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今日は東京建築芸人舎の代表 種田さんによる軒天の上張り施工です。
種田さんは大工職人として登録されていますが 今は 『 多能工職人 』 として東京23区でご活躍中です。
僕も今回の取材で初めて聴いたのですが 『 多能工職人 』 とは 一人の職人さんが1つの業務を遂行するのではなく 3〜4業種兼任できる職人さんをそう呼ぶそうです。
また別ページでは 種田さんのその他の施工記事を書いていますので ぜひご覧になってみてください。 |
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軒天とは 建物部分から少し出た屋根の裏側を言います。
屋根や外壁工事と同時にすることが一般的で 築30年以上の家屋では当たり前のようにありますが 最近の新築では軒天がない家も多くなってきています。
軒天がある分、建物のメンテナンス費用はかかりますが 雨や日差しから家屋を長期的に守る大切な部分になるため 決して軽視できません。
今回も外壁塗装前の施工として 下地の状態がそこまで悪くないため 補強をした上で、新しい軒天ボードを重ね張りする カバー工法で行われるということでした。 |
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軒天ボードの材質の種類には 一般的に安価で施工しやすいベニヤ板がありますが 今回はケイカル板 ( ケイ酸カルシウム板 ) が使用されます。
ケイカル板はベニヤ板よりも価格が上がりますが 耐火性、耐水性など耐久性にすぐれた材質でできています。
軒天は屋根からせり出した部分 つまり家の周りを囲むようにある為 種田さんは寸法を測ってはカットし また測ってはカットしていくという作業を繰り返されてました。 |
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ケイカル板を張りつけした後は このように屋根裏に溜まった熱気や湿気を屋外に出すための 通気口用の穴の開いた板を取り付けるため 寸法を測った上で専用のカッターでケイカル板をカット。
実際この作業中の種田さんは 二階部分の足場の不安定なところでしたが 慎重かつ丁寧に作業されていました。
ケイカル板は色や厚みなど種類が多く 防火性の高いモノもありますが お住まいの地域などにより使用できないモノもあるそうなので
そんな些細な不安や疑問もええ職人.COMでは 直接 現場で施工する職人さんに依頼するシステムなため 安心してご相談ください。 |
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種田さんは群馬県出身の35歳。
お父さんだけでなく木の一族と呼ばれるほど 家系がみな木工に携わっていたそうで
種田さんも幼少期は木で剣を作ったり 中学時代にはドラえもんの様に押し入れで寝るため 板をぶち抜いて自分でプチリフォームしたりと 趣味の延長線上の感覚で 『 楽しんで仕事をしてます 』 と。
高校卒業後、職人になりたくて勤めるも はじめは営業の仕事を任され そこで約4年間、営業の経験を積まれていき
独立した今だからこそ あのときの経験が活きていると実感されているそうです。 |
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その後、23歳で工務店に勤め 本格的に大工職人としての歩み かなり厳しい親方や先輩だったそうですが
そこで3年間ミッチリと揉まれ経験と技術を積み重ね 26歳のときにリフォーム専門として独立して しばらくしてから東京に拠点を変え
初めて東京の高層ビルなどが密集した 街並みの光景を目にしたときは このすべての建物のリフォームに携わってみたいと 大工職人としての血が騒ぎ、思わず興奮したそうです。 |
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種田さんには作業中や小休止中に こうやってご自身の経歴や仕事に対するこだわりなど いろいろと話していただき、そうこうしている内に 午前中にはこのようにすべての軒天に ケイカル板の張り付け作業が無事に終わりました。
軒天は白色やクリーム色のモノが多く 雨や風などの影響を受けるため 当然 劣化して剥がれたり、汚れが目立ってくるため 定期的なメンテナンスが必要になってきますが 建物を守るためにとても大切な箇所ですので
早目の対応をすることが費用の面だけでなく 現場で作業する職人さんにとっても 両者の負担が軽減されるため今一度 ご確認ください。
取材撮影&文 : とくおか じゅん |
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