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東京都府中市の水道屋さん「輝工設備」の村山俊行さん。 法人化したのは2018年とつい最近ですが、お父様の勉さんが創業したのはおよそ30年前。 親子で現場に出ています。
出張エリアは都内全域に加え、神奈川・千葉・埼玉と広範囲。 水まわりのリフォームやメンテナンス、緊急工事など、なんでも対応してくれるそうです。
今回うかがった現場は、都内の商業ビル内にある、メガネ販売店のオフィス部分。 ここに、小型電気温水器付きの新しい洗面化粧台と、洗濯機を取り付ける作業です。 この記事では、洗面化粧台の取り付け工事を中心に紹介しましょう。 |
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写真が作業前の状態。 ステンレス製のシンクがあり、給水(上水)・排水(下水)がひとつずつという、ごく一般的なつくりになっています。
このシンクは撤去せず、洗面化粧台の横に設置しなおすとのこと。 また、つぎの記事で紹介するように、隣に洗濯機を設置するため、給排水それぞれを3つに分岐させる必要があります。 水道工事のプロからすれば、特別難しい工事ではないものの、排水管の勾配を確保する点には気を使わなければならないそうです。 |
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まず、給排水のパイプを取り外して、シンクをいったん移動。 勉さんが周囲を養生したうえで作業を進めます。 移動したあとの床の汚れなどもきれいに掃除。
この現場では、オフィス全体の給水を止める必要があるため、村山さんはあらかじめ作業日・時間帯をお客様と相談してありました。 もちろん、了解を得ているとはいえ、トイレなどが長時間使えなくなるのは不便。 できるだけスピーディに作業を終了する事が求められます。 |
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村山さんのプロらしさが感じられた一面。 それは、現場を極力汚さず、整理整頓に努めているところです。
持ち込んだ資材や工具は養生シートの上にまとめ、出たゴミはすぐに片付ける。 とくに今回の現場は、社員の方々が働いているなかでの作業となったので、スペース的にも邪魔にならないよう、気を遣っているようでした。
村山さん曰く、リフォームやメンテナンスの仕事は、限られたスペースで行なうことが多いんだとか。 お客様の生活や仕事の妨げにならないように作業することは、大切なことなんですね。 |
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設置場所が整ったところで、新しい洗面化粧台を置いてみます。 勉さんとふたりがかりで、傷などがつかないように丁寧に梱包を外して設置。
化粧洗面台は、お客様の希望と予算に合わせ、比較的シンプルなタイプにしたとのこと。 温水と冷水それぞれにバルブがついたもの、キャビネットがついたものなど、洗面化粧台にはさまざまなバリエーションがありますが、村山さんのようなプロに相談すれば、最適なものを選んでもらえます。 |
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洗面化粧台の下部キャビネットの下に見えているふたつの穴。 左が排水口、右が給水口になります。 排水口は、ここでふたつに分岐させ、一方を洗面化粧台用、もう一方をシンク・洗濯機用にします。
シンク・洗濯機用の給排水パイプは、洗面化粧台の下から外に出す形になります。 そこで、ホールソーを使って洗面化粧台の側板下部に穴を開ける作業を行ないます。
勉さんは作業で出る木屑などをすぐにウエスで拭き取り、現場を汚さないようにしていました。 |
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洗面化粧台の給排水管をつなぎます。
排水管には、臭いが上がってくるのを防ぐ横S字型の「排水トラップ」がついていますが、小型電気温水器を取り付ける場合は、タンク内の膨張水を逃す「排水ホッパー」も取り付ける必要があります。 これらは小型電気温水器に同梱されているのが普通です。
この洗面化粧台の蛇口は、ホースが伸びるタイプ。 村山さんは伸び具合を確認しながら、ホースの長さを調整します。 短すぎても、長すぎても使い勝手が悪くなりますからね。 |
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洗面化粧台のキャビネット内に、小型電気温水器をセットします。 配管は器具の指定通りに行なえばいいのですが、スペースに余裕がないため、フレキ管(ホース)などの取りまわしはよく考えなければなりません。 給排水管の作業もそうでしたが、キャビネット内の狭いスペースでの作業は、なかなか大変そうです。
ちなみに、小型温水器にはいくつかのタイプがあります。 今回は容量6リットルのタイプを選択しましたが、ほかに容量が大きいもの、壁掛け・据え置き、温度調節の違いなどがあり、目的に応じて選ぶことが大切。 設置を考えている方は、プロに一度相談することをオススメします。 |
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給排水・小型電気温水器の作業が終わったところで、鏡や照明器具を設置。 難しい作業ではありませんが、きちんと水平がとれているかどうか、壁の裏側までネジが貫通してしまわないかどうかなどを確認しながら行ないます。
照明器具用の電源コードの取りまわしにも、注意が必要。 この現場ではコンセントの場所が限定されているため、電気温水器用の電源とともに、どこを通してどうつなぐかを考えながら作業します。 |
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給排水パイプ、小型電気温水器、照明器具がすべて取り付けられて、作業は終了。 電源コードは洗面化粧台下部のけこみ板に切り込みを入れて処理しました。
もちろん最後は、きちんと使えるかどうかをチェック。 照明を着け、水を流し、温水が出るかどうかを確かめ……すべてOK! これで工事完了です。
「ていねいな仕事を心がけています」という言葉通り、村山さんは、ひとつひとつの作業を確認しながら行なっていました。 それでも予定していた時間をほんの少しオーバーする程度。 さすが水道工事のプロ!といえる、ていねいさと手際のよさが印象に残りました。
*写真・文=加藤康一(Freewheel inc.) |
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