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昨日の雨模様から一転、快晴に恵まれたこの日 大阪府泉佐野市の大工職人 高畠さんの新築工事が完成したということでお邪魔しました。
関空自動車道を降りて 閑静な住宅街が立ち並ぶ中に高畠さんのお家はありますが
僕自身はこの日が初対面とあって 以前の記事で家の雰囲気はなんとなく把握していたつもりですが いざ現場に到着すると その見事な出来栄えに思わず見入ってしまいました。
こだわりにこだわったこのお家が どのような経緯で生まれていったのか?
早速見ていきましょう!! |
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取材後日 完成までの経過写真を送って頂きました。
一からすべてにおいてこだわりの家ということで 高畠さんはまず柱や梁などに使用する木材を選ぶところから 材木屋さんに直接 観に行かれました。
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二級建築士の資格をお持ちの高畠さんの設計により 大工仲間の職人さんたちといっしょになって ひとつひとつの木に墨付け、刻みを施していきます。
近年、プレカット主体の新築が増え 大工さんの作業効率が上がったことにより
こういった墨付けや刻みの技術が未熟であったり 昔ながらの木造建築の構造を理解できていない大工さんが 増えているというのが建築業界の実情です。
どこに頼んでも、現場でやるのは職人さんです。
だからこそ、これから家を建てようとお考えの方は 大手ハウスメーカーのブランド名ばかりに捉われず
高畠さんのように確かな技術と経験 信頼できる仲間をお持ちの職人さんに 直接 相談されるという選択肢もあることを知っておいてください。 |
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コンクリートを流し込み住宅の基礎。
そして少しずつ組み上がってきました。 |
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基礎工事からある程度の土台ができるまでは このように高畠さんの信頼できる職人さんが皆集まって 造り上げていかれました。
誰が造ったのか?
職人さんたちも一人の人間です。 顔の見える施工こそ、ええ職人.COMが目指す 安心、安全、信頼できる家造りなのです。 |
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大きな柱などはこのようにクレーンを使い 職人さんたちが墨付け、刻まれた木材を的確に施工されていきます。 |
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そして屋根瓦。
コストや作業スピードの良さから 近年、カラーベストのお家が増えてきていますが 木材にこだわった和風建築にはやはり瓦が合います。 |
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瓦はひとつひとつが重量感があって 雨風などから家をしっかりと守ってくれ メンテナンスをしっかりとすれば半永久的に使えます。
職人さんの手によってひとつひとつ施工されていきました。 |
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約一年かかって完成です。
一つの家を造るのにこれだけの職人さんの 技術と想いが込められているんですね。
ではそのこだわりを伺っていきましょう。 |
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中も当然 見どころたくさんですが 高畠さんと奥さまにごあいさつをして まずは外観からご説明していただきました。
こちらのお家は隣接する倉庫まで合わせて土地だけで150坪。
南向きの家になっていて そうすることで日差し、特に真夏の西日が 直接 家に入らないよう西側の窓も無くしたそうです。
屋根を支える柱が少し顔を出し 左官職人さんが手掛けた外壁にも 高畠さんのご説明から、とてもこだわられたことが分かります。 |
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玄関前の軒も長めに取ることで 日差しや雨などの影響をできるだけ抑えるようにし 隣接するガレージへの行き来もスムーズになっています。
ちなみにこちらに見える柱は絞り丸太。
『 和モダンな家 』 をテーマにということで この柱の存在が玄関に来てまず目に入ってアクセントになってます。
ちなみに屋根付きのガレージは車二台が十分停められるスペースで 休みの日には同じ地元 泉佐野の知人やお友達を呼んで みんなでワイワイとバーベキューをされるそうです。 |
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先ほどの絞り丸太と共に お家のテーマを象徴するモノが玄関前上部の軒天です。
墨付けをして刻んだ木が 一本一本 隙間なくキッチリと差し込まれていて 細く見えます部分は竹になります。
『 とにかく大変でした 』 と 高畠さんのその言葉が示すように ここの作業だけで丸三日!
奥さまも施工途中、何度か見に来られたそうですが 『 一向に進んでなかった・・・ 』 と仰るくらい
出来上がりを拝見させて頂いただけでも 気の遠くなるような作業だったことが想像できます。 |
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外壁ひとつとってもそう。
左官屋さんの提案によって縦と横を組み合わせ縞模様にしたり 玄関前の外壁も色や形など何種類もあるモノから 家の雰囲気に合ったモノをお二人で相談して決められ
高畠さん曰く 今回の家造りは奥様の意見・提案がとても大きく 自分にはない女性ならではの感性があったことで 施工途中にいろいろと新しいイメージが生まれたそうです。
家を造るに当たっても 間取りの設計は事前にされたそうですが デザインのイメージはその都度 施工過程の中で決めていかれました。 |
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外観だけでこれだけの想いが詰まってますから 家の顔とも呼ぶべき玄関に入るとそれはすごいです。
大人が数人入っても余裕のある 広々としたとても開放感のある玄関のため出入りがしやすく
敷台下には軽石を敷き 暗くなるとダウンライトが照らされ 昼と夜ではまた違った雰囲気になるという ちょっとした工夫が施されています。
入った左手には靴を置くためのスペースがあり 右手にも収納スペースがあって重宝しそうです。 |
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玄関入った左手の靴スペース前にありますこちらの柱。
エンジュ(槐)という邪気を払い 幸福を招くという縁起の良い木が使われています。
一般の方にはなかなか馴染みがなく 意識が行きにくいところではありますが 柱は家を支えるためだけにあるのではなく
自然の景観と同じく 生活の中で常に目に入ってくる部分でもあることから 決して雰囲気を壊さず主張もし過ぎず でもしっかりと存在感があるモノ・・・そんな印象でした。 |
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こちらの玄関スペース。
先ほどの柱ではエンジュ。 上がり框にはタモ。 フローリングはレッドシダー(杉) そして、敷台にはケヤキ (右画像) ・・・と、様々な木が使用されています。
ケヤキは耐久性が高く 今回のように丸模様 『 玉杢(たまもく) 』 が 磨けば磨くほど立体的に浮かび上がってくるという
材木屋さんにとても珍しいよと言われた一品で 迷いなくこの木を選ばれたそうです。 |
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次は二階へと通じる階段。 見た目にも楽しませてくれるデザインで これは奥さまのご要望。
木と木が組み合わさっていて 観ている分にはとても興味深いですが 実際の作業となるとこれも玄関前の軒と同様 根気のいる作業だったことが分かりますね。
写真のように木をひとつひとつ切っていき それを一段一段積み重ね、こちらで16段。 幅も広く傾斜も緩やかで安全面も考えられた設計になっていて
階段の上り下りで目も楽しませてくれる 小物置場として壁に作られたスペースは 高畠さんが奥さまにサプライズとして造られました。 |
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二階は現在2部屋ありますがとても広く 一つの部屋に扉が2つあったのですが それは今後、家族が増えたときに 間仕切りをして1つの部屋を2つにするためということで
子供部屋にと予定されてる部屋には ロフト兼グルニエがあって、上がってみると家を支える柱が 間近で見ることができました。 ( 右上写真 )
それぞれの部屋を無駄なく使うことで 収納スペースを確保。
収納スペースはあればあるほど助かります。 |
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1階にはワンフロアに キッチン、リビングとある中に和室があります。
和風建築を大切にする高畠さんは どうしても和室を造りたかったそうですが
奥さまははじめ、昔ながらの和室のイメージが頭に浮かんだため 家の雰囲気に合わないから あまりスペースを取らない方が・・・と思われたそうですが
洋室の中にあっても違和感のない 和モダン調の和室にすることでその不安を払拭。 玄関前の軒天と同様、こちらも竹が施されています。
確かに家にお邪魔して真っ先にこちらに目が行きました。
決してお家の雰囲気に合っていないわけではなく むしろ同じ空間の中でも自然に存在しているという感じで 中に入ると洋間とは違った雰囲気が味わえます。 |
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キッチンは奥さまがメインで立たれる場と言うことで 白で統一感を出し収納スペースもたくさんあり 水道の蛇口は2つあって一方が浄水器になっています。
動線を意識した造りで 作業台とキッチンの間も広く取られていて 人と人が余裕を持ってすれ違いができます。
コンロはガス式。
奥さまのご実家がお米屋さんということで 『 ガスだと電気釜より美味しく炊けます 』 と ご飯大好き人間の僕にとってはうれしいことを教えて頂き 今度、機会があればやってみようと。
高畠さん曰く、冷めてもその美味しさが持続されるそうです。 |
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高畠さんご夫妻のこだわりが詰まりに詰まった お家のご説明がひと段落したところで 奥さまに紅茶を淹れていただき高畠さんのこれまでの 大工職人としての道を伺いました。
お父さんや親戚の方は大工をされておらず 大工業とは無縁だった高畠さんですが 友人の友人が工務店で働いていたことで興味を持ち 18歳のとき、自ら工務店の面接へ。
昔の職人の世界では一からキチッと教えてもらえることなどなく ただひたすら雑用でも先輩などに可愛がってもらったおかげで 辞めようとは思わず、少しずつ技術と経験を積み重ね 21歳くらいのころから仕事の楽しさを見いだし、28歳で独立。
いつか自分の家を建てたいという想いを今回 実現され 『 今までにない達成感を味わえました 』 と嬉しそうに仰ってました。 |
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人生の大切なパートナーである奥さまと出会い結婚され これまで以上に仕事に対して責任感が生まれましたと 今の高畠さんは職人として最も脂の乗った状態かもしれません。
コストや時間に追われたスピードを重視する施工ではなく 親身になって安心、安全、納得した家造りができることが 一職人さんに依頼する最大の良さですので
泉佐野市や大阪府南部(南大阪・泉州地域)及び和歌山県北部などで 何かありましたらお気軽に高畠さんにご相談ください。
リビングでは共通の趣味である映画の話もし 高畠さんは邦画派、奥さまと僕は洋画派。
好きなジブリアニメを尋ねると・・・ 高畠さんは 『 天空の城ラピュタ 』 奥さまは 『 ハウルの動く城 』 ちなみに僕は 『 魔女の宅急便 』 です (笑)
写真一部(施工途中) : 高畠さん提供 取材撮影&文 : とくおか じゅん |
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約一年の施工記録を記事に載せきれなかったので 高畠さんがこだわって造ったおうちができるまでを スライドショーにしました。
良かったらご覧ください。
スライドショーはこちら・・・ |
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