ち鋏です。
藤井さんが愛用しているのは、そのなかでも最高峰のブランドとされる「増太郎」の逸品!
ドア枠まわりなどの細かいところをカットするときに、カッターを使うと刃物傷がつきやすいため、鋏を使うのだそうです。
出番がそれほど多くない道具にもこだわるところに、この仕事に対する熱意を感じます。
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「心を込めることが、とても大事だと考えています」と藤井さん。
職人がどんな心持ちで作業したかは、必ずお客さんに伝わると言います。
ていねいに、正確に作業をするのは当然のこと。
そのさらに上を意識するのが、藤井さんの職人魂です。
今回のような和紙の施工では、クロスよりも繊細な作業が求められます。
ローラーなどで圧着するのではなく、貼った周囲をしっかり押さえたら撫で刷毛で優しく貼り付ける。
技術はもちろん、「心」も必要な作業だといえます。
「心を込めることが、とても大事だと考えています」と藤井さん。
職人がどんな心持ちで作業したかは、必ずお客さんに伝わると言います。
ていねいに、正確に作業をするのは当然のこと。
そのさらに上を意識するのが、藤井さんの職人魂です。
今回のような和紙の施工では、クロスよりも繊細な作業が求められます。
ローラーなどで圧着するのではなく、貼った周囲をしっかり押さえたら撫で刷毛で優しく貼り付ける。
技術はもちろん、「心」も必要な作業だといえます。
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「最近は責任をもって工事する人が少ないですね」と、地元札幌の状況を嘆く藤井さん。
他地域同様、札幌でも近年はリフォーム会社の台頭が目立つようで、派遣される職人さんの質が落ちているそうです。
もっとも、リフォーム会社に斡旋料を差し引かれ、お客さんとの打ち合わせなしに現場へ派遣される下請けの職人に責任を負わせるのは無理な話なのかもしれません。
この点を考えると、藤井さんのように自らがお客さんとやりとりし、工事をする職人さんに頼むメリットは計り知れませんね!
「最近は責任をもって工事する人が少ないですね」と、地元札幌の状況を嘆く藤井さん。
他地域同様、札幌でも近年はリフォーム会社の台頭が目立つようで、派遣される職人さんの質が落ちているそうです。
もっとも、リフォーム会社に斡旋料を差し引かれ、お客さんとの打ち合わせなしに現場へ派遣される下請けの職人に責任を負わせるのは無理な話なのかもしれません。
この点を考えると、藤井さんのように自らがお客さんとやりとりし、工事をする職人さんに頼むメリットは計り知れませんね!
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藤井さんは「今後、DIYのお手伝いもしていきたいですね」と言います。
近年はDIYで内装リフォームをする方が急増中。
しかし、既存の内装材を剥がし、パテで下地を整え、サンディングして、内装材を貼る……これらひとつひとつの作業に、一定以上の知識と技術が必要です。
作業前の養生だって、簡単な作業ではありません。
きれいな仕上がりを実現するために、プロの立場でアドバイスしたり、プロにしかできない作業を請け負ったりすることは、これから職人として求められる仕事のひとつといえそうです。
藤井さんは「今後、DIYのお手伝いもしていきたいですね」と言います。
近年はDIYで内装リフォームをする方が急増中。
しかし、既存の内装材を剥がし、パテで下地を整え、サンディングして、内装材を貼る……これらひとつひとつの作業に、一定以上の知識と技術が必要です。
作業前の養生だって、簡単な作業ではありません。
きれいな仕上がりを実現するために、プロの立場でアドバイスしたり、プロにしかできない作業を請け負ったりすることは、これから職人として求められる仕事のひとつといえそうです。
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「ていねい、正確」を超えた「心」を込めた作業を信条とする藤井さん。
障子やふすまの貼り替えといった軽微なリフォームから、今回の現場のようにこだわりの強い工事まで、幅広く対応しています。
「藤井表具」の出張範囲は札幌市、石狩市、江別市。
他地域への出張の相談にも応じているそうです。
DIYの相談をしたい方、リフォーム業者への依頼を迷っている方、そして職人の顔と心が見える工事を求める方。
一度「藤井表具」に相談されてみてはいかがでしょうか。
*取材・文=加藤康一(Freewheel Inc.)
「ていねい、正確」を超えた「心」を込めた作業を信条とする藤井さん。
障子やふすまの貼り替えといった軽微なリフォームから、今回の現場のようにこだわりの強い工事まで、幅広く対応しています。
「藤井表具」の出張範囲は札幌市、石狩市、江別市。
他地域への出張の相談にも応じているそうです。
DIYの相談をしたい方、リフォーム業者への依頼を迷っている方、そして職人の顔と心が見える工事を求める方。
一度「藤井表具」に相談されてみてはいかがでしょうか。
*取材・文=加藤康一(Freewheel Inc.)