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「仕事熱心な大工さんはクリスマスも頑張ります」と言う事で、街がクリスマスで賑わう12月25日… 「四方@HOME」・四方さんの軒天修理工事の取材に京都府綾部市を訪れました。 向う道すがら激しい雨が降る場面もあり、少し心配していましたが到着してみれば青空も覗かせる先ず先ずの陽気に。
早速、四方さんと挨拶・名刺交換の後、工事前の軒裏の状態や進行状況等の説明を受け、この日の行程の撮影取材となりました。
元々の軒裏天井はベニヤ合板製で経年劣化の為、所々で割れたり剥がれてしまったりと傷みが激しかったそうで、軒天張り替えを施す事となったそうです。 軒裏天井板を剥がすと案の定、下地も朽ちて脆くなってる部分もあり、軒天下地の張り替えも同時に施工しました。
その際、全ての軒天下地を張り替えるのでなく、傷んでいる部分だけとして費用の節約も考えられています。
右下写真は新しく貼られた軒天下地と、今回は流用される軒天下地です。(※色の明るい部分が新しく貼られた軒天下地です。) |
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今回の撮影取材に合わせて、修理の工程が分かりやすいようにと古い軒天井を残しておいてくださいました。
ベニア板に白い化粧板が貼られた軒天井は、御覧のとおり板割れや化粧板の剥がれ落ちの様子が見て取れます。
相当に劣化しているようで特別な工具を用いなくともパリパリと簡単に剥がれて、白い表面塗装は劣化が進み粉状になって飛散してしまう程です!
軒天井は直接雨も当たらないので数十年も持つ物だと思っていましたが、地域と軒天材によっては三年も持たない事もあるのだとか!!
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今回の軒裏天井の張り替えにはケイ酸カルシウム板(ケイカル板)が選ばれました。
軒裏天井材として近年は最もポピュラーな材料であり、耐久性・耐火性・耐水性に非常に優れた素材だとか。
ただしベニア合板の軒裏天井材と比較すると、重量が重く、若干高価な軒天材なのだそうですが、 先にも述べたように薄いベニア合板軒天井を用いて数年毎に軒裏張り替えをするなら、高耐久性のケイカル軒天材で長持ちさせ、修理のサイクルを長くするのが、結果的にコスト安だと四方さんはおっしゃいます。
四方さん自らが作業場で予めカットしたケイカル材を用意して、細かな加工は現場でおこなっています。 |
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カットしたケイカル板を軒裏に貼りつけます。
京都府綾部市の此方の住宅では、一階と二階を合わせると約33メートル程の総延長となる軒裏なので、サブロク板【(3×6板)909ミリ×1.818ミリ】が30枚必要です。
たった30枚?とお思いでしょう?(私もそうでしたから・・・) その30枚を半分にカットして60枚のケイカル板を一枚一枚張付けて行tっての33メートルです!
今回の軒裏天井張り替えにはタッカーを用いて軒天下地へ貼り付け作業をしますが、もちろん軒裏天井材や仕上げによってトンカチと釘を用いた作業もされるそうです!!
この貼り付けの段階までくれば作業はテンポよく進んでいきます。 |
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ただし全てが同じ寸法で!と言うわけには行きません。
写真のように建物の四隅コーナーでは更にカット加工が施されますし、また部屋の出っ張り等に合わせて軒裏の寸法が異なるので、そこでもカット加工が施されます。
外見上の軒の張り出しは統一されていても、軒裏の様子は色々です。
正確に採寸した後、ノコギリを用いてのカット。 これを丸ノコでやってしまうと余分な切れ目が入ってしまうので、手作業で慎重に、しかし素早く慣れた手つきで作業が進みます。 |
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屋根の角の軒裏が張られた様子。 築後数十年が経過しているので各部分の建築材は経年変化が発生しています。
木材の反り・ねじれ・肉引け等によって、各部の表面が微妙に凸凹しており、これらは多かれ少なかれ絶対に避けられない事だそうです。 なので四方さんは、それらの状況にあわせて仕上がりを想像しつつ、バランスを整えながら大工工事をされるそうです。
軒裏と云えどもひと目にさらされる場所であり、歪な仕上がりでは施主様も恥ずかしい思いをされてしまい、更に自分自身の大工仕事の評価にも繋がる事として、現場で出来る100%を目指します。
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軒天張り替えが随分進んでまいりました。
先程も述べましたが、カットが済んでいて極端なトラブルがなければ作業はテンポよく進んでいきます。
とは言え二階足場でへのケイカル材の持ち運びと軒天貼り換え作業はやはり重労働な事なのは容易に想像できます。
トラブルが無ければ!と言うのは軒天下地が使える状態である事が第一となり、更に壁や端隠しの劣化具合も考慮しなければなりません。
歪みや反り等が在る場合は、軒天下地を施工する際に歪みや反りの逆側にテンションを掛けて、形を整えたりもするそうですが、重度の歪等では桁や柱、垂木にまで手を加えなければならない事も有りるそうです。
幸いにも此方の住宅ではそれらは許容範囲内とされ大掛かりな事にはなっていません。 |
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無事に軒天修理が終わりました。 真新しいケイカル軒天材が綺麗ですね。
因みにタッカーで針釘を打ち込んでいますが、後日にそれの頭部分にタッチアップ(塗装)もされるそうです! 一枚のケイカル板には約16〜20本の針釘が打たれていますから、それが60枚分あるわけです!! と云うことは、二階から一階全ての針釘の数は約1000本以上。 それの一本一本をタッチアップされるそうで・・・いや、恐れ入りました。
した写真は、軒天と壁、軒天と端隠しの境目に押し縁(化粧縁)を取り付ける様子です。 |
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先程述べたように、壁や端隠しと軒天との境目には経年劣化による歪み等が原因で、数ミリ程度の隙間ができてしまうのです。 その隙間を塞いで形を整える作業がこれに当たります。
一本が4メートルもありますが15ミリ角程度の角材なので適度にしなり、歪んでしまった端隠しに沿わせて取り付けて行くのに適しています。
この部分は正直全く目立たない部分なのですが、四方さんは節の無い材を選んでカットの後、更に見栄えの良い材料を持ち込まれたと云うことです!
四方さんの「仕事の質を上げる意識」はこんな所にも現れていました。 |
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壁側の押し縁は元々の材料を用いた復旧と言うことになりますが、これは手を抜いた訳ではなく「押し縁の色味」を考慮しての事。 ※元の押し縁は極淡いブルーに塗装されており、外壁等とのバランスを考えると新しい材を用いて、更に新しく塗装してしまうと違和感があると予測されたのです。
若干の肉引けや歪みはあっても使えない程では無いので、こういった判断も的確な大工さんだと感じさせられました。 写真のように全てを機械で作業されずに、適材適所は使う道具一つとっても同じです。 大切なのは「やるべきことをやった結果であるか?」と四方さんはおっしゃいます。
今回の軒天修理工事を終え、施主様も気持ちよく新年を迎えられる事と思います。 京都府綾部を拠点に確かな技術の大工仕事で好評な「四方@HOME」の四方さんは、常に施主様を思いやる仕事を心掛け、それを実行されていました。
その仕事が評価され来年には沖縄や東北へも出張で出掛けられるとの事!今後の益々の御活躍が期待されますね。
京都府綾部・福知山等、京都府北部で軒裏張り替えなら等、腕利き大工をお探しであれば「四方@HOME」まで御連絡を。 |
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