京都府長岡京市　　美容室「Belle　hair　iroha」の新装工事

京都府長岡京市の大工職人 秋山さんは
行きつけの美容室で大崎さんに
いつも髪を切ってもらっています。

一人はお客さん
一人は美容師さん
はじめは互いをよく知らなかったお二人も

時間が経つにつれ次第に仲良くなっていき
秋山さんがいつものように髪を切りに行ったある日
大崎さんが独立する話題になって

「 だったら僕 大工だしお店つくれるよ 」

そんな何気ない会話から事が進み
今回の美容室の新装工事が実現しました。

ケーキ屋さんが閉店されてから
一年間空きスペースとなっていた所を
大崎さんは偶然見つけられ
ここで新たな一歩を踏み出そうと決心

依頼を受けた秋山さんはまず現場を確認
電気や水道メーターもない状態で

グリーストラップ（油を溜めておく場所）から発する
飲食店厨房の生臭いニオイが立ち込めていて

臭いが少しでも残っていると
美容室に来たお客さんに
不快な思いをさせてしまうことから

その臭いの元をなくすために
コンクリートを斫って
グリーストラップを完全に撤去してから

給排水の仕込み作業をされました。

床は塩ビタイプのフロアタイルが
一面に張ってあります。

事前に大崎さんからお店の雰囲気の
イメージ画像を送ってもらい

それを基に秋山さんは
イスの数やカウンター、受付
スタッフルーム、シャンプー台など

必要なモノを確認、相談しながら
１５坪の限られた空間の中で図面を起こし

工事を進めていかれました。

天井はRCの雰囲気を活かすため
あまり手を加えず

室温を一定に保つシーリングファン
数を増やしたり移動できるスポットライト

コロナ禍ということで
座席ごとに透明の抗菌シートが
吊り下げられていますが

これは今後コロナが収束した際には
簡単に取り外すことができます。

コンクリートの壁には配線できないため
パイプ管をあえてむき出しに見せることで
大崎さんのイメージにピタリとハマり

各座席の前に取り付けられた
鏡の縁の色に合わせるため
パイン材に塗装を施したカウンター台

間仕切り壁もただクロスは張るだけでなく

上部にはカウンターと同じ物を使って
統一感を意識して造られました。

カウンター横に取り付けられた小さな扉

何かと思って聞いたら
カットした髪の毛をさっと掃いて
一旦この扉の向こうのスタッフルームに
集めておくための扉だそうで

トイレは奥行きのある空間で
ここのカウンター台も
先ほどと同じように色が合わせてあります。

タンクレスタイプのトイレも
発売されたころに比べて
今は価格も下がってきてるそうで

タンクがないことで
よりスッキリして広く感じられます。

九州ご出身の大崎さんは
その後、大阪そして長岡京市に来たことで
秋山さんと知り合い、今日という日を迎え

前の店では
３００人のお客さんから指名を受ける
人気美容師さんとして活躍し

秋山さんもその内の一人として
これからは必然的にirohaさんへ
髪を切りに来ることになりますので

お二人の信頼で築かれた関係は
まだまだこれからも続いてゆきます。


取材撮影＆文 ： とくおか じゅん