大工　福井史聡の施工例

皐工務店が手掛けた高級分譲マンションのリフォームが完成を迎えたとの知らせを受け、大阪府箕面市へ脚をはこびました。

午前中にはオーナーとなる御家族の御親族がリフォーム完成を下見に来られるとの事でしたから、皐工務店代表の福井さんも緊張と喜びでこの日を迎えられたのではないでしょうか？

昼一番に待ち合わせをして福井さんと合流すると少しションボリ！下見をされた御親族の反応が「普通でした・・・」との事でした。
パッと見は施工前と代わり映えしないかも知れませんが、拘りの丁寧なリフォームは、その部屋で永く暮らせば必ず違いが出てきますから、オーナーさん御家族が喜んでくださる日が来るはずです。

さて前置きはこれくらいに、最初のカットはフローリングもクロスも張り替えがされる前のリビングの様子。
壁や天井、扉のクロスはアイボリー色になっていますが、実はオフホワイトのクロス貼りの部屋だったようです。
取り外されたエアコンや壁掛け時計、シーリングライトで覆われた箇所との色の違いが、それを示しています。

床は、床暖房の設備が傷つかないようにエコフルガードが敷き詰められ、さらにブルーシートで二重の養生がされています。

こちらがリフォーム完成後のリビングダイニングの様子。
新しく貼り替えられたホワイトの壁紙が広い部屋中に光を廻して、眩く明るい室内になりました。

エアコン取り付け場所で比較していただくと、クロス貼り替え前と後での差が歴然なのがお分かりいただけるのではないでしょうか？

先日にフローリング張りの途中までを取材しましたが、完成の仕上がりは想像以上でした！
「それは何故か？」は後程お伝え致します。

そうそう、「明るく見えるのは写真の撮り方、写真加工のせいだろう？」と思われる方もいらっしゃるかも知れません！
施工途中の写真と完成写真の【窓の外の明るさ】を比較してくだされば、完成写真が明るく加工された物でないのがお解りかと思います。

こちらはリビング横の和室。
畳六帖の広さがありますが、隣に13.2帖のリビングダイニングが在るので大きさの感覚が麻痺してしまいます！

真新しい畳の香りが心地よい和室は、和柄クロス張り替え、押し入れの襖とリビングへ引き扉も和柄に張り替えられました。
この引き扉はリビングダイニング面では壁・天井のクロスと同じ物が張られているので、違和感を感じさせない仕上がりになりました。

そうそう！煙草のヤニの影響と思われる、黄ばんだ障子紙も真っさらになっています。

こちらは広い玄関ホールに新設されたフローリング床六帖の部屋。
クローゼットの床部分もフローリングが施工されて統一感が出ています。

前回の取材時にも福井さんがおっしゃっていた、フローリング割り付けの高度な技術が伝わってまいりました。
具体的に述べると、部屋の端に貼られるフローリング床材の治まりの美しさですが、腕の好い職人ほど自然な仕上がりに見えてしまうそうなので、仕事が報われ難い箇所かも知れません。
「違和感なく自然に見える」と云うのが最大の褒め言葉なのかも知れません！

ここで「御親族の下見の反応」を思い出しました！
僕は仕事で大勢の職人さんを取材して、知識や見るべき点を学んで参りましたが、そうではない方々が同じ目線で職人さんの仕事を評価するのは難しいのです。

職人さんの仕事を知らない頃の私だったら、きっと、「高いリフォーム料金を支払ってるのだから当たり前！」と、特に感心が向かなかったと思います。

フローリング張り替えの技術の高さをもう少し。

ここの部屋は105㎡の広さがあり、和室・洗面/浴室/トイレ・玄関ポーチを除くと、総フローリング仕上げのバリアフリー床になっています。

部屋扉の段差が無いだけでなく、床面の全てが連なって見えるバリアフリーフローリング床なので、
連続性のある滑らかな連なりに仕上げる為の、割り付け・フローリング加工・設置施工が難しいのだそうです。

基準になる一箇所から左右・四方に、同じ並びでフローリング床板張りをしていくのですから、その基準点を決めるセンスでも仕上がり結果に差が出てしまう、繊細な施工工事なのです。

玄関ポーチの天井と、キッチン・洗面の仕上がりはこんな感じに。

設備は既存の物ですが、壁紙貼り替えが施され、床は水回りを考慮してクッションフロアに張り替えられました。

高級分譲マンションの複雑なエクステリアにも対応したクロス施工も流石といえます。

貼る面が増えれば増えるほどクロスのカット工程も増えますから、職人さんの腕の見せどころと云ったところではないでしょうか？

翌日に引き渡しを控えたこの日、皐工務店が監督する作業としてフローリング床ワックス処理を大手専門業者に福井さんが依頼しました。

以前の現場でハウスクリーニングを依頼した時に、手抜きのない仕事ぶりを見て以来のお付き合いだそうで、ビルを丸々一棟のクリーニング施工を頼まれた事もある方で、フローリングワックス掛けのプロ職人・城さんです。

ワックス掛け前の仕上げ方法も他の仕事と変わらず福井さん・城さんとで共有してから、作業に入るのは流石ですね。

フローリング床貼りを終えたばかりの床に、部屋の奥から手前にワックスが塗布されて新品の床が更に艶々に輝きだしました。

広い部屋の場合は区画を作り、境界ごとにフローリング床ワックスを塗布していくのだそうです。
塗布直後の床の手前と奥とでは床面の光の反射が違うのがお解りかと思います！
※フローリングワックスは乾燥すると光沢が消えるそうなので、塗布直後に撮影しました。

皐工務店の仕事クオリティーは細部に宿っている部分も多そうです！
城さんが床ワックス施工をされている間、福井さんはキッチンや玄関ドアの細かな汚れを出来る限り取り除いていました。

福井さんはハウスクリーニング技術を学ぶために大手専門業者で仕事をされた経験もお持ちですので、その技術/経験をプラスして、お客さんが気づかないかも知れない細かな部分への目配りを実践されているのだとか。
※一連の工事を終えてから、専門業者さんにクリーニングを依頼したそうですが、福井代表の厳しい目に留まる部分もあるよう！
※業者さんは時間の限り業務に励まれますが、それでも一定のマニュアルに沿った仕事には限界があるので、それは仕方ない事ともおっしゃっていました。

そこで福井さん御自身がチェックして手直しする事で、100％の仕上がりに近づけるのだそうです！

ワックス職人の城さんによって、リビングダイニングから他３部屋のワックス塗布、廊下を伝って、最後は玄関ポーチまでのフローリング床ワックス掛けが進められました。

そして全ての照明が落とされて、皐工務店が手掛けたマンション部屋増設とクロス貼り替え、フローリング床貼り替え施工のマンションリフォーム工事が終わりを迎えようとしています。

ワックス職人の城さんも最後の最後まで手抜きなく・・・いやむしろ自身の担当外の気配りをされて退去準備に！

翌日には関東から引っ越して来られる新オーナーさんに引き渡しされ、この部屋に入られた時、「やるべき仕事を真面目にやってくれた」と感じて戴ければ、それが素直に嬉しいと、福井さんは話されました。

大阪府箕面市の高級マンションで執り行われたマンションリフォーム工事は滞り無く完了いたしました。

もしオーナーさんが工事の経過を直接に御覧いただけていたなら、十分以上に御満足できるリフォーム工事だったと思います。
ビル一棟を丸々のリフォームも手掛ける皐工務店の腕前は伊達ではありませんでした！

作業中の引き締まった表情と、一段落してる時の柔らかな表情の差は、それがそのまま仕事に対する気持ちの現われだったと思います。
そして取材時に居られた職人さん達の名前は表記して欲しいとおっしゃった福井代表！
それは「工務店の本分を全うする」と云う思いから発せられており、各分野の腕利き職人と一緒に、一つの仕事を成し遂げる喜びを感じていらっしゃるのです。

皐工務店は兵庫県尼崎に拠点を置き、近隣の箕面市等で大工仕事に携わっています。
今回のような大きなリフォームでなくても、例えば階段手すり取り付け等も、喜んで工事させていただきますとの事で、大工職人の福井代表が自らも大工仕事をしながら「工務店の本分に拘って」お仕事をされている会社でした。