|
|
まずは壁の寸法を測る種田さん。
ここはたくさんのビルに囲まれた 東京都中央区日本橋です。
この日、種田さんが こちらの会社オフィスのクロスの貼り替えをされるということで 日が沈んだ夕方頃、お邪魔させていただきました。
大工さんなのにクロスの貼り替え? と 疑問に思われた方。
実は種田さんは 『 多能工職人 』 という 一人の職人さんが3〜4つの業種をするという 大工職からクロス、電気、ガス、水道と とても器用な職人さんなんです。 |
|
|
寸法を測り終えると お客様が選ばれたというクロスをカットし 専用の機械ではなく 今回はハンドローラーを使って糊付けされていました。
以前、取材させてもらったときに初めて耳にした 『 多能工職人 』 という業種。
種田さんは大工職を続けていくうちに 現場では様々な職人さんが関わることで 分離発注の大変さを実感され
だったら自分ができるようになればと このクロス貼りも独学で技術を習得されました。 |
|
|
木工一家と呼ぶにふさわしいほど 家系のみなさんが木工の仕事に携われていて 幼いころから自然とこの世界に親しんでいた種田さんは
高校卒業後、工務店の営業を4年ほどされたあと 本格的に大工職人としての道を歩み始め
厳しい親方や先輩の指導の下 持って生まれた大工職人としてのセンスを磨き 僅か3年後に独立。
実際にお話をしていて 職人としての勘の良さ、頭の回転が速く とても器用な人なんだと思いました。 |
|
|
丁度、大きなテレビが置かれていた 後ろとなる壁で一旦 テレビを移動し 元々あったクロスを剥がし
糊付けが終わると糊が乾く前に 素早く貼り作業に入ります。
元々、クリーム色 一色だったクロスですが 今回、アクセントをつけたいという お客様のご要望により一部分に黒のクロスを合わせます。
こうやって作業されている間も種田さんはお客様と フランクにコミュニケーションを取られていて 『 営業で培った経験が何気ない場面で活きている 』 と仰る通り ただ仕事だけができる職人さんではありません。 |
|
|
クロス貼りの良し悪しが 素人の人でも一目瞭然で分かるポイントがジョイント部分。
つまり、クロスとクロスの繋ぎ目です。
実際に一部 貼り終えられたところを拝見させていただきましたが 『 分かりますか? 』 と自信に満ちた種田さんの表情が物語る通り ジョイント部分が間近で見ても分かりませんでした。
作業姿を見ていても本当に手際が良く 何の迷いもなく進められていて 本当にセンスの良さが伺えました。 |
|
|
これでクロス貼りは完成です。
いかがでしょうか?
元々、一色だったが壁紙ですが このように様々な種類の色のクロスを組み合わせることで 壁にアクセントが生まれ スタイリッシュな雰囲気のオフィスに生まれ変わり 従業員の方々も大変 喜んでおられました。
今現在、クロスの種類は豊富にあり 自分の好みに合った壁紙を センスある職人さんに直接 相談、提案することによって 丁寧で安心なモノが必ず生まれます。 |
|
|
苦しいことや大変なことを経験した人だからこそ 時代の流れに合わせて 人の喜びや幸せを敏感に察知することができる。
『 想像以上の未来を創ります 』 という キャッチフレーズを掲げる種田さんは そんな想いを胸に東京23区でリフォーム業をされています。
そして今後は、これまでの自分の経験を活かし 全国的に問題となっている職人不足を解消するため 若い人たちにまず興味を持ってもらって育成をしていきたいと その熱い想いも語っておられました。 |
|
|
こちらは同じオフィスにある古材カウンター。
レンガは他の職人さんが施工されたそうですが こちらの古材カウンターは 種田さんが古い木を使うことで オフィス内にオシャレな空間ができました。
『 あとは電球も替えてリフォーム完成です 』 と
この日の種田さんは、午前中に別の現場の施工後 打ち合わせをしてこちらのオフィスに17時過ぎに到着して作業と ハードな一日の中で取材させて頂きました。
取材撮影&文 : とくおか じゅん |
|