|
|
「四方@HOME」の建築大工、四方智暁さんの御実家でキッチンリフォーム工事が完成との知らせを受け、京都府綾部市に足を運びました。
台風が迫るなか取材開始時間を早めての撮影取材でしたが、残念ながら大粒の雨と強い風で外からの撮影はできませんでしたのでご了承ください。
さて先ずはキッチン改修工事中の様子を四方さんから頂いた写真プリントで見ていきましょう。
床フローリング、お台所まわり壁はタイル仕上げと、オーソドックスな日本家屋の標準的なたたずまいです。
築後数十年の年月経過と共に所々で痛みも発生し、また使い難さを感じられていたお母さまの御要望でキッチンリフォームを施工する事となりました。
写真は家財道具が運び出され、台所のシンク等も解体して運び出された後の様子です。 ※床が汚れているのは既に工事が始まっているからです。 |
|
|
キッチンの解体が進み、既存の下地材も撤去されたのち、新たに床下地・壁下地・天井下地が設置施工された様子がわかります。
表面だけを張り替える等のリフォーム工事よりも、下地材を新たに組んで工事をする方が断然に費用対効果が良いとの事です。
それは築後の経年変化等で下地材の痛みや変形等がある場合、それに合わせて調整(つじつま合わせ)しながら新しい壁・床・天井を張り替えするよりも、レーザー計測器で水平垂直を正確に出し、新しい下地を作ってしまう方が、誤差の少ないしっかりした部屋が出来上がるとの事です。
大工さん自らの御実家へのリフォームなのですから説得力もあり間違いないですね。 |
|
|
写真の出窓部分は台所のシンクが設置されていた場所です。
今回のリフォームではこの出窓幅に合わせて部屋の拡張工事も行われ、床面積と収納も増やされました。
畳一枚よりも少し大きい床面積で新たな空間が生まれたのですから、これはかなり嬉しいですよね。
そしてアルミサッシ窓も大きくなり外からの採光も十分。 壁の内装張り替えだけでは得られない効果が発揮されています。
台風でなければ床増設の外観撮影もして巧みな仕上がりをお見せしたかったのに残念です。
綾部市の大工さん「四方@HOME」工四智暁さんは見えない所(隠れてしまう部分)にもしっかりした大工仕事をされる事が定評で、今回の御実家のリフォームのように下地工事から手掛ければ40〜50年は再改修をしなくてもよい部屋が完成します。
数年毎に補修を繰り返してその場しのぎするよりも、長い目で見て完璧なキッチンリフォームをした結果が今回の施工例となりました。 |
|
|
もう少しキッチン拡張部分を細かく見ていきましょう。
壁に埋め込まれた収納棚は床から天井に届きそうな大きさで、奥行きも十分に確保されていました。
棚板の高さ調節用に金属製レールが埋め込まれた収納棚なので、細かな高さ調節をして自由に使えるのも特徴です。
そして部屋の扉枠やキッチンシンク回りの材料と同じ木材を用いて製作した手作り収納棚なので、壁へのジャストフィットはもちろん、色の統一感も生まれています。
このような部分のリフォームでは大工さんの経験と空間確保の発想、そしてデザインセンスも表れるので、今回のキッチンリフォーム施工例は「四方@HOME」のお仕事を知るうえで、とても参考になるのではないでしょうか? |
|
|
壁は間柱(骨組材}を新たに作り直したのでしっかりした壁下地になっています。
そこへプラスターボード(建築石膏板材)を張り付け施工した後、最後の仕上げは自然素材である珪藻土塗り壁としました。
勿論、これは左官屋さんのお仕事ですから「四方@HOME」で普段からお世話になっている腕利き職人さんにお願いされました。
この漆喰壁は白色の一層目を荒く塗って凹凸模様を作り、乾燥後に灰色の二層目を薄く塗り重ねる事で、白色漆喰の凸部分を表面に浮かび出させているそうで、手の込んだ職人技の二層漆喰塗り壁としたことで、独特の表面模様がつくられているのです。
写真から漆喰の凹凸模様と色合いがお分かりいただけると思います。 |
|
|
床も新しい下地を作ってからフローリング張り施工を施しました。
床下地を強固な物に作り直し、各部材も精密に組み合わさっているので、歩いた時のキシミ音や体重でしなる事もなく頑丈な造りであるのが伺え、効果の程が感じられました。
昨今の台所家電は多種多様ですし、御実家が建てられた当時よりも格段に大型化した冷蔵庫などの重量にも対応するため、床補強は絶対に必要と考えられていたそうです。
更に裏勝手口に直接通じる利便性のよいキッチンでもあることから、ご家族の出入りが盛んな事も考慮して頑丈なフローリング床を造ったのです。
そして床下収納も新設したことでキッチンの使い勝手も向上しています。
床下地から造り直した恩恵が所々で発揮されていますね。 |
|
|
キッチンの要であるシンク水回りに行く前に、さらに部屋の細かい部分を見てみましょう。
建物の主な構造材(柱・土台・梁など)には手を加えていないので、築年数が経過したキッチンのリフォームですから、既存の材と新材を組み合わせる際に、既存材に経年変化で生じた収縮や湾曲などの変形に合わせてリフォームする必要も出てきます。
大工さんのリフォームで一番技術が表れるのは、実はその部分の仕上げ方ではないでしょうか? それぞれ大工さんの考え方でアプローチは異なりますし、もちろん技術力による差も出てしまうのが事実です。
隣の部屋と廊下へ通じる扉の枠を更に新しい枠で覆い、頑丈な造りにすると共に、僅かな歪みを矯正しています。
床の段差解消もリクエストにあった床フローリング張り替えは、既存の扉枠にわずかな歪が発生していたので、扉枠と新しい床との水平面確保に大工技術を注がれたそうです。
具体的には0.1ミリ以下のレベルで床面全体を徐々にひねる構造にしたり、あえて段差解消をしない部分も造りました・・・と言ってもそれは足の踏み場になり難い箇所に対して、1ミリにも満たない僅かなレベルなのです!! |
|
|
おまたせしました。 いよいよキッチンリフォームの主役的存在、シンク水回りの仕上がりを見てみましょう。
これまでの台所の使い方を考えながら、必要十分な選択として選ばれたのが現状で手に入る一番小さなシステムキッチンとなったそうです。
単純にキッチン台を入れ替えしたのではなく、水道管と電化用の電気配線も新たに引き直しており、既存のガス管は壁に埋め込んで残す形をとりました。
もちろんコンロ近くの壁は耐熱壁にするためにキッチンパネルが用いられています。
此方から部屋全体を見渡してながら、リフォーム前の台所シンクの場所(換気扇がある壁側)を想像しながら工事完成後を比べると、やはり大掛かりな台所リフォーム工事であったのを改めて知る事となります。
※天井は断熱材を埋め込んでから、軽量天井板材のジプトーンで張り替え施工がを施されました。 ※※勿論、壁にも同様に断熱材が埋め込まれています。 |
|
|
四方さんは「施主様の御要望に合わせて適材適所」でリフォームをおこないます。
施主様と打ち合わせの際には、経験を踏まえて最善のアドバイスの後、御予算や施工期間等の施主様の御都合を考慮して、最終的なリフォームの方向性を決めて工事に取り掛からせていただくとの事です。
地元の綾部市はもちろん、福知山市や海が近い舞鶴市などでも工事経験が豊富なので、水(雪・湿気)や海風への知識・技術も豊富であり、その技術が見込まれて遠く沖縄県の現場から応援以来が来るほどの大工さんです。
京都北部の建築大工さんをおさがしであれば、やはり地元の自然環境を熟知した「四方@HOME」四方智暁さんに御相談されてみてはいかがでしょうか。 |
|