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今回は僕自身初めての 九州の職人さんの仕事っぷりをご紹介します。
阿蘇郡を中心に熊本県全域で活動されています 『 福田工業 』 の 福田さんです。
福田さんはキャリア25年。
瓦屋さんだからといって、瓦のことだけでなく 陶器瓦、セメント瓦、カラーベスト、板金屋根・・・と 新築の屋根工事から補修工事などなど 屋根のことなら幅広く対応できる職人さんです。
今日はその福田さんの施工現場にお邪魔しました。 |
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家主さんに伺うと、こちらのお宅は築50年。
屋根瓦が台風による被害で一部剥がれ落ちてしまったため 今回、福田さんによる補修工事となりました。
熊本県では桟木を下地に打ち付け そこに瓦を引っ掛けて釘で固定する 引掛け桟瓦葺き工法、いわゆる桟掛け ( さんがけ ) が主流ですが
今回のように築年数が経っている古いお家などは 下地の上に杉皮などの下葺き材を張って その上に粘土を乗せ、瓦を葺く土葺きもまだあるそうです。 |
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まず福田さんは屋根の状態を見た後 剥がれてしまったモノや割れた瓦を取り外し 下の土や周りの瓦の状態を確認されていました。
福田さんは生まれも育ちも熊本県の方ですが 中学卒業後、京都にそば職人として 住み込みで4年間修業されていたそうです。
その後、お父さんのお手伝いで 地元 熊本に帰ってこられこの世界に。
別の会社でしばらく修業して経験と技術を身に着けていき 独立して今は阿蘇郡を拠点に 熊本県全域の屋根の施工に携わられています。 |
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今日のお宅の屋根瓦は陶器瓦で 元々、予備に備えられていたモノがあった為 同じ陶器瓦を使用します。
ただ、長い年月の経過により土台にズレが生じているため 合わせては土台を調整し 瓦をグラインダーを使って最適な大きさにカット。 次の瓦も合わせてはまた測ってカット。
そうやって瓦をひとつひとつ葺き替えされていました。 |
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実際に僕も屋根の上から取材していましたが 屋根の上は天候の影響を受けやすく 足元も傾斜があって滑りやすいため
特に今回の陶器瓦は雨風による埃などが乗っている状態で 福田さんも 『 滑りやすいので気をつけてください 』 と。
そんな屋根の上が主戦場となる福田さんたちに とても心強い味方が登場。
『 ハイパーブイ 』 という靴底に特殊なゴムが使用され これにより危険性がかなり回避されるようになり より安心安全に作業ができるようになったそうです。
それでも常に手と足や周りの環境に十分意識していないと 一歩間違うととても危険な作業であることに変わりはありません。 |
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高さへの恐怖はそれほどなかったそうですが 『 修業時代はとにかく大変だった 』 と 福田さん。
先輩に教えてもらって頭で理解しても 実際 自分の手でやると同じようにできなくて 常に疑問を投げかけながら向き合う日々。
『 雨を漏らさない 』 『 キレイに仕上げる 』
この2つをいつも胸に秘めて これまで様々な現場で家の上から見守る仕事をされてきました。
震災関連で施工したお客様から感動のお礼を頂いたときは 福田さんも思わず熱いモノが胸に込み上げ 今までにない高揚感と達成感があったそうです。 |
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福田さんの確かな技術と経験によって 割れた瓦の補修も僅か2〜3時間でご覧の通り。
屋根は家にとって 一番雨風などの影響を受ける過酷な場所であり 普段見えにくい部分だからこそ 職人さんの腕によって大きく左右されます。
どこに頼んでも結局やるのは職人さんだからこそ こうやって福田さんのような職人さんに 直接 依頼、相談した方が断然安心感が違います。
はじめは撮られるのがぎこちなかった福田さんですが 『 少しずつ慣れてきました 』 と ご覧のポーズ。
同郷のお笑いコンビ、くりぃむしちゅーの有田の弟さんと 小学校時代の友人でよく遊んでいたというのは、ここだけのお話し・・・
取材撮影&文 : とくおか じゅん |
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